生活の場所になる介護施設ですから、できるだけ後悔しないところで楽しく過ごしたいですよね。
全国各地に沢山の介護施設がありますが、なかには「この施設は失敗だった…」と感じている人も少なくないようです。
今回は、どのような視点で介護施設を選ぶと失敗にくいかを解説していきます。
電話での対応
希望する施設があればまずは電話してみましょう。
例えば
「入所の順番待ちはどれぐらいですか?」
「一か月の利用料について教えてください」
「主治医はどちらになりますか?」
など、どのようなことでも構いません。
電話の際には、以下の通りどのような対応をしてくるのかチェックすることが大切です。
電話に出た人の対応は丁寧か
入所や費用に関することは事務系のスタッフが対応するので、電話を出た人がそのまま対応してくれることが多いと思います。
しかし、そうでない場合、担当につなぐ必要がありますが、電話を持ったまま待たされる時間が長ければ要注意です。
相手が忙しくてどうしてもすぐに対応できない場合は、名前を電話番号を尋ねて、待たせない努力をしてくるはずです。
また、専門用語を多用し、結局何も理解できずに終わってしまったということもあります。
分かりやすい言葉で、丁寧な対応だったかを確認しましょう。
質問に対して適切な答えになっているか
知識が十分にないため、質問に対して適切な答えが貰えない場合があります。
勿論、電話で全てを解決するのは難しい場合もありますが、電話を切ったあとに、「一体、何が言いたかったのだろうか?」と思うようなことがあれば要注意です。
分かることは詳しく説明してくれて、分からないことは「分からない」とはっきり言ってくれる施設の方が信用度は高いといえるでしょう。
別の機関の紹介があるか
上記で解説したように質問に対して分からないこともあります。
そんなとき、そのまま放置されて電話を切るのではなく、その質問の内容に詳しい機関を教えてくれるほどの親切心があれば安心です。
顔の広い職員、知識がある職員は、「〇〇に関することは▲▲事務所に相談して下さい」などというように、どの機関がより専門性が高いのかを理解しています。
担当ケアマネの意見も参考に
施設を探すときは、ケアマネジャーの意見を参考にすることもお勧めします。
心身状態に合わせた施設を理解している
利用者と家族の生活環境や今後どのような経過を辿るのか、持病などのことを理解しているケアマネジャーは、本人の心身状態に合わせた施設をいくつか紹介してくれるでしょう。
直接入りたい施設に問い合わせることも大切ですが、ケアマネジャーに相談する方がスムーズにいく場合があります。
料金のことを理解している
「あの施設は高い」「この施設はやや安い」「あそこは初期費用が高額」などの情報も握っています。
介護施設選びで、料金のことはとても重要です。
例えば、入所した当初は支払っていけると思っていても、要介護度が上がるにつれて高額になりますし、初期費用や管理費がかかる施設もあります。
料金に注目して施設選びをする場合、月々の支払でなく、トータル(入所して退所するまで)の費用までを考えて選ぶ必要があります。
ケアの内容を理解している
例えば、介護の国家資格である『介護福祉士』を持っている職員が多く在籍している。レクリエーションやリハビリが充実している。看取り介護に力を入れている。など、施設によって『強味』を持っているような施設は人気で、それをケアマネジャーも理解しているのです。
利用経験者の声も参考に
これは全ての人が出来ることではありませんが、希望する施設を利用したことがある友人や知人がいれば、是非その施設はどうだったかを聞いてみてください。
実際に利用した人や家族の話なら、具体的にイメージが出来るはずです。
例えば、
食事は美味しいのか、どのようなものが提供されるのか。
レクリエーションでは具体的にどのような活動をしてくれるのか。
スタッフの活気はどうか。
施設長はどのような人か。
郵便や電話連絡で粗相はなかったか。
などです。
どんな些細な情報でも構いませんので、生の声を参考にしてみて下さい。
見学してみる
体験入居や見学ができる施設もあります。
ただし、何も考えずに行くのは勿体ないので、以下のポイントに注目してみましょう。
チェック項目
車椅子など福祉用具はきれいか
居室が清潔できれいに整理整頓されているかは当然のことですが、あまり目が行かないのが、車椅子などの福祉用具です。
福祉用具の中には毎日使われる、使用頻度の高いものが多く、清潔でなければ使う気がしないという人も少なくないでしょう。
車椅子の場合、食べこぼしやトロミ剤が付着して不衛生になりがちです。
きれいな福祉用具であれば、それだけ職員の人数が足りていて、目が行き届いている証拠です。
担当者の対応は丁寧か
見学に行くと、その施設の管理者か相談員などが対応してくれます。
その際に、分からないことや不安なことを尋ねても、優しく分かりやすい言葉で丁寧に教えてくれるかを確認しましょう。
異臭がしないか
高齢者施設の多くは臭いがこもりやすいとされています。
加齢臭に加えて排泄物の臭いがプラスされるからです。
そんな異臭が全くない施設は少ないかもしれませんが、なるべく臭いを抑える努力をしている施設はあります。
2~3件の施設を見学すれば、臭いが気にある施設などが出てくるかもしれません。
居室の広さは十分か
居室にテレビ、簡易タンス、ミニ冷蔵庫を置いて・・・と考えていたら、すぐ狭くなってしまいます。
勿論、国の基準で定めらた面積の居室を用意することになっています。
しかし、基準値ピッタリで面積に余裕がなく、狭い空間で生活することになるケースもあることを理解しておく必要があります。
不適切ケアはされてないか
不適切ケアの定義が特別あるわけではありませんが、ここでは参考として、このような行為を利用者にしていたら気を付けた方がいいことを解説します。
■利用者の名前を『ちゃん』『くん』などで呼んでいる。
■「ちょっと待って」「今はできません」など利用者を待たせる言葉を連発している。
■職員同士の私語が多い。
■身体を拘束するような行為が見られる。
■ナースコールの対応が遅いと感じる。
■声掛けが乱暴である。
■羞恥心への配慮がされていない。
見学だけで不適切ケアがされていないかを見抜くのは難しいので、出来るなら一日体験などをすることをお勧めします。
併設のショートステイなどを利用する
在宅サービスのショートステイを利用して、その施設の本質を見抜く方法があります。
特別養護老人ホームや老人保健施設などでは、ショートステイを併設しており、サービス内容はその施設とほぼ同じだと考えていいでしょう。
よって、ショートステイを利用して、自分に合わないと感じたらその施設(特養や老健)も合わないと思っていいましょう。
ブログやSNSで活動内容を確認
最近の施設はブログやSNSを利用してどんどん情報を発信しています。
希望する施設のホームページに一度アクセスしてみましょう。そこからブログやSNSに繋がることができ、実際に施設内でどのような活動をしているかを知ることができます。
自分の趣味に合う活動は行われているかなどを確認することができるでしょう。