事例集

【事例集】使って良かった!両親の介護で利用した保険外サービス3選

急に親の介護に直面し、わからないことばかりで困ったという事例は非常に多くあります。

筆者もその一人…20代後半で急に襲い掛かってきた両親の介護問題は、知識や情報のなさが原因で、困難を極めるものでした。

積極的に情報収集を行ううちに、介護保険を受けられない両親が快適なサービスを受けられるようになりました。

仕事・家事・子育てと並行して両親の介護を行う中で、筆者の負担を軽減するヒントがあったのは、介護保険のサービスではなく、保険外サービスでした。

そこでこの記事では、筆者の事例に基づいて、本当に使って良かった保険外サービスについてご紹介します。

介護保険サービスのルールが合わない?

年齢を重ねて介護が必要だと思われる状況になったとしても、結果的に全員が介護認定を受けられる保証はありません

特に筆者の両親の場合は、介護保険の認定を受けることができず、サービスをどんな形で受けることができるのかがわからない状態でした。

介護保険を受けられない両親はどんな状況だったのか、詳しくご紹介します。

両親の状況

両親(父親)が働けない状況になったのは、筆者が20代後半の頃でした。

原因は肺気腫。長年の喫煙習慣が原因だと診断されましたが、特に有効な治療法もなく、発作や呼吸困難を起こして入退院を繰り返す状態になったのです。

母親は父親よりも6歳年下でしたが、子供のころに腎結石による腎臓摘出・脊椎側弯症の既往症を持ち、乳がんをはじめ甲状腺がん・子宮がんの治療中ということもあり、父親の看病もままならない状態でした。

当時の両親は、どちらも介護認定に該当はしなかったため、家族内で何とかせざるを得ない状況だったのです。

介護保険制度の厳密なルール

介護保険に関して無知だった筆者は、その厳密なルールすら知りませんでした。

  • 介護保険サービスを受けられる人は65歳以上
  • 40~64歳の人でも特定疾病に該当すれば介護保険サービスは受けられる

筆者の両親は65歳以上でもなく、特定疾病に該当する既往症もなかったため、介護保険制度の利用はできませんでした。

役所の窓口で言われたことは、「例外はありません」「厳密なルールに則って運営されている制度です」ということ。

条件に該当しなければ、どんなにサービスを受けたくても、受けることができないのが現状なのです。

介護認定を受けていない人はどうする?

途方に暮れた筆者は、介護保険の制度をよく知る人を紹介してほしいと多くの知り合いに声をかけました。

中学時代の友人の家族がケアマネジャーをしていることが判明し、仕事とは別の形で相談に乗ってもらうことができました。

  • 筆者が介護離職をしなくて済むようにする
  • 母親の体力的負担を軽減する
  • 両親の生活の質を守る
  • 費用的に負担の少ないサービスを選ぶ

契約をしていたわけでもないのに、親身に相談に乗ってくれた彼女は、この条件を満たす方法として介護保険外サービスの利用をすすめてくれました。

介護保険の認定を受けられない人は、介護保険サービスを利用できない以上、保険外のサービスの利用しかできないということを教えてもらったのです。

使って良かった!保険外サービスの体験談

保険外サービスにはさまざまな内容があり、料金もまちまちです。

両親は65歳以上になっても要支援の認定しか受けることができなかったので、生活の大半は保険外サービスに支えられていました。

筆者が実際に利用してみて、本当に使って良かったと感じたサービスを3つご紹介します。

介護保険外サービスの利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

①介護用ベッドレンタルサービス

介護用ベッドのレンタルサービスは、両親ともに利用したサービスです。

電動で上半身・下半身が別々にリクライニングし、脊椎側弯症で腰痛のひどい母には、体圧分散のマットもレンタルさせてもらうことができました。

1ヶ月に1回、必ず訪問をしてくださり、メンテナンスや両親の状態にあったカスタマイズまで行ってくれました。

料金は1台につき1,700円/月。体圧分散マットは800円/月。

ひと月5,000円未満で、快適な睡眠を得ることができたのです。

両親ともに、亡くなるまでベッドのレンタルは利用させてもらいました。

料金もさることながら、利用中のフォローも完璧で、使って良かったと思うサービスでした。

②訪問理美容サービス

在宅介護で意外と困るのが、理美容です。

両親は自分たちで床屋や美容院に行くことが難しく、特に寝たきりに近い父親はボサボサの頭をしていました。

筆者が住んでいた地域では、商店街の活動が活発で、お年寄り向けに各商店がさまざまなサービスを実施していました。

買い物代行以外にも、出張で理美容やマッサージ師のサービスを受けることも可能だったのです。

必要な備品は全て持ってきてくれるので、こちらで用意するものは何もありませんでした。

料金も通常のお店での散髪代+500円

お店がお休みの火曜日を利用してきてくださっていたので、時間も融通が利き、本当に助かりました。

両親にとっては、家族以外の人とコミュニケーションが取れる貴重な時間でもあったため、楽しそうに話をしていたのを覚えています。

地域ごとの取り組みによって差はありますが、利用できて良かったサービスの1つでした。

③付き添いサービス(通院)

父親は半月に1回、母親は1週間に1回、近くにある大学病院に定期的な通院をしていました。

加えて、母親は3ヶ月に1回の検診をがんセンターに受けに行かなければならず、筆者が仕事を休んだり早退したりしながら通院の介助をしていました。

しかし、回数が多いことや時間が長くかかることもあり、仕事に支障が出始めていたので、理美容サービスの方に相談し、民間サービスの通院介助をお願いすることにしました。

通院の付き添いは送迎や病院内の移動も含めると、3時間以上かかるのが通常だったため、時間制で料金が発生するサービスの利用は厳しいなと思っていました。

最初の打ち合わせの際に事情を説明すると、「まだサービスを立ち上げたばかりでお客様もいないし、月単位の料金でやらせて頂けませんか?」と提案をしてくださったのです。

通常なら1時間1,000円程の料金が発生するので、10,000円以上の費用が発生するところを、何回サービスを利用しても月額10,000円で…と引き受けてくださいました。

このサービスは、介護離職を招く状態だった筆者の負担を大幅に軽減してくれました

利用する会社によって料金やサービス内容は異なりますが、筆者の家族の状況にはとてもマッチングしたサービスでした。

保険外サービス利用時に注意したいこと

非常に便利な保険外サービスですが、利用をする際には注意したいポイントが3つあります。

「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないように、必ず確認をしましょう。

相性を確認すること

保険外サービスを提供する担当者と、サービスを受ける人の相性は非常に大切です。

仮に相性が良くない場合、担当の変更ができるかどうかを確認しましょう。

筆者の場合、父親が通院介助の担当者と合わないことがあり、1度担当者変更をしてもらったことがあります。

人と人との相性というのは、介護ではとても重要ですので、サービス利用前に顔合わせをするのもおすすめです。

料金の支払いは家族が行うこと

できる限り料金の支払いは家族が行うようにしましょう

仮に一緒に住んでいなかったとしても、銀行引き落としの口座などは登録できます。

サービスを提供する人の中には「本日の分を現金で」というケースもあったのですが、契約時に銀行引き落とし、もしくは事業所への持参という条件をつけていたので、お断りしたことがありました。

疑うわけではありませんが、高齢の老夫婦を騙そうという事件も頻繁に起きています。

法外な料金を請求されたり、頼んでもいないサービスを押し売りされたりということがないよう、料金の確認や支払いは家族が行った方が安心です。

窓口となる担当者を明確にしておくこと

サービスの件で問い合わせや相談のできる担当者を明確にしておくことも大切なポイントです。

大きな事業所になると、電話の担当者と実際の担当者が異なり、用件がきちんと伝わらないことなどがあります。

責任をもって個別に担当者を設定する事業所を選び、困ったときに相談ができる状態を作っておきましょう。

まとめ

保険外サービスは、料金が高いのではないかというイメージがありましたが、実際に利用をすると驚くほど高額な料金ではありませんでした。

必要なサービスを洗い出し、無駄を省けば誰でも利用できるサービスであるといえます。

自治体・民間など、近年ではさまざまなサービス提供元があるので、自分たちの希望や条件に合うサービスを見つけるところから始めましょう。

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