認知症

認知症の療法をご紹介!これで今日から予防ができる!

種類にもよりますが、一度罹患すると100%改善できないのが認知症です。

しかし、進行を遅らせたり、予防することは可能とされています。

そこで今回ご紹介するのは、認知症の5つの療法です。

これらの療法は介護施設などでも用いられており、簡単に準備ができ、その効果もあるとされています。是非ご家庭でも試してみて下さい。

①音楽療法

ベースのハイポジションを押さえる左手の写真

歌を歌ったり、簡単な楽器を用いて音楽活動をします。

介護施設などでは、専門の『音楽療法士』という資格を持った人を招いて活動することもありますが、慣れれば職員だけでもできます。

歌を歌ってみる

歌詞カードやホワイトボードに歌詞を書いて対象者が見えるようにします。

歌謡曲、童謡、民謡など、対象者の若き日を思い出させる曲を選ぶことをおすすめします。

多少、スムーズに歌うことができなくても全く問題ありません。

対象者に楽しい思いをしてもらうことが最大の目的です。

楽器をつかってみる

難しい楽器を使う必要はありません。

タンバリン、カスタネットなど簡単に音が出せるもので、曲のリズムに乗って使ってみるように促すだけで構いません。

リズムに乗るということは、その場が明るい雰囲気になり楽しくなります。

そして、『音楽は楽しい!』という印象を持ってもらえたらそれは成功だといえるでしょう。

音楽を聴く

若者が音楽を聴いて、精神の安定の図ったり、楽しくなるように、高齢者も音楽を聴くとそのような効果が期待できます。

但し、音楽には好き、嫌いがあるので、その人に合った音楽を準備しなければなりません。

例えば、クラシックを好む人がいれば苦手だという人もいます。

よって、ある程度のリサーチは必要になってくるでしょう。

音楽療法の効果

■人との交流が活発になり、孤立を防ぐことができます。

■社会性の問題行動が減少する場合があります。

■コミュニケーションがとれるようになります。

■精神的に安定します。

②学習療法

学習と聞いて、難しい問題にチャレンジしてもらうというイメージを持たれる人もいるかもしれません。

しかし、実は違います。

簡単な問題、例えば算数では、一桁二桁の足し算引き算などがメインになります。掛け算なら一桁で十分です。

漢字の読み書きなら、小学2年生前後のものでも効果は期待できます。

鉛筆が使えない人に対しては、口頭で問題を出してあげて、それに答えてもらうのでも構いません。

学習療法と勉強は違い、『出来た!楽しい!やればできる!』という印象を最初の段階で持ってもらうことが大切です。

毎日10分~15分でも、週に2日くらいでも構いません。
継続的に学習療法を行うことによって、脳が活性化され、認知症の予防・進行防止になるとされているのです。

学習療法で期待できる効果

■笑顔が増えたり、症状が豊かになります。

■他人に関心を持てるようになり、自分らしさを積極的に表現するようになります。

■日々の活動を意欲的に行うことができます。

■自信を取り戻し、料理や洗濯物干しができるようになります。

■認知症の周辺症状が改善されます。

③回想法

回想法はとても簡単です。

その人の昔話を聞き出すだけでも大丈夫です。

対象者が若いころ、輝いていたころの話を引き出し、それに対して支援する側がリアクションを行い、どんどん喋ってもらうようにするのです。

昔話の中には、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいことなどもあるかもしれませんが、今までその人が自分の人生を振り返って、人生を再確認することで、『今現在』も肯定的に受け入れやすくなるとされています。

写真を利用するもの一つの方法です。

対象者の昔の写真は残っていないでしょうか?

たとえ認知症になっていたとしても、昔の記憶は残っているものです。

家族写真を見ながら、「この人は〇〇さんだ」という言葉が聞けるかもしれません。

回想法での留意点

■会話が続きやすい、答えやすいような具体的なテーマを選定します。

例えば、『昔やっていた遊び』『旧友との思いで』『兄弟や家庭での出来事』などです。

■会話が止まっても無理に聞き出そうとしないようにします。

■明らかに間違いがあると感じても指摘や訂正をしないようにします。

回想法で期待できる効果

■脳が活性化し、積極的にコミュケーションが取れるようになります。

■精神的に安定するするようになります。

④アニマルセラピー

吠えるDOGEの写真

アニマルセラピーは、犬や猫などの動物と接することによって、癒しを心に与えてくれ、認知症などの症状を改善するとされています。

認知症でない人、精神疾患を患っていない人でも、好きな動物が近くにいれば癒されますよね。

例えば犬が好きな対象者の膝の上に犬を乗せてあげてみてください。
認知症の方であっても、撫でるなどして喜びを表現し、自然に笑顔を見ることができるでしょう。

アニマルセラピーで期待できる効果

身体的なもの

■全身がリラックスし、感覚刺激や反応が改善できます。(★認知症の症状を改善)

■コレステロール値が低下したり、血圧が改善します。

■筋肉組織や神経が改善します。

心理的なもの

■心理的に不安を取り除くことができます。(★認知症の症状を改善)

■前向きな気持ちになることができます。(★認知症の症状を改善)

■感情表現が豊かになります。(★認知症の症状を改善)

■肯定的な感情が生まれ、精神的な自立が促されます。

社会的なもの

■協調性が生まれます。

■経済的や身体的な自立が促進されます。

■言葉が活性化されます。

⑤園芸療法

陽を浴びる苗の写真

農作業の経験が多いとされている高齢者には、馴染みがあるかもしれません。

花の香りをかいたり、土を触ったりすることによって癒された経験がある人もいるでしょう。
認知症のある高齢者であってもそれは同じなのです。

園芸療法の方法

家庭で行う園芸療法であれば、自然に植物を植えて収穫して、花々を楽しむという流れで大丈夫です。

園芸療法での留意点

■支援者だけが植物の世話をしないようにし、本人にも積極的に関わってもらいましょう。

■水やりや間引きも一緒に行って、世話をすることも共有します。

■植木鉢やスコップの手入れも一緒にし、苦労をする過程も共有します。但し、本人の苦痛にならない範囲で行います。

■季節に合った植物を植えて、『季節』を感じる工夫をしましょう。

■植物に声を掛けてみるなどの工夫をしてみましょう。

園芸療法で期待できる効果

■植物を育てることによって充実感が生まれる。

■植物の成長過程を楽しみ、未来に対する期待が持てるようになる。

■昔を作業を思い出し、回想法の効果もある。

まとめ

これまで5つの療法をご紹介してきました。

期待できる効果についても記載していますが、必ずしもそのようになるとは限りませんので、ご注意をお願いします。

既に認知症の疑いがある人は、医師の診断を受けて、薬などを処方してもらい進行を遅らせる方法などもあります。

これらの療法だけに頼らず、医療・保健・リハビリなどの専門分野の力も借りながら、認知症に関わっていくようにします。

また、認知症の予防に関しては、生活習慣を整えて、運動や栄養に配慮します。
また、自宅に閉じこもっているだけではなく、他者との関りを積極的にしるようにすることも重要です。

様々な療法がありますが、あれもこれもとやってみる必要はありません。

一番大切なことは、本人が『楽しい』『面白い』『やって良かった』と思えるようになることで、支援者は無理のない範囲ですることが重要です。

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