保険外サービス

介護保険外サービス利用時の注意点・種類や費用を解説

介護保険外サービスという名称を聞いたことはありますか?

介護保険外サービスとは読んで字のごとく、介護保険に該当しないサービスの総称です。

介護保険外サービスにはさまざまな種類があり、提供する団体や企業によって相場もかわります。

そこでこの記事では、介護保険外サービスを利用する際の注意点や種類、費用の相場などをわかりやすく解説します。

介護のサービスについて課題をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

介護保険外サービスとは

介護保険外サービスとは、介護保険ではできないサービスや足りないサービスを提供し、介護認定を受けていない人でも利用できるサービスのことです。

介護保険外サービスには、介護保険のサービスと異なる点があります。

  • 利用時間や期間を自由に設定することができる
  • 同居の家族も利用できる(介護認定の有無は関係ない)

介護保険外サービスには介護保険に定められているような厳格なルールがないのが特徴です。

そのため利用者のニーズに応じた内容を、希望の期間・時間に則って提供できることが最大のメリット。

費用は自己負担となりますが、自治体などが提供しているサービスもあり、驚くような高額なサービスばかりではありません。

介護保険のサービスだけでは足りないという方、介護認定を受けていないけれどサービスを受けたいという方に適したサービス内容になっています。

介護保険外サービス利用時の注意点

介護保険外サービスを利用する時には、注意したいポイントがあります。

5つのポイントをピックアップしてご紹介しましょう。

①複数の業者に見積りを依頼する

介護保険外サービスを利用する際には、必ず複数の業者に見積を依頼しましょう。

同じサービス内容でも、提供する業者によって費用が異なるためです。

介護保険外サービスには費用相場がありますが、オプションなどを選択することで費用が高額になる可能性があります。

また対応するスタッフと、利用される方の相性なども考えなくてはいけません。

サービス内容は良くても、スタッフとの相性が悪ければ、サービス提供時間が苦痛なものになってしまいます。

スタッフの選別や料金の支払い方法など、いくつかのパターンを比較して、最適なサービスを選ぶことが大切です。

②高齢者に配慮したサービス内容かを見極める

高齢者に配慮したサービス内容かを見極めることも肝心です。

介護保険外サービスと混同されやすいのが、家事代行サービスになります。

家事代行サービスと保険外サービスの違いは、スタッフの知識です。

家事代行を行いながらも、認知症の方の見守りができるなど、高齢者に関する基礎的な知識・対応方法などを知っているかどうかは大きな問題になります。

基本的には利用される方の希望に応じたサービスを提供しますが、何かあったときの対応などは、知識のない方には難しいものです。

スタッフの高齢者の関する知識があるか・高齢者に適したサービス内容となっているかという点は、必ずチェックするようにしましょう。

③保険加入の有無・トラブル時の対応を確認する

サービスを提供する業者の保険加入の有無や、トラブル時の対応方法などは、利用前に必ずチェックしておきたいポイントです。

高齢者の方の場合、体調の急変などは起こる可能性が高くなります。

また家事代行中の物品の破損・紛失などの対応方法も確認しておきましょう。

多くの業者はきちんと保険に加入し、トラブル時の対応なども徹底した研修が行われていますが、残念なことにすべての業者が対応しているということはできません。

事が起きてしまってからでは取り返しがつかないので、契約前にきちんと説明を受けてください。

特にご家族と離れて暮らしている高齢者の方の場合は、すぐに対応できる身内がいないので、業者の対応が頼みの綱となります。

契約書に詳細が記載されていなければ、その業者は要注意だと思った方が良いでしょう。

④希望を具体的にピックアップする

どんなサービスを受けたいのか、希望を具体的にピックアップしておきましょう。

『生活全般をみてもらいたい』というような曖昧な状態だと、業者側もどんなサービスを必要としているのかわかりません。

  • 見守りをして欲しい
  • 通院・外出介助をして欲しい
  • 福祉用具をレンタルしたい
  • 食事のサービスを受けたい

など、生活の課題となっているものを把握する必要があります

介護保険のサービスとあわせて利用するのであれば、どんなサービスが不足しているのかを基準に考えてください。

曖昧な希望で不要なサービスを受けてしまうと、利用料金も高額になる可能性があります。

⑤貴重品の保管はしっかりしておく

貴重品の保管はしっかりとしておきましょう。

特に一人暮らしの方の場合は、厳重な対処が必要です。

考えたくはありませんが、中には悪質な業者が存在することも事実…思いがけない被害に遭うことも考えておかなくてはいけません。

可能であれば家族の方が管理すること、頼れる身内がいない場合は、専門家への相談を行ってください。

介護保険外サービスの主な種類と費用の目安

介護保険外サービスはさまざまな団体がサービスを提供しています。

  • 市町村
  • 介護サービス事業者
  • 社会福祉協議会・シルバー人材センター
  • 民間企業

などの提供者からサービス内容や費用を比較して、選択しなければいけません。

介護保険外サービスの主な種類を3つピックアップし、費用の目安をご紹介します。

家事代行サービス

家事代行サービスとは、掃除・洗濯・料理などの家事全般を行ってくれるサービスです。

介護保険のサービスでは、介護認定を受けている方のみが対象となりますが、保険外サービスでは対象者は限定されていません。

家族の方、介護認定を受けていない方でも利用することができるため、保険外サービスの中ではもっとも多く利用されているサービスです。

費用は時間単位での請求が一般的で、市町村などの公共団体と民間企業では大きな差があります。

  • 市町村の提供する生活支援サービス:200円~300円程度/時間 ※上限60分
  • 社会福祉協議会の高齢者支援サービス:800円程度/時間 ※年間の会費が必要なケースあり
  • 民間の高齢者支援サービス:2000円~3000円程度/時間

参考:地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集|厚生労働省

利用したい時間や回数、内容などによって費用に差があり、また年会費が必要・時間の制限など、一定の条件があるサービスも存在します。

介護保険サービスでは対象とならないケースにも対応が可能なので、ニーズは非常に高くなっているのが現状です。

配食サービス

配食サービスとは、安否確認も含めて、食事の配達をしてくれるサービスです。

市町村・民間企業が実施しており、1回500円~700円程が費用の目安となります。

コンビニや弁当チェーンなども参入しており、さまざまな種類の総菜や季節の行事食なども取り入れているケースもあり、バリエーションが豊かです。

配送時は原則手渡しとなっていることが多く、異常があればすぐに対応できるシステムが構築されています。

毎日ではなく週3回・平日のみなど、利用する人の希望で行ってくれるため、介護保険サービスとの併用で利用することも可能です。

移送サービス

通院や外出の介助、冠婚葬祭の付き添いや観光・イベントの参加など、介護保険のサービスには組み込まれないサービスが移送サービスです。

通院や外出の介助は、時間がかかることが多いため、介護保険のサービスでは計画に含まれないことが多く、冠婚葬祭や観光などはサービスの対象外になっています。

しかし生活の質=QOLを上げるためには、必要なサービスです。

家族の方が介助できなくても、ヘルパーが同乗・同行してくれるので、利用者の方はご自身の都合に合わせて外出ができるのです。

費用は時間単位・メーター単位(タクシーなど)があり、時間単位では1000円前後から利用可能になります。

まとめ

介護保険外サービスは、多くの団体や企業が提供しているサービスで、介護保険の認定を受けていない方でも利用が可能です。

介護保険のサービス外となっている内容もあり、高齢者の方のQOL向上には欠かせないサービスといえるでしょう。

単体の利用だけではなく、介護保険との混合利用も推進されており、今後はさらに利用者が増えていくと見込まれています。

サービス利用時の注意点や費用相場をチェックし、ご自身やご家族に適したサービスを見極めることが大切なポイントです。


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