認知症

治る可能性が高い認知症をご紹介!適切な治療で回復を目指す!

多くの認知症の場合、一度罹患するとなかなか改善することは難しいとされています。

しかし、認知症であっても、しっかりと病院受診し原因を知ることによって、改善するものもあるのです。

認知症になったからの諦めるのではなく、原因を知り、医師からの治療によって改善できることあるということを理解しておきましょう。

今回は、現在の医学で改善されるとされる4つの認知症についてご紹介します。

特発性正常圧水頭症

脳のMRI

画像引用

脳を保護している脳脊髄液が過剰に溜まるために起こります。

脳脊髄液は脳の中心部にある脳室で毎日一定量がつくられて、脳と脊髄の周りを流れています。

そして循環しながら静脈などに吸収されるのです。

はっきりとした原因は不明ですが、この流が滞ってしまうとこの病気が起きてしまいます。

若い世代に比べると、高齢者に起こりやすいとされており、65歳以上の人の1~2%にこの病気があるといわれ、認知症の様な症状が現れるのです。

その他の症状として、歩行障害や尿失禁があります。

特発性正常圧水頭症の治療

現在の医療で出来る方法として、『髄液シャント術』というものがあります。

髄液が溜まっている髄液のところにチューブを入れて、そのチューブを皮膚の下を通して腹部の中に入れ、余った脳脊髄液を抜き取る手術です。

慢性硬膜下血腫

転倒や転落によって、頭部を打撲した後で、後遺症が出るということを聞いたことはありませんか?

この後遺症を慢性硬膜下血腫といいます。

この症状は、急性の頭部外傷ではなく、打撲して3週間から3ケ月ほど経過して、頭蓋骨と脳の間に血液が溜まっている状態です。

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/chronic_subdural_hematoma/

上肢・下肢の麻痺に加えて、頭痛や知能障害、認知症、尿失禁、意識障害などの症状が出ます。

多くの慢性硬膜下血腫は、先述した通り、頭部を打ってこのような症状が出るのです。

交通事故などで強く頭部を打ってしまう場合から、自宅の柱などで軽く打つ場合など様々なのです。

頭部打撲で受診をして、その時はなにも異常がなくても3ケ月経過するとじわじわと症状が出るので注意が必要です。

慢性硬膜下血腫になりやすい人

70歳を超えて、高齢になればなるほど慢性硬膜下血腫になりやすいとされています。

また、飲酒の習慣がある人や、肝臓疾患のある人、血液透析を行っている人などにも多いとされています。

★以下の症状があれば病院受診を★

①急に認知症を発症した

②急に認知症が悪化した

③歩き方がおかしい

④箸やコップが持ちにくくなった

⑤動きが緩慢になった

⑥怒りっぽくなった

⑦頭が重いと訴える

⑧呂律が回らない

⑨活動性が低下した

慢性硬膜下血腫の治療

血液(血腫)を頭から抜き出すことによって改善されます。

局所麻酔をして、頭部にわずかな穴を開けます。

そこから、細い管を入れて血腫を洗浄し取り除きます。特別難しい手術ではなく、危険性も低いのが特徴です。

多くの場合は、一度の手術で完治しますが、1割ほどの割合で再発する可能性があるとされています。

甲状腺機能低下症

まず、甲状腺とは何でしょうか?

甲状腺とは、のどぼとけの真下にあって、蝶のような形をした臓器です。

甲状腺ホルモンを分泌し、身体全体の新陳代謝を促進する働きがあります。

普通、この甲状腺はバランスが保たれて、甲状腺ホルモンが多く出されないようになったり、少なくなりすぎないようにしたりします。

甲状腺の位置

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甲状腺の機能が低下すると…

採血を行い、甲状腺ホルモンを測定し、分泌量の低下があれば甲状腺機能低下症と診断されます。

症状として・・・

脚や顔のむくみ、悪寒や寒気、皮膚の乾燥、脱毛、そして認知症のような症状もあります。

高齢になり、甲状腺機能が低下し、先歩ほどの症状が出れば、年齢のせいだと考えて病院にも行かず、そのまま様子をみるという人も少なくはありません。

こうなると、せっかく治療をすれば改善するのにきっかけを失ってしまうことになります。

「あれ、おかしい!」と感じたら、すぐに病院を受診しましょう。

甲状腺機能低下の治療

甲状腺機能低下の治療は確立されています。

甲状腺ホルモン(チラージン)を補充するのです。

高齢者の場合、補充する量が多すぎると身体に負担を掛けることになりますので、少量から補充を開始し、採血をこまめに行って調整するようにします。

ビタミンと書くと、それが認知症の原因になるなんて…と考えられないと思う人もいるかもしれません。

ビタミンB12は血液を作るのに重要な役割を果たしているのです。

ビタミンB12が欠乏すると神経痛や神経麻痺など神経に障害が起こるほか、認知症のような症状も出現します。

また、ビタミンB12には動脈硬化の危険因子とされている「ホモシスティン」の血中濃度を正常に保つ働きもあるとされています。

ビタミンB12欠乏症になりやすい人

高齢者

高齢者の場合、若い人に比べるとビタミンB12不足になるリスクは高いでしょう。

廊下によって体内に蓄積されたビタミンB12が減少しますし、胃酸の分泌量が減少し、食品からの吸収率も低下するとされ

小腸や胃に疾患がある人、または手術歴がある人

小腸や胃などの疾患がある人、胃の切除などの手術を行った人もビタミンB12不足になる可能性があります。

小腸や胃はビタミンB12の吸収に関わるため、手術で切除したり疾患があると、十分な量のビタミンB12を吸収できなくなってしまうのです。

野菜しか食べない人

野菜は確かに身体にいいですが、それだけを食べていると、ビタミンB12欠乏になりやすいのです。

その理由として、ビタミンB12は植物性の食品にはほとんど含まれていないからです。

よって、動物性の食品を食べなければなりません。

★ビタミンB12を多く含む食品★

しじみ

牛レバー

焼きのり

ハマグリ

たらこ

さんま

などがあります。

ビタミンB12欠乏症の治療

単純にビタミンB12 を摂取すればいいという発想になりますが、内服薬でビタミンB12を補おうとしても消化管から吸収できない可能性もあります。

よって、ビタミンB12の補充は筋肉注射で行うケースが多いようです。

勿論、小腸や胃に障害がないケースは、内服薬で対応する場合もあります。

まとめ

今回、改善されるとする4つの認知症についてご紹介しました。

認知症で有名なアルツハイマー病は全体の6割を占めます。

次いで、脳血管障害(脳血管認知症)、レビー小体型認知症などがあります。

認知症の種類
https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/dementia/

確かに治る、改善する認知症というのは、全体の割合からすれば少ないもにになってしまいますが、適切に治療することによって、以前のような生活を取り戻すことができるのです。