近年、介護施設はさまざまな運営母体で経営されています。施設の種類も増え、選ぶときには十分な情報が必要です。
各施設によって提供されるサービスや対応できる介護度など、特長が異なるため、自分や家族に合った施設を選択しなければいけません。
この記事では、公的介護施設を選ぶときのNGポイントや重要なチェックポイントについてご紹介します。これから施設選びを始める方は、ぜひ参考にしてください。
1.公的介護施設の種類を知ろう
介護施設には国や地方公共団体・社会福祉法人が経営している公的介護施設と、民間企業が運営している施設の2種類に分けられます。
更に公的介護施設には4つの種類があり、それぞれ特長が異なるので見てみましょう。
参考:施設・居住系サービスについて|厚生労働省
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、身体介護・生活支援・リハビリ・レクリエーションなど、生活における全般の支援を受けることができる施設です。
入居者は要介護3以上の方が対象で、認知症の受け入れも可能なのが特長といえます。
ケアハウス
ケアハウスは、身寄りがなく自立した生活に不安のある60歳以上の方が入居できる施設です。
一般型と介護型の2種類があり、民間施設よりも安い費用で入居することができます。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、在宅復帰を目的とした病院と自宅の中間的施設です。
入居期間は通常3ヶ月~6ヶ月と短期間で、自立や要介護度の低い方は利用できません。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、医学的なケアが必要とされる要介護1からの方が利用できます。
医師が入居者100人に対し3人配置され、吸引やカテーテルなどのケアが非常に充実しているのが特長です。
2.必ずチェックしたい!公的介護施設のNGポイントとは?
公的介護施設を選ぶときにおすすめしたいのは、実際の現場を見学することです。パンフレットやネットの情報だけではわからない『雰囲気』を肌で感じ取り、自分や家族に合うのかどうかを見極めなくてはいけません。
そこで『該当するものがあればNG』というポイントを4つご紹介します。
常に職員を募集している
常に職員を募集している施設は注意が必要です。
職員が定着しないのは、何かしら理由が存在します。条件・勤務環境が悪いから辞める⇒人が足りないから負担が増える⇒更に退職者が出る⇒常に職員を募集する羽目になるという悪循環が考えられるからです。
求人などにも目を向けて、チェックするようにしましょう。
家族との連絡が密にできていない
家族との連絡がきちんとできていない施設は要注意です。
担当者・ケアマネージャー・家族の三者間報連相は、介護計画や日常のケアに絶対に必要な条件。
施設の行事の際に家族がどのくらい参加できるのかという点もチェックが必要です。
整理整頓ができていない
施設の中がきちんと清掃されず、整理整頓ができていない施設は絶対にNGです。
清掃や整理整頓が行き届いていなければ、ケアの質が下がります。また思わぬ事故を招くことも考えられるため、施設の古い・新しいではなく、清掃状況をチェックしてください。
スタッフに活気がない
スタッフが生き生きと働いていない施設は、選ぶべきではありません。
スタッフに活気がないということは何らかの不満を抱えて働いているということです。
ケアの質に影響を及ぼすことも十分考えられるため、スタッフの表情や言葉遣いなどにも注意してください。
3.公的介護施設選び・重要な4つのチェックポイント
自分や家族のために施設を選ぶとき、どんなポイントを重要視してチェックするべきなのでしょうか?
ここでは4つのポイントに絞り、詳しくご紹介します。
①職員の質
職員の質は最も重要なポイントです。
実際にケアをする担当者の配置やキャリアなどもチェックすることができればベスト。
他の利用者への接し方などもポイントといえるでしょう。
②経営母体
経営母体は利用料に直結する大切なチェックポイントです。
公的介護施設であれば国・地方公共団体・社会福祉法人が経営母体となります。
注意したいのは民間施設の場合。企業などが母体となっているケースも多いので、利用料の設定や入居金などに注意しましょう。
③必要なケア
自分や家族の必要とするケアを行ってくれるかどうかは非常に重要なポイント。
胃ろう・吸引・酸素などが必要な場合は、対応可能かどうかを事前にチェックする必要があります。
また病院や医師との連携状況も確認しておくと良いでしょう。
④立地条件
施設から自宅までの距離や立地条件もチェックしたいポイントの1つです。
緊急時にすぐに駆け付けることのできる距離か、マイカー以外の交通手段が充実しているかは見学時に実際チェックしておきましょう。
4.まとめ
公的介護施設は費用を安く抑えることができるメリットがありますが、生活の場となる以上チェックしておきたいポイントがあります。
NGとされるチェックポイントに該当してしまった場合は、改善の余地があるのかを見極めた上で入居を決定する必要があります。
手厚く適切なケアとQOLの向上に重点を置き、少しでも自分や家族に合った施設を選びたいものです。