介護のはじまり

救急車を呼ぶ前に理解しておくことは?気を付けるべきことも解説!

救急車を呼ぶというケースには、なかなか遭遇しない人が多いと思います。

しかし、その時は急にやってきます。

「このような場合には救急車を呼んでいいのだろうか?」「どのように説明すればいいのだろうか?」など心配な方もいらっしゃると思います。

今回は、事前に理解しておいた方がいいことを解説させて頂きますので、慌てないように対応できるようにしておきましょう。

救急車を呼ぶ主な理由とは

高齢者になればなるほど、身体状況や健康状態が変化します。

よって、必然的に若い世代よりも、高齢者の方が救急車を要請するケースが増えてくるのです。

では、実際、高齢者にどのような身体の変化があれば救急車を要請するべきかを解説します。

顔の変化

①顔の半分が動きにくくなったり、痺れたりする場合

②笑うと口や顔の片側が歪んでしまう場合

③上手くしゃべることが出来ず、呂律が回りにくくなる場合

④物が急に見えなくなくなったり、見えていた範囲が狭くなる場合

⑤急に周囲が二重に見える場合

⑥顔色が真っ青になった場合

頭の変化

①突然、激しい頭痛がある場合

②突然、高熱があり意識がもうろうとするような場合

③突然、一人では歩けないほどふらつきがある場合

胸や背中の変化

①胸や背中が激痛で苦しむ場合

②突然、息切れがしたり、呼吸困難などがある場合

③胸の真ん中が締め付けられるような症状が、2~3分間継続する場合

④痛む場所が移動をする場合

下肢・上肢の変化

①突然、手足が痺れたり、物が持てない場合

②突然、片側の手足に力が入らなくなる場合

腹部の変化

①突然、激しい腹痛が起こる場合

②激しい腹痛が持続する場合

③口から激しく血を吐く場合

④真っ黒い便が出る場合

救急車(119番)を呼んだときの対応

万が一、救急車を要請するようなケースがある場合には、以下のようなことを聞かれます。

例・・・

「いまどこから電話していますか?(住所)」

「電話番号を教えてください」

「目印になる建物はありますか?」

「誰が、どのような症状を起こしていますか?」

「体調が悪い人の年齢と性別は?」

「本人とあなたの関係は何ですか?」

「呼吸状態はどうですか?」

「顔色は悪いですか?」

「普通に話はできますか?」

などがあります。

電話をするときは、パニックになってしまい、上手く相手の隊員に伝わらないこともあると思いますが、落ち着いて一つずつ答えていきましょう。

救急車を呼ぶということ

在宅介護においても、救急車を要請する状況が発生するケースがあると思います。

上記で解説した通り、麻痺の疑いがあるとき、呂律が回っていない時、激しい頭痛がある場合など…

救急車を呼んだら、当然、病院に運ばれて医療を受けることになります。
そこで注意しなければならないことは、全力で命を助ける対応を行うということです。

例えば、寝たきり高齢者で、主治医(かかりつけ医)と家族の相談の元、看取り介護をすることを決めていても、救急車を呼ぶと、全力で命を助けるための対応をします。
病院に到着すると、医師が対応しますが、ここでも同じです。

看取り介護と決めていても、救急搬送をすると、主治医(かかりつけ医)と家族の考えとは違った方向で対応がされるのです。

よって、看取り介護をするときめている状態で救急搬送をすると、延命治療をする展開になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

急な病院搬送は家族の負担になることも・・・

在宅介護でも施設介護でも、救急搬送をする可能性はあるでしょう。

認知症がなく、治療に協力的な患者さんが入院する場合にはあまり支障がないのですが、ベッド上での体動が激しく点滴などを抜いてしまうようなことがあれば、家族が呼ばれて見守りをすることを依頼されるケースもあります。

こうなると、家族の負担は大きくなってしまい、仕事や家事・育児に影響が出ることも珍しくありません。

本人の命を助けることは当然のことながら大切なことですが、救急搬送をして入院をするようになれば、家族の生活にも影響が出る可能性があることを理解しておく必要があります。

適切に救急車を利用するために

画像引用

2018年に救急搬送された人の約半分は、軽度で入院を必要としないケースです。

救急車を要請しないでも、自分でタクシーなどを呼んだり、一日様子を見たりしても命に影響がないこともあるのです。

中には、「病院でもらった薬がないから救急車を呼んだ」「タクシー代わりに呼んだ」というケースもあるようです。

救急車を安易に呼ぶと、本当に必要とする人々が利用できないケースがあるので、救急車の要請は協力的に行うことも必要です。

とは、言っても、素人では救急車を呼ぶべきかどうか分からないケースもあると思います。

そこで役に立つのが、『♯7119』です。

♯7119について

緊急だと思ったら迷わず119番通報を!!

画像引用

救急車を呼ぶという状況は急にやってくることが殆どです。

そうなると、救急車を呼ぶべきか、それとも普通に病院受診をするのでいいのか、あるいはこのまま様子を見たらいいのか分からないこともあると思います。

このように、どうするべきか悩んだら♯7119に電話してみてください。

♯7119は、医師や看護師などが患者さんの症状を聞いて、どのようにすればいいかを判断します。
そして、救急性が高い場合にはそのまま救急車を呼んでくれます。

もし、そうでない場合には、受信可能な医療機関を案内してくれて、自分達で行くことになります。

但し、♯7119は全国各地では実施されておりませんので注意が必要です。

厚生労働省HP画像

まとめ

安易に救急車を呼ばないためにも、介護者は普段から本人の身体状況を把握しておく必要があります。

普段から本人の様子を把握・理解しておくことが基礎になり、はじめて異常に気が付いて、救急車を要請するという流れになります。

しかし、症状が分かりにくい場合は、素早く119に連絡して、対応するようにしましょう。

最近はAEDの普及率が高まってので、119に電話した時「近くにAEDはありますか?」と尋ねらえるケースも増えているようです。

AEDは誰でも簡単に扱えるようになっていますが、念のため研修などに参加しておいてもいいかもしれません。

  • LINEで送る