病気・症状

浮腫の原因と対策を徹底解説!日常生活で気を付けることは?

足に水が溜まって、パンパンになっている高齢者を見たことはありませんか?

指で押すと、その部分が凹んでしばらく元に戻らない状態になったります。

若い人でも立ち仕事が多い人は、浮腫が現れたりしますが、この正体は何なのでしょうか?

今回の記事は、なぜ浮腫になるのかを解説し、その対応策もお伝えします。

浮腫とはどのような状態なのか

浮腫とは医学用語であり、人間の細胞の間にある浸出液が極端に増加したり、貯留した状態のことをいいます。

毛細血管を通じて各細胞に水分が送られていく働きがあるのが血管ですが、同時に、細胞内で要らなくなった90%の水分を静脈に戻します。そして、残りの10%の水分はリンパ管へと戻るのです。こうやって、体内にある水分を循環させているのです。

しかし、血管の外に水分が漏れたりすると、下肢や上肢に『水が溜まる』という状態になる のです。

浮腫に気が付くケース

明らかに浮腫であるとケースもあれば、そうでないこともあります。

もしかして浮腫かも?と考える身体の違和感について解説します。

日常生活のなかでは、腕時計や靴下など、身体に身に着けているものを外してもその跡がなかなか消えないと浮腫になっている可能性があります。

また、いつも簡単に入る靴が、なかなか履けなかったら下肢が浮腫になっている可能性もあります。

かかとの筋(アキレス腱)がはっきりと見えなかったり、足が冷たくなりなんとなく重いような感じがあると浮腫だと気が付くこともあります。

高齢者の浮腫の原因

浮腫の原因は大きく分類すると、浮腫が身体の両側にあるか、あるいは疾患によるものと、そうでないものに分けられます。

若い人なら、浮腫の原因はひとつである場合が多いのですが、高齢者になると複数の原因が同時に重なって起こることが多いのです。

疾患による原因

身体の両側にあるもの

● 心不全

● 心臓病

● 腎臓病

● 肺高血圧症

● アレルギー

● 上大静脈症候群

● 慢性腎不全

身体の一部にあるもの

● リンパ浮腫

● 深部静脈血栓症

● 蜂窩織炎

● 熱傷や外傷

疾患以外による原因

● 長時間の立位

● 長時間での座位

● 塩分の過剰摂取

● 水分の過剰摂取

● 酒の過剰摂取

● 加齢

● 疲労やストレス

薬が原因で浮腫になることも・・・

高血圧の薬などを服用している高齢者は、副作用として浮腫が現れることもあります。

浮腫の対応策

元気がないお爺さんに声をかける介護士の女性の写真

若い人でも浮腫の出現はありますが、高齢者の場合は特に注意が必要です。

まずは受診する

高齢者の場合、寝たり座ったりと同じ姿勢で長時間過ごすことが増えて、明らかに浮腫だと分かるぐらいパンパンになることがあります。見た目ですぐに異常だと気が付きます。

そのような場合には、家族はとても心配になり、何か重篤な疾患でも隠れているのではないかと心配になるでしょう。

そのような場合には、すぐに病院を受診しましょう。

浮腫の状況は変化することがあります。受診するときは酷いときをスマホなどで撮影して医師に見せられるようにしておくと状況が分かりやすいです。

日常で配慮するべきことのアドバイスを貰うこともありますが、薬が処方される場合もあります。

膝などに浮腫がある場合は、注射針を刺して水を除去(抜く)する処置などもしてくれます。

生活習慣を見直してみる

明日を夢見る管理薬剤師見習いの写真

身体を動かす習慣がだんだん無くなってくる高齢者はいつも同じ姿勢で日々過ごしていることが多いです。

例えば、ベッドや椅子(車椅子)で一日中生活している人も少なくはないでしょう。

例えば心臓より下肢が低い位置にあれば、浮腫になりやすいのです。

どうしても身体を動かせない場合には、下肢を上げて水が先端に溜まらないようにする必要があります。

また、塩分や水分の酒の過剰摂取でも浮腫になることがあるので、医師と相談してどれぐらいが適量なのか見極めることが大切です。

そして、是非その適量を実践に取り入れられるようにして下さい。

軽い運動やストレッチをする

浮腫を解消する方法の一つとして、老廃物を排除して体内の血液循環を良好に保つ方法があります。

そのために、軽い運動やストレスを行って、筋肉を動かして解消させましょう。

要介護状態でなく要支援状態あるいは自立状態であれば、自分で杖などを使えば歩行はできると思います。

座りっぱなし、横になりっぱなしの生活を送るのではなく、少し外に出て歩くことをお勧めします。

ここで重要なことは、長距離を歩く必要はなく、ふくらはぎの動きを意識して歩くようにします。

そして、足先を上下に動かせるようにして歩行するのです。

外に出て歩くことが難しければ、家の中で手すりを使いながら歩いても大丈夫ですが、くれぐれも転倒・転落には気を付けて下さい。

マッサージをしてみる

足のむくみをとるストレッチの写真

下肢に浮腫がある場合、蒸しタオルなどで少し患部を温めて、ワセリンやオイルを使ってマッサージするといいでしょう。

あまり力を入れずに、複数回に分けて行うことがポイントです。

足先から、身体の中心部に向けてゆっくりとマッサージします。時間にして10~15分を毎日1回するようにします。

1回だけやってみると随分と浮腫が改善されたように感じますが、また同じような生活習慣を繰り返すとすぐに元に戻ります。

マッサージの効果を得るには、時間をかけて無理しないように丁寧にやってみてください。また、力の入れすぎにも注意しましょう。

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