病気・症状

圧迫骨折について解説!(画像付き)

高齢者になると、ちょっとしたことが原因で骨折を起こすことがあります。

骨折の多くは原因があり、転倒・転落により下肢や上肢を傷めるケースが多いのが現状です。

骨折の中に、圧迫骨折というものがあります。

これは高齢者に多い骨折で、生活の質(QOL)に悪影響を及ぼします。

それでは、高齢者の圧迫骨折について解説致します。

圧迫骨折とは何か

高齢者になると、骨粗鬆祖などで骨がもろくなり、ちょっとした刺激や外傷で背骨が押しつぶされて変形します。

これを圧迫骨折といいます。

特に閉経後の女性の場合、骨密度が急激にさがり、圧迫骨折の危険性は高まるのです。

脊椎圧迫骨折
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先ほど、骨粗鬆祖について少し触れましたが、これが原因で骨折する危険性は他にもあります。

少し話がそれますが、骨粗鬆祖によって引き起こしやすい骨折について触れておきます。

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上記のイラストのように圧迫骨折(背中)、上腕骨近位部(腕の付け根)、大腿骨近位部(脚の付け根)、橈骨遠位端(手首)があります。

なぜ圧迫骨折になるのか(原因)

単に骨粗鬆症(骨密度の低下)だけでは直接的な圧迫骨折にはなりません。

圧迫骨折は特に背骨はカラダの重みを支えきれず、つぶれるように骨折してしまうのです。

例えば、尻もち、くしゃみ、重いものを持ち上げる行為などちょっとしたことがきっかけで骨折してしまうのです。

「高齢だから仕方がない」と諦めるのではなく、積極的な予防や治療が必要なのです。

圧迫骨折の診断方法

圧迫骨折は画像を用いて診断されます。

通常はレントゲン検査で診断ができ、病院の検査画像ではくさび状に変形しているのが確認できます。

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上記の画像をご覧下さい。赤マルで囲んだ部分がひしゃげているのが分かります。

これが圧迫骨折の部位です。

圧迫骨折の急性期にはレントゲンの画像でははっきり写らないことがあります。

そのようなケースではMRI検査が行われます。

時には、一つの椎体だけではなく、何か所も骨折しているケースがあるので、医師は一つずつ確認をしていきます。

圧迫骨折の治療

麻痺などがないケースでは、まずは、保存的治療を行います。

圧迫骨折の治療の原則は「安静と疼痛コントロール」であり、圧迫骨折と診断されたら無理をせず、できるだけ安静を保つように心がけるように医師から指導されるでしょう。

多くの人は保存的治療で症状の改善が見られます。

認知症などで目的が分からず外してしまうケース以外では、コルセットの着用が勧められます。できれば市販のものでは無く、自分の体に合わせた医療用コルセットを作成してもらった方が良いでしょう。

横になって安静を保ち、脊椎にかかる負担を減らすことにより、骨が変形するのを防ぐことができます。

痛みが軽くなってきたら、医師の指示の基づいて次第にリハビリテーションをはじめていきます。

2〜3ヶ月の保存的治療により、約80%の人では骨癒合(こつゆごう、折れた骨が固まること)が得られるといわれています。

保存的治療の有効性は実証されたものですが、いくつかの問題点があるようです。

繰り返しますが、圧迫骨折は高齢者に多く、保存的治療による長期間のベッド上安静により、認知症の症状が進行したり、足腰が弱ってしまい、痛みが取れても寝たきりのままになってしまうことがあります。

また肺炎や褥瘡などが起こりやすいのも、この保存的治療の問題でもあるのです。

【事例】治療までの流れ

ある高齢者施設で床に尻もちをついて痛みを訴える高齢者がいました。

すぐに近くの整形外科を受診しまし、レントゲン検査を行いましたが、その時は骨に異常はありませんでした。しかし、痛みは継続して訴えられていました。

医師より、1週間後に再診するように言われ帰宅しました。

そして、診察し再度レントゲン検査を行うと第10腰椎圧迫骨折だと診断されたのです。

痛みがあり、圧迫骨折が疑われてもすぐにはレントゲン画像には現れないのです。

この人の場合、1週間が経過して骨に異常があったことが分かったのです。

医師からコルセット装着などを勧められましたが、認知症の関係もあり着用することが出来ませんでした。

そのまま安静にして、施設での基本的なリハビリは中止の指示が出たのです。

そして、1ケ月後再び診察を受けました。骨の変形(圧迫骨折)は変化ありませんが、安静期間は解除され、痛みのない範囲でリハビリを実施しても良いという許可が出たのです。

今回の圧迫骨折で医師から言われた主なことを抜粋します。

①急性期は基本的に安静に過ごすこと

②痛みがある場合はリハビリは中止すること

③高齢者は圧迫骨折しやすい、これからこの人にどうアプローチしてくか課題

施設職員が感じたこと

①痛みが酷く、レントゲン検査の台に上がることが辛そうだった

②病院受診するときの車の揺れでも痛みを訴えていた

③今回は、画像で圧迫骨折であると確定診断されたが、分かっていないだけで他にも圧迫骨折をしている人がいるかもしれない…

以上、このような圧迫骨折に関係する事例があったのでご紹介させて頂きました。

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