病気・症状

意外に多い高齢者の貧血に注意!種類や治療を解説!

貧血は一般的にはよく耳にする言葉だと思いますが、具体的にどのような症状かご存知でしょうか?

理解しているようで、実ははっきり分からない方も多いかもしれません。

この記事では貧血に関する基本的なことを中心に、種類や治療法を解説いたします。

貧血とは何か

貧血と聞くと、体内の血液が不足していると思われがちですが、正確には血液の中のヘモグロビンが減少することが原因です。

ヘモグロビンは酸素とくっついて、全身へ酸素を届ける役割をもっています。

よって、ヘモグロビンが少なくなると、全身が酸素不足で酸欠状態になるのです。

酸欠状態になると、動悸、息切れ、目まいなどの症状が出現します。

昔、朝礼などで倒れる人(生徒)はいませんでしたか?

「貧血で倒れた」などと言っていたと思います。

この現象は、一時的に脳の血液量が減少する脳貧血というものであり、赤血球の異常とは異なります。

高齢者は貧血になりやすい

高齢者は加齢によって、食べる量の減少や内臓の機能が低下して貧血が起こりやすくなるのです。

赤血球の生成の調整が難しくなったり、必要な栄養素の不足が起こります。

そして、体内で赤血球を作る能力が低下し、貧血状態になってしまうのです。

また、他の疾患によっても同じような症状が起こるケースもあります。

体調が悪い時はには、体内に栄養が十分にあっても、赤血球などを作ることができません。

悪性腫瘍や感染症、膠原病などがあるがうまく赤血球を産生できず、貧血になってしまうのです。

貧血の種類

貧血と一口に言っても、その種類は様々です。今回は主な貧血を5つご紹介します。

鉄欠乏性貧血

赤血球細胞内の大切なたんぱく質であるヘモグロビンを構成する鉄が足りなくなって起きてしまう貧血です。

難しいのでもう少し分かりやすく説明すると、肉まんをイメージしてみて下さい。肉まんには美味しい具が詰まっていますよね?その具が足りていないという状態なのです。

症状として、耳鳴り、動悸、息切れ、眼瞼結膜、口角炎、嚥下障害などがあります。

巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

この貧血は、ビタミンB12または葉酸(ビタミンのひとつ)が不足することによって起こる貧血です。

これらのビタミンは、赤血球の細胞骨格を維持するのに必要とされる物質で、欠乏してしまうと身体ので新しい血液をつくることが出来なくなってしまいます。

巨赤芽球性貧血の多くはビタミンB12の欠乏によるものです。

その中で、悪性貧血といわれるものが代表的で、ビタミンB12を吸収するために必要な内因子というものや、それをつくる胃の細胞膜に対して自己免疫機能が働き、ビタミンB12が吸収できなくなってしまうのです。

一方で葉酸欠乏の原因は、アルコール依存症、消化器疾患による吸収の不足、薬の投与によるものなどがあります。

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再生不良性貧血

この貧血は、血液の中のすべての細胞を生み出す造血幹細胞というものが少なくなり、血液中の赤血球や白血球、それに血小板が減少してしまう疾患です。

赤血球が減少すると酸素欠乏の症状が起こり、動悸、だるさ、息切れを感じることが多いでしょう。

白血球が減少すると、肺炎などの細菌感染症が起こりやすくなります。

血小板が減少すると、出血しやすくなります。血球の数は減少しますが、多くはそれぞれの血球の機能や形態などは正常に保たれます。

また、この貧血は指定難病のひとつとなっています。

腎性貧血

腎臓が悪くなると、腎性貧血になること、ご存知ですか?

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この貧血は名前の通り、腎臓に関係が深いものです。

腎臓の働きはご存じでしょうか?

尿をろ過する働きがありますが、実はそれだけではありません。

様々なホルモンを分泌しています。

そのひとつに、赤血球を作る働きを促進する『エリスロポエチン』というホルモンがあります。

腎臓の機能が低下すると、腎臓からのエリスロポエチンの分泌が減少し、赤血球をつくる能力が低下することで貧血になってしまうのです。

溶血性貧血

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赤血球が体の中で少なくなることを、貧血と呼ぶことはここまで解説させて頂きました。

この貧血は、血管の中を流れている赤血球が壊されて起こることをいいます。

眼球が黄色くなったりする黄疸、息切れ、ふらつきなどの症状に加えて、胆石や褐色尿などもあります。

貧血の治療

このように、貧血には多くの種類があることが分かったと思います。

まずは原因を明確(医師の診断)にすることが大切です。

疾患による貧血の場合には、適切な治療を行うことで症状が改善されることが多いです。

治療は、貧血の原因によって治療方法が異なることをまず、おさえておきましょう。

偏った食事などが原因の場合には、鉄分に関しては、ビタミンを補給することで症状が改善することができます。

鉄分は、内服後1~2週間でヘモグロビンの量が増えますが、途中で飲むのを辞めてしまうと、再度貧血になってしまう可能性が高いので、医師の指示通りに薬を飲むようにしましょう。

貧血の検査を受けるタイミング

次のような症状がでたら、病院に行き検査を受けることをお勧めします。

◎疲れやすくなった

◎だるさを感じやすくなった

◎顔色が悪くなった

まとめ

病院で、『貧血です』と言われても、その種類は多くあり、治療方法も異ないます。

高齢者は、様々な機能の低下に加えて、食生活も乱れがちになり、貧血を起こしやすくなります。

普段は、異常を感じなくても、貧血の診断を受けたら、医師と二人三脚で適切な治療を受けていきましょう。

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