介護のはじまり

地域包括支援センターとは?上手に利用するポイントもご紹介!

『地域包括支援センター』という言葉を耳にしたことはありませんか?
「なんとなく介護に関係するところだけど、実際のところは何をしてくれるところなのか分からない…」と思っている人は少なくないと思います。
今回は、地域包括支援センターについて解説し、上手に活用する方法までお伝えします。

1.地域包括支援センターの役割について

地域包括支援センターの目的は、高齢者のみなさんが住み慣れた地域でいきいきと
安心して暮らせるよう支援すること
であり、地域の高齢者をトータル的に支える相談窓口なのです。大切なのは、トータルということであり、『介護』に関することだけではありません。
介護の他には、医療や保健、それに福祉についても無料で相談に乗ってくれるところなのです。

地域包括支援センターは、社会福祉法人などが一方的に設置しているのではなく、それぞれの市区町村が設置主体となって、委託する形をとられています。数はあまりありませんが、委託せずに市区町村が自ら設置しているところもあります。

2.地域包括支援センターで働く人たちと業務内容

地域包括支援センターでは、介護支援専門員、社会福祉士、保健師の職種(資格)の人たちが働いています。
それぞれ専門分野が違い、高齢者に関することをトータル的にカバーすることができるようになっているのです。
ここでは、3つの職種がどのようなことを担当しているのか解説していきます。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護に関すること全般、介護予防ケアプランの作成、同一地域のケアマネジャーへの相談や支援などを行ってくれます。
具体的には、地域の高齢者宅を訪問し介護や福祉サービスが足りているか確認をしたり、要支援1や2の介護予防の段階であると判断された人たちのケアプランの作成を行い、要介護状態にならないような支援をしてくれます。

社会福祉士

生活や介護支援に関すること、消費者被害、成年後見制度に関することを行ってくれます。
具体的には、介護支援専門員同様に介護や福祉サービスがしっかり足りているか、情報収集を行ったり、警察と連携して特殊詐欺の防止・啓発活動をしてくれます。
成年後見制度については、具体的な内容と手続き方法などを教えてくれます。

保健師

医療や健康に関すること、介護予防に関すること、直接高齢者の身体の関することの相談に乗ってくれます。
具体的には、要介護状態にならないための運動の指導をしてくれたり、嚥下・口腔ケアの健康教室などを実施してくれます。

3.地域包括支援センターを上手く利用する方法

地域包括支援センターとはどのようなところかある程度理解して頂いたのではないで
しょうか?しかし、理解するだけでは勿体ないですよね?
折角なので、地域包括支援センターを上手に利用して得する方法をお伝えします。

高齢者に関することはどんなことでも相談しよう

高齢者に関する総合的な窓口と言われても、実際には「こんなことで相談してもいいのかなぁ…」「相談する場所はここではないのかも…」などと考えて、結局相談に至らないケースもあるでしょう。
しかし、そのようなことは全く気にすることはなく、悩んだらどんなことでもとりあえず相談してみるようにします。
もし、相談の内容が対象外だったり、難しい内容だったりしても、別の相談機関を紹介してくれます。『高齢者に関する地域の身近な相談所』という認識をしておくと良いでしょう。

健康教室などにはどんどん参加しよう

介護予防を目的とした健康教室などは、いろいろな地域包括支援センターで沢山開催されています。それもそのはず、地域包括支援センターは要介護状態にならないように、地域の高齢者に関わっていくことも大きな役割なのです。
そしてその多くは無料で開催されており、有料のものは物品の購入など実費分程度です。
無料で健康教室に参加して、自分たちの健康相談に乗ってくれたり、実際に身体を動かせるってとてもお得だと思いませんか?積極的に参加して心身共に健康を維持していきたいですね。

本人だけではなく家族も相談しよう

相談できるのは本人だけではありません。例えば、遠方にする子どもたちが、独居高齢者の親のことを心配して地域包括支援センターに電話することも可能です。この場合、「一人暮らしの母親の様子が心配で…」と相談してみると、スタッフが自宅まで訪問してくれるケースもあります。
そして、スタッフが一人暮らしを放っておけない状態だと判断すれば、介護保険の申請のお手伝いなどもしてくれます。
また、実際にどのように介護すればいいか分からない家族に対しても、その方法を教えてくれたりします。

地域の情報源として活用しよう

普段から地域包括支援センターのスタッフと顔見知りになり、気軽にお話ができる関係を築くことで、地域の情報が入りやすくなるでしょう。
例えば、近所に老人ホームが建設される情報や、介護保険制度の改正についてなどがあります。地域包括支援センターは、介護保険に関連する施設や居宅介護支援事業所などとも連携を取っていますので、情報が入って来やすいのです。