介護保険外サービスでは、介護保険では提供できないサービスを提供できます。
要介護認定を受けていない人でも利用が可能で、介護保険サービスの補完的な役割も果たします。
全額自己負担というデメリットはありますが、『おひとり様』『遠隔介護』『老老介護』という状況の場合、介護保険外サービスは非常に便利です。
この記事では『おひとり様』『遠隔介護』『老老介護』の方が、どのように保険外サービスを利用すべきか、上手な利用方法をご紹介します。
『おひとり様』におすすめの保険外サービス
内閣府が行った平成29年版高齢社会白書(全体版)では、
65歳以上の高齢者のいる世帯についてみると、平成27(2015)年現在、世帯数は2372万4千世帯と、全世帯(5036万1千世帯)の47.1%を占めている。
平成27(2015)年では夫婦のみの世帯が一番多く約3割を占めており、単独世帯と合わせると半数を超える状況である。
高齢者の家族と世帯|平成29年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府
という結果が発表されています。
高齢者の独居はこれからも増加していく傾向にあり、別に住んでいる家族が介護問題に直面することも多くなるでしょう。
一人で暮らす高齢者の方が、安心して生活するための介護保険外サービスを3つご紹介します。
外出支援サービス
外出支援サービスは、一人での外出が不安な方や、車いすなどが必要な方向けのサービスです。
介護タクシーなどの利用が可能で、自治体・民間会社・社会福祉法人などがサービスを提供しています。
介護保険のサービスでは、散歩や趣味のための外出介助は対象外です。
一緒に外出してくれる人がいない・見守りをしてくれる人がいないという『おひとり様』には、便利なサービスといえるでしょう。
見守りサービス
家族と離れて暮らしていて、何かあったときにすぐ駆けつけることができない…という場合に、家族に代わって見守りをしてくれるのが見守りサービスです。
安否確認・生活上の安全確保・緊急時の対応などが可能で、民間の会社が提供しています。
見守りサービスにはいくつかの種類があり、訪問型・カメラ型などが一般的です。
食事を配達する宅食サービスなどが安否確認も含めてサービス提供することもあります。
心の支援サービス
心の支援サービスは、『おひとり様』の不安や孤独を解消するために、相談相手になってくれるサービスです。
一人暮らしの高齢者は、他人と接触する機会が減り、うつ状態になりやすい傾向があります。
話を聞くだけではなく、趣味のサークルへ一緒に参加することなども可能です。
高齢者の方が毎日健康に暮らせるように、家族の代わりにサポートするサービスといえるでしょう。
『遠隔介護』におすすめの保険外サービス
家族と離れて暮らしている高齢者は、家族も本人も不安を抱えていることが多いものです。
何かあってもすぐに駆け付けることができない、生活をサポートしてあげることができない…そんなジレンマを解消してくれるのが、保険外サービスです。
遠隔介護におすすめのサービスをご紹介します。
緊急通報システム
緊急通報システムは、高齢者に万が一のことが起こった時に役立つサービスで、自治体・民間会社などが高齢者向けに提供しています。
ペンダント式・据え置き式・手元式・センサー式などがあり、何かあったときにすぐ消防局・警備会社などが駆けつけて対応します。
家族が対応できない距離に住んでいたり、持病などがあって心配だったりという場合に、非常に便利なサービスです。
自治体のサービスよりも民間会社のサービスの方が料金が高いですが、利用者に合わせたカスタマイズができることが特徴です。
家事代行サービス
離れて住んでいるために、ちょっとした手伝いに行ってあげられない…そんな状況でも、買い物や掃除など身の回りのサポートをしてくれるのが家事代行サービスです。
保険外サービスの特徴は、要介護認定を受けていなくても利用できること。
契約者を家族の方にして、サービスを実施してもらうこともできます。
介護保険サービスを受けていても、足りないところがあるという場合にも、家事代行サービスはオススメ。
家族の代わりに、高齢者の生活をさまざまな面からサポートしてくれます。
健康支援サービス
QOLの向上や健康寿命を延ばそうという目的で実施されているのが、健康支援サービスです。
- レクリエーション:体力の衰えを防止する
- クイズ・脳トレ:脳を活性化する
健康支援サービスには、介護保険が利用できるサービスもあります。
要介護認定を受けていない方は、自治体や社会福祉協議会などでサービスを受けることができるので、気分転換のためにも無理のない範囲で利用してみましょう。
『老々介護』におすすめの保険外サービス
夫婦ともに高齢で、どちらも介護が必要な状態という世帯は少なくありません。
高齢者が高齢者を介護するのは負担が大きく、ケアが行き届かないことも考えられます。
夫婦が二人とも要介護認定を受けていれば良いのですが、夫婦どちらかだけ、もしくは二人とも要介護認定が受けられないといった世帯は、介護保険外サービスを利用することで、負担が軽減されます。
配食サービス
配食サービスは、食事を自宅まで届けてくれるサービスです。
多くの場合は、配達時に安否確認も行ってくれます。
栄養面に配慮したメニューで、自分で調理ができない人でも温かいご飯を食べることができます。
コンビニや弁当チェーンなども参入しているサービスなので、利用しやすい環境が整っています。
家事代行サービス
家事代行サービスとは、掃除・洗濯・料理・買い物など、生活全般のサポートを行うサービスです。
介護保険サービスでは賄いきれない部分を補完する目的もあります。
要介護認定を受けていない同居家族に関わる部分も、保険外サービスなら提供してもらうことが可能です。
行事食の調理・庭や家の大掃除など、特別な対応もできます。
定期的に依頼するだけではなく、単発で必要な時だけ依頼することもできるのが非常に便利です。
移送サービス
移送サービスとは、通院・買い物・観光・イベントに参加する際に、利用できるサービスです。
通常の送迎だけではなく、寝台車両の使用・看護師やヘルパーの同乗・緊急時対応なども依頼することができます。
介護タクシーなどの利用も可能なので、免許がない高齢者や運転に不安がある方なども対象です。
介護の知識を有したスタッフの同行が可能な点は、非常に安心できます。
まとめ
介護保険外サービスは、これからますます需要が伸びるといわれています。
介護保険のサービスは、厳密な規則に則っている反面、融通が利かないというデメリットも…。
自分や家族の状況に合わせて、保険外サービスを利用してみましょう。
費用は自己負担になるため、必要な部分だけをチョイスすることを覚えておいてください。
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