突然死・・・それはとても恐ろしい言葉です。
その原因は主に心臓に関連しており、状態が急激に悪化し、24時間以内に亡くなってしまうケースを指します。
今回の記事は、高齢者本人が辛い想いをしないようにするのは勿論のことですが、その家族も安心して、高齢者と生活ができるようにするために書かせて頂きます。
要注意!心不全
心不全という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
これは、疾患名ではなく、心筋梗塞や狭心症、それに弁膜症などによって、心臓の動きが弱った最終的な状況を指します。
特に高齢者人口の多い我が国においては、近年、心不全の高齢者が増えており、これから先も特に後期高齢者を中心に、心不全の人はかなりの人数が増加すると予想されています。
心不全の患者の人口は高齢になるほど増える傾向にあり、なんと80歳以上の10人に1人が心不全であるとされているのです。(アメリカの研究報告によるもの)
高齢者の心不全は、入退院をくり返しても根本的な治療ができず、QOL(生活の質)が低下するだけではなく、患者にとっても社会にとっても問題は大きいのです。
また心臓病が進行し、心不全に近づくと突然死の危険度が高まるのです。
そのため早期に心臓の異常に気付き、医師などの診断を受けて適切に治療を受けることが大切です。
しかし、狭心症や心筋梗塞などの原因の多くである動脈硬化は、最初の段階では自覚症状がありません。
よって、本人や家族、周囲の人も気が付かない状態で心臓の虚血状態が進み、ある日突然に生命に関わる事態になることもあるのです。
以下のような症状があれば、それは前兆かもしれません。一度チェックしてみて下さい。
危険度チエック!
①動悸
②息切れ
③息苦しさ
④足のむくみ
⑤咳や痰
⑥急激な体重の増減
「もう、年齢が年齢だから、動機や息切れぐらいあるだろう・・・」と放置してはいけません。
万が一を疑って、病院を受診することをお勧めします。
大動脈瘤の破裂にも注意!
動脈瘤は血管の老化である、動脈硬化が原因となるケースが多いとされており、部位により、
■胸部
■胸腹部
■腹部
の三か所に区別されます。
多くの大動脈瘤の場合、破裂しない限りは症状がありません。
大きくなっていけばいくほど、周囲の組織を圧迫してしまい様々な症状が現れるのです。
例えば、症状として「胸部」の場合
①咳
②血痰
③胸痛
④背中の痛み
などがあります。
このような症状が出現した時には、破裂するリスクが高くなっているといえるでしょう。
いわゆる、突然死の一歩手前の段階です。
大動脈瘤は、破裂してしまうと死亡率は80~90%となり、とても高くなるのです。
大動脈は、高血圧で全身に血液を送っているため、もし一か所でも損傷したら大出血となります。
その結果、脳や脊髄、腎臓や肝臓などの重要な臓器や器官への血流が障害されてしまいます。
一度でも動脈瘤ができてしまうと、自然に縮小することはありません。
そして、有効的な薬物療法もないとされています。
大動脈瘤は破裂する前に治療しておき、突然死のリスクを回避するのが原則です。
冬場の入浴にも注意を!
特別な病気が無くても、突然死を招くケースがあります。
清潔の保持、リラックス効果や疲労回復もある入浴ですが、気を付けなければ突然死のリスクもあるのです。
その理由は、冬場の急激な室温変化によるものです。
脱衣所で服を脱ぐとき、「寒い!」と感じた経験はないでしょうか?
このとき、血管はギュッと締り、血圧が高くなっているのです。
そのまま浴室(浴槽)に入ると、温度変化で一気に血圧が下がってしまいます。
その結果、血圧の急激な変化に耐えられず突然死となることがあるのです。
高齢者は特に気を付けて、脱衣所や浴室の温度変化を無くす必要があります。
まとめ
高齢者になると、徐々にレベル低下が起こり最期を迎えるケースをイメージするかもしれません。
しかし今回ご紹介したように、突然死のリスクが高い方も多いのです。
何も体調に変化がないと、受診をする機会が少ないと思いますが、少しでも変化があれば受診を突然死のリスクを下げるようにしましょう。