介護保険サービス以外で、高齢者の生活に関するサービスには、介護保険外サービスと家事代行の2種類があります。
介護認定が受けられない、介護保険サービスでは足りないという場合に利用されることの多いサービスですが、この2つのサービスには大きな違いがあることをご存知でしょうか?
上手にサービスを利用するためには、2つのサービスの特徴や違いをしっかりと理解しておくことが不可欠です。
そこでこの記事では、介護保険外サービスと家事代行サービスの違いや特徴、利用時の注意点などをご紹介します。
介護を受けている方も介護をされている方も、情報収集の一環としてぜひ参考にしてください。
2つのサービスの違い
介護保険外サービスと家事代行の違いは、注力する部分です。
家事代行は、依頼された業務を与えられた時間内に完了することに注力します。
一方介護保険外サービスは、依頼された業務と併せて、利用者とのコミュニケーションにも注力するのが特徴です。
それぞれにどのような特徴があるのか、比較しながら見ていきましょう。
介護保険外サービスとは
介護保険外サービスとは、介護認定を受けていない人など、誰でも利用することが出来る介護サービスのことです。
介護保険のサービスで足りない部分を補完したり、年齢・疾患などで介護認定を受けられない人のサービスを行ったりすることを目的とされています。
市町村・介護サービス事業者・社会福祉協議会・シルバー人材センター・民間会社など、さまざまな提供元が利用者のニーズにこたえられるよう、多くのサービスを提供しています。
家事代行とは
家事代行とは、高齢者にかかわらず家庭の家事を代行してくれるサービスの総称です。
掃除・洗濯・料理だけではなく、アイロンがけ・買い出し・宅配便の受け取りなど、日常的な家事を代行してくれます。
家事代行は、専門性の高い作業については行うことができず、介護や介助はサービス範囲外です。
必要な時に依頼できる『スポット』と、毎週・隔週など『定期』で利用するケースの2種類があります。
保険外サービスの特徴
家事代行とは異なる介護保険外サービスの特徴はどのようなものなのでしょうか?
介護保険外サービスの基礎知識ともいえるポイントを3つご紹介します。
介護保険ではできないサービスを提供
介護保険外サービス最大の特徴は、介護保険では提供できないサービスを提供できるということです。
例えば、介護保険サービスは、認定を受けていない同居家族の生活援助や、ペットの世話、理美容などはサービスの対象外となり、利用者がいくら望んでもサービスを受けることはできません。
しかし介護保険外サービスでは、家事代行支援サービス・見守りサービスなど、介護保険のサービス内容には含まれないサービスを受けることが可能なのです。
費用は自己負担となりますが、驚くほど高額というわけではなく、リーズナブルな料金設定になっていることが多い傾向にあります。
介護認定を受けていなくてもOK
介護保険外サービスは、介護認定を受けていなくてもサービスを受けることができます。
介護保険のサービスは、介護認定を受け、認定された介護度によって受けられるサービスの単位が決まっています。
そのため、十分なサービスが受けられないことも多く、併用することで補完ができるようにと始められたのが、介護保険外サービスです。
介護保険サービスとの併用だけではなく、年齢や疾病が条件に該当せず介護認定を受けられない高齢者の方でも利用することができる特徴があります。
スタッフは介護の知識を有するプロフェッショナル
一般的な家事代行との違いとして挙げられるのが、スタッフの介護知識の有無です。
家事代行の場合は、介護の知識を持たないスタッフも多く、専門性を求めることはできません。
しかし介護保険外サービスの場合、スタッフは介護知識を有するプロフェッショナルを採用しています。
家事支援サービスで訪問している場合でも、高齢者介護に対する知識・経験があるため、万が一のときの対処法などにも精通しているのが特徴です。
保険外サービスを利用する際の注意点
介護保険外サービスは、国も利用を推進しているサービスの1つです。
非常に便利なサービスですが、利用する際には注意しなければならないポイントがあります。
どんな注意点があるのか、3つのポイントをご紹介しましょう。
複数の業者に見積りを依頼する
介護保険外サービスを利用するときは、必ず複数の業者に見積りを依頼しましょう。
提供する事業者によって、同じ作業内容でも料金に差異があります。
またオプションサービスの有無や、支払方法などが異なることがあるため、注意が必要です。
自分たちに必要なサービスを洗い出したら、依頼可能な業者を複数ピックアップし、比較検討することが重要になります。
スタッフの対応を重視する
介護保険外サービスを利用するときは、スタッフの対応を重視しましょう。
また担当者の変更がスムーズにできるかどうかも確認しておく必要があります。
介護は、介護する側とされる側の相性がとても重要です。
どんなに良い作業をするスタッフでも、利用者の方と相性が悪ければかえってストレスになることも考えられます。
可能であれば、依頼内容の開始前に顔合わせをお願いしましょう。
事業者の電話対応や契約時の説明方法なども、違和感がある場合は依頼を避けた方が無難です。
スタッフの対応を重視し、納得のいくサービスを提供してくれる業者を探すことも重要なポイントになります。
専門知識の有無を確認する
業務を担当するスタッフに高齢者介護の専門知識があるかどうかを必ず確認しましょう。
特に認知症の見守りや、安否確認などを依頼内容に含める場合は、介護(高齢者)に対する専門知識が不可欠です。
訪問介護事業所などのスタッフであれば問題ありませんが、民間業者やシルバー人材センターなどに依頼をする場合は、確認が必要です。
言葉遣い・マナーなどの基本的なことから、高齢者介護に関する知識までをきちんと持ち合わせているスタッフであれば、安心して利用することができます。
まとめ
介護保険外サービスは、介護保険サービスの足りない部分を補完できるサービスとして、非常に注目されています。
家事代行サービスとの大きな違いは、スタッフの高齢者介護に対する専門性です。
介護保険外サービスの費用は、全額自己負担となるため、どんなサービスがどのくらい必要なのかを把握してから利用しなければいけません。
高齢者ご本人や家族のニーズに合ったサービスを受けるためにも、介護保険外サービスという制度を理解し、多くの情報を収集することがポイントです。
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