家族が介護状態になったとき、自分が仕事をしていたらあなたはどうしますか?
総務省が2017年に調査した『平成29年就業構造基本調査』によると、2017年に介護・看護を理由として離職した人は、99,000人にも上ります。
親・義親の介護が全体の8割を占めており、介護離職ゼロを目標とする国の施策が機能していない結果といえるでしょう。
ただし、介護の負担は保険外サービスを利用することで軽減することが可能です。
この記事では介護離職を防ぐために利用したい、介護保険外サービスについてご紹介します。
介護と仕事の両立のために、ぜひ参考にしてください。
介護離職を防ぐための3か条
介護離職を防ぐためには、3つの大切なポイントがあります。
家族に介護が必要になるときは、誰にでも訪れる可能性があるので、情報収集の一環として押さえておきましょう。
家族だけで介護をしない
家族だけで介護をするには限界があります。
同居している場合はもちろん、離れて暮らしている場合などは、自分の生活さえ危うくなってしまうものです。
特に認知症の症状がみられるケースでは、見守りに昼夜を問わず時間を取られたり、異食や徘徊に配慮する必要もあります。
家族だけで介護をすることは、負担を大きくするだけで、良い結果は生まれないことがほとんどです。
介護に関する相談は、まず各自治体の相談窓口や、地域包括センターを利用しましょう。
在宅で介護を行うとしても、介護認定などの手続きが必要です。
居住する地域の役所の場所であれば、誰もが知ってるはずですので、早めに相談をしましょう。
介護サービスを利用できるようになることで、介護と仕事の両立ができる可能性が高くなります。
相談窓口に関する情報を収集する
介護の相談窓口に関する情報を収集しましょう。
実際に介護が必要になってからではなく、事前に家族と相談して行っておくことが大切です。
- 地域包括センター
- 市区町村の役所
- 社会福祉協議会
- 居宅支援事業所
- 医療機関(かかりつけ医)
など、相談窓口はたくさんあります。
仮に担当外の相談だったとしても、しかるべき相談機関を紹介してくれますし、連携を取っていることが多いので安心です。
家族だけで抱えることなく、介護の専門家に相談できるよう、情報収集が必要になります。
保険外サービスの利用を検討する
介護保険だけではなく、保険外サービスの利用を検討しましょう。
年齢や疾患によっては、介護認定が受けられず、介護保険のサービスを利用できないこともあります。
保険外サービスであれば、費用は自己負担になりますが、必要なサービスを適切に受けることが可能です。
保険外サービスは市町村以外にも、民間企業などがサービスを提供しています。
回数や時間に制限なく、介護保険で対象外となっているサービスの提供もあるため、より利用者に寄り添ったサービス内容です。
介護保険サービスの足りない部分を補完する混合介護も可能なので、負担が大きい場合は利用を検討することをおすすめします。
保険外サービスの利用で介護離職を防ぐ
介護保険のサービスは、厳密なルールに則って提供されています。
そのためできないことや足りないこともあり、家族が介護の負担を背負っているケースも少なくありません。
保険外サービスを利用することで、介護と仕事を両立できるケースを3つご紹介します。
介護保険サービスが受けられない場合
年齢・疾患によっては、介護保険サービスが受けられない場合があります。
ご本人は非常につらい状態で生活をしなければならず、公的サービスを受けられないことで家族の負担も大きくなります。
しかし保険外サービスであれば、年齢や疾患に関係なく、希望するサービスを受けることが可能です。
配食サービス・福祉用具のレンタル・移送サービス・家事代行サービスなど、高齢者の方向けのサービスが充実しており、回数や時間にも制限はありません。
家事代行サービスとは異なり、高齢者の方に関する知識を持ったスタッフが対応しますので、家族の方がお仕事をされている時間や夜間なども安心して依頼することができます。
通院介助のために仕事を休まなければいけない・親の食事を毎日作りに行かなければいけないなど、介護離職の原因となる負担を軽減することが可能です。
遠方に住んでいて親の介護が思うようにできない場合
距離的に親の介護が難しく、同居もできないというケースもあります。
そんなときも保険外サービスであれば、緊急通報サービスの利用・認知症の見守り・家事全般の支援などを依頼することが可能です。
仮に介護保険サービスを受けなくても良いほど健康だったとしても、一人暮らしの場合は心配なもの…高齢者向けのサービスであれば、安心して利用することができるでしょう。
民間の企業では、見守りと防犯の機能を備えた機器などもあり、レンタルで利用することもできます。
介護保険だけでは足りない部分を補完する混合介護であれば、離れて暮らしている場合でも十分なサービスを受けられるので、保険外サービスの利用はメリットが大きいです。
認知症の親と同居していて仕事と両立できない場合
認知症の親御さんと同居していることで、仕事と両立ができなくなることも少なくありません。
認知症の介護の場合は、家族に大きな負担がかかります。
「目を離すことができない」「昼夜逆転した生活になる」というのはよく聞く話で、介護だけで精いっぱい、仕事を続けることができないという状況に陥りがちです。
介護保険サービスの場合は決められた内容と時間で実施されます。
単位がオーバーしてしまうのであれば、十分なサービスとは言えず、足りない部分を家族が補うことになるのです。
保険外サービスであれば、認知症の方の見守りや留守番・話し相手などをお願いすることができます。
介護保険では提供されないサービスですので、保険外サービスを利用することで生活が大きく変わるでしょう。
民間の企業では、GPSを搭載した見守りサービスや、機器のレンタルなども提供されています。
安心して仕事を続けられるように、保険外サービスを利用するという方法は、非常に有効です。
まとめ
介護離職は、社会全体の大きな問題です。
実際に介護をすることで、身体的・精神的に疲弊してしまい、仕事が継続できないというケースは少なくありません。
家族だけで介護を担うのは、負担が大きすぎます。
介護保険のサービスが足りない・利用ができないという場合には、ぜひ保険外サービスの利用を検討してください。
介護保険では不足しがちなサービス内容が非常に充実しているのが特徴です。
介護離職を防ぐだけではなく、利用者の方のQOLを向上させることにもつながりますので、情報収集を行い、適切なサービスを選択してください。
【参考】
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