終活…自分の人生の最期を迎えるための準備を始める人が増えています。
終活の中で重要なポイントとなるのが、お墓の問題です。
- 自分のお墓がない
- 希望の供養をして欲しい
- 先祖代々のお墓とは別のお墓に入りたい
など、既に自分の入るお墓が決まっている人は問題ありませんが、これから考える・自分の希望の供養をして欲しいという人は、生前に準備をすることに大きなメリットがあります。
この記事では終活でお墓を準備する際のポイントやメリットなどを詳しくご紹介します。
これから終活を始める方、お墓のことで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
終活でお墓を準備する3つのポイント
自分の入るお墓が決まっていない場合、生前にお墓を準備するという方法があります。
お墓のスタイルを自分で決められたり、費用面で子供たちに負担をかけずに済むというメリットがありますが、準備の際には注意したいポイントが3つあります。
どのようなことに注意してお墓を準備すれば良いのか、3つのポイントをご紹介します。
1・家族構成
お墓を決めるときには家族構成を重視しましょう。
お墓を相続する人がいるかという点が大きなポイントです。
せっかく立派なお墓を準備しても、管理してくれる人がいなければ無縁墓になってしまいます。
独立している子ども達の生活状況なども考慮すると良いでしょう。
2・居住地との距離
管理をしてくれる人の居住地とお墓との距離も考えておきたいポイントの1つです。
お墓の本来の意味は、家族や親戚・知人などにお参りをしてもらうことです。
- 居住地からあまりにも遠い
- 移動手段が限られている
などの場合は、維持管理の面でも心の拠り所という面でも避けた方が良い立地ということになります。
駐車場の有無や公共交通機関を使用した場合のアクセスも確認してください。
現在の家族の状況ではなく、これから年齢を重ねていくことを前提として、移動については熟慮する必要があるといえるでしょう。
3・費用・管理体制
費用や管理体制については、事前の情報収集と家族間での話し合いがポイントになります。
お墓にかかる費用は主に下記の3つです。
- 永代使用料
- 墓石料
- 管理料
注意したいのは永代使用料と墓石料です。
購入する墓地にもよりますが、かなり高額になるため、資金の準備が必要になります。
また管理の体制や管理料がどの程度発生するのかも把握しておきたいポイントです。
近年ではパンフレットなどの資料請求を行える墓地が増えてきているので、自分たちの希望するお墓に、どのくらい費用がかかるのかを必ずチェックするようにしましょう。
※その他にも宗派や管理規約をきちんと把握して決めることも大切です。
終活でお墓を準備する3つのメリット
生きているうちにお墓の話なんて…という方もいらっしゃいますが、
終活で自分のお墓を準備することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
自分や家族の希望を叶えることができる
終活でお墓を準備する最大のメリットは、自分や家族の希望を叶えられることです。
お墓にはさまざまな種類があり、供養の方法も増えてきています。
墓石を購入するのであれば石材の種類・デザイン・場所などを自分の希望通りに選定することが可能です。
また樹木葬・散骨・納骨堂の利用などを希望される方は、方法や場所、費用などをあらかじめ調べることもできます。
先祖代々のお墓に入る場合でも、お墓の改葬などを行うケースも増えてきているので、選択肢は広がると考えられるでしょう。
相続税が軽減される
生前にお墓の準備をしておくと、相続税の節税対策にもなります。
通常は故人の財産を相続人が相続した時点で相続税が発生しますが、お墓は非課税の財産に該当するため、相続税の対象にはなりません。
お墓を建てるための土地は購入するのではなく、使用権を購入するものなので、不動産所得税の納付も不要です。
しかしお墓を建てるための費用として財産を残した場合には、相続税の対象となります。
相続税軽減の観点から見ても、生前にお墓の準備をすることにはメリットがあるのです。
遺族の負担が軽減される
終活でお墓の準備をするメリットは、遺族の負担を軽減することも挙げられます。
万が一のことがあった場合、遺族が「何もわからない」という状態に陥ることを防ぐのです。
病気に無縁だった方が急に事故で亡くなったり、隠れていた病に倒れたりすることも考えられます。
「生きているうちにお墓の話なんて…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の希望を伝え、資金の準備をしておくことで、「ちゃんと聞いておけばよかった」と遺族の方が後悔することもなくなるのです。
お墓選びにはたくさんの時間がかかります。
家族間での意見の相違や資金不足などが原因となって、いつまでも納骨ができない…という状況もあり得ます。
メリットをきちんと理解した上で、終活準備の一環としてお墓選びを行うことは遺族の方の煩雑さを軽減することもできるのです。
お墓を持たない選択肢・どんな方法がある?
近年では少子高齢化などの影響で、お墓を持たないという選択をされる方も増えてきています。
お墓を持たずにどのような供養をするのか、代表的な方法を3つご紹介します。
合同葬・納骨堂
お墓を持たない選択肢として代表的なものが、合同葬や納骨堂の利用です。
合同葬や納骨堂とは、複数の契約者が合同で使用するお墓のこと。
合祀墓・供養塔・合葬墓・共同墓・集合墓・永代供養墓などと呼ばれることもあります。
- お墓の継承を考えずに済む(無縁墓にならない)
- 墓石の購入が不要
- 残された家族への負担を軽減する
というメリットがあります。
反対にデメリットとしては
- 家族以外の人と同じお墓に入ることになる
- 希望がない限り個別の法要は行われない
ということが挙げられます。
メリットとデメリットを比較したときに、メリットの部分が大きいのであれば、合同葬・納骨堂などの利用を考えるのも良いでしょう。
樹木葬
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を植え、樹木の周りに遺骨を埋葬するものです。
樹木葬の一番の特徴は、お墓の継承に関する問題がないということ。
単身の方や夫婦2人だけというニーズの高いお墓になります。
樹木葬は通常のお墓と比較して、費用が安いのがメリットです。
樹木葬にはガーデニング風のタイプや日本庭園風のタイプ、土に還ることをモチーフとした里山の中のタイプなど、さまざまなシーンを選ぶことができますが、20万円~80万円程度が一般的な価格です。
- お墓を継承する家族がいない
- お墓に費用をかけたくない
- 自然や植物が好き
という人にはおすすめの供養といえるでしょう。
一定期間を経過すると、合同墓に移されてしまうケースもありますので、同じ樹木葬でもどのような管理体制になっているのかを確認する必要があります。
手元供養
お骨をお墓に納骨せず、自宅で供養する方法を手元供養といいます。
手元供養は、
- 故人の遺骨を身近に置いておきたい
- お墓を持ちたくない(あるいは持てない)
- 定期的にお墓参りに行くことが難しい
という人におすすめです。
お骨を分骨する、お墓に納骨しないと成仏できないと言われることがありますが、それは違います。
必ずお墓に納骨しなければいけないということはないので、事情があってお墓が建てられない方や納骨することがためらわれるという方は、自宅で供養する方法もあるのです。
遺骨を自宅で管理することは違法にはなりません。
お墓を建てても無縁墓になってしまうよりは、手元供養を行うことも選択肢の1つといえるでしょう。
まとめ
終活でお墓の準備をすることには、大きなメリットがあります。
- 自身の希望に沿ったお墓が準備できること
- 遺された家族の負担が軽減すること
- 相続税の節税になること
またお墓を持たないという選択肢もあります。
- 合同葬・納骨堂
- 樹木葬
- 手元供養
自分の最期を考えたとき、どんな供養をして欲しいのかをじっくりと考え、家族とも相談しながら決めていくことがベストといえるでしょう。
情報収集をきちんと行い、比較検討した上で最善の方法を選んでください。