病気・症状

胆のう炎ってどんな病気?高齢者が気を付けることは?

「胆のう炎」はよく聞く言葉だとは思います。

若者でも高齢者であっても胆のう炎になることはあり、罹患すると、痛みを伴うこともあり、生活に制限がかかってしまいます。

今回は、高齢者の胆のう炎について解説致します。

胆のう炎とは【概要】

胆のうをご存じでしょうか?

肝臓で作られた胆汁を溜めておく働きを担っています。

胆のうは肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にあり、西洋梨のような形をしています。

胆のうに起こる炎症をまとめて『胆のう炎』と呼びます。

そして「急性胆のう炎」と「慢性胆のう炎」に分けることができます。

さらに急性胆のう炎は炎症の程度によっていくつか種類があり、胆のうが軽く炎症を起こしている「カタル性胆のう炎」、膿がたまり胆のうが腫れてくる「化膿性胆のう炎」、重症化して胆のうの一部が壊死したり、穴が開いたりする「壊死性胆のう炎」、そして細菌の影響で胆のうの内外にガスを発する「気腫性胆のう炎」があります。

一方、慢性胆のう炎は、急性胆のう炎を繰り返すうちに胆のうの壁が厚く硬くなり、萎縮していくことでその機能が低下するといわれており、症状は急性に比べて軽いことが多いです。

急性胆のう炎とは

急性胆のう炎の症状として、脂汗が食後に出るような右あばらの下の痛みが出現します。

また、右背部痛も現れます。

さらには、夕食後数時間経って、睡眠中に痛みが出ることもあるのです。

胆のうは脂肪の消化に必要な胆汁を何倍もに濃縮して、一時的に貯めておく臓器です。

食事をして脂肪成分が胃から十二指腸に入ってくると、胆のを収縮させるホルモンが出て胆のうが収縮するのです。

この作用は鋭敏で少しの牛乳を飲んでも起こります。

これによって濃い胆汁が十二指腸に出て脂肪の消化作用が開始されます。

例えば、1日3回食事をすると、1日3回胆のうが収縮します。

もし胆石があると、この胆のう収縮した時に胆のうの出入り口に胆石が詰まることがあり、この時に痛みが出るのです。

詰まっていた胆石が外れると痛みが無くなります。

慢性胆のう炎とは

慢性胆のう炎は、急性胆のう炎が原因で発症し、胆のうの炎症が長時間持続する病気です。

状態の程度は、軽度の慢性炎症細胞の湿潤から、線維化を伴う胆のう萎縮まで色々あります。

線維化による広範な石灰化は磁器様胆のうといわれています。

胆のう炎の原因

胆のう炎の原因で最も多いのは、胆石です。

胆石が胆管に詰まってしまい、胆汁が流れずせき止められてしまうと腸内の細菌が胆汁と一緒に逆流し、細菌感染が起きてしまい胆のう炎になってしまうのです。

では、胆石とはなんでしょうか?

具体的に解説します。

胆石とは

肝臓や胆のう、胆管にできる結石(石)のことです。

結石がどこにあるかによって名称(病気名)が違います。

①管内結石

②胆のう結石

③胆管結石

このような病名に区別されています。

画像引用

胆石の原因

最も多い原因となるのは、『コレステロール結石』といわれるものです。

そうです、コレステロールが原因で発症するのです。

胆石は加齢と伴にできやすくなり、特に肥満気味の中年女性に多く出現する傾向にあります。

高齢になって、慌ててコレステロールを下げるような食事ではなく、若い頃から食事に配慮する必要があります。

胆石の症状

胆石=症状がある・・・とは限りません。胆のう結石がある2割以上は無症状だといわれており、高齢になって症状が出現するケースもあるのです。

症状には以下のようなものがあります。

①みぞおち付近の激しい痛み

②右肩や背中の痛み

特に、脂肪の多い食事を摂取した時や、食べすぎた後には、症状が起きやすいともされています。

高齢者の胆のう炎の予防・療養

まずは、食事に配慮する必要があります。

食事は糖質中心の低脂肪を中心として、脂質を制限する必要があります。

使用すると良い食材として・・・

①鶏ささみ

②豆腐

③脂肪の少ない魚

④はんぺん

⑤かまぼこ

⑥卵

避けたほうが良い食品として・・・

①牛ロース

②豚ロース

③鶏肉の皮

④油揚げ

そして、味付けは薄くして、コーヒーや炭酸飲料、香辛料などを避けるようにしましょう。

アルコールもなるべく控えることをお勧めします。

胆のう炎は生活習慣病??

これまでの解説で、胆のう炎は胆石が影響することが分かりました。

そして胆石の原因は、生活習慣(食事)が関係することも分かったと思います。

こう考えると、胆のう炎は生活習慣病ともいえるかもしれません。

■栄養バランスのとれた食事

■適度な運動

■糖尿病の人は要注意

■コレステロール値に注意

■体重の管理も必要

上記のようなことを考えると予防に繋がります。

高齢になってからは、ある程度、生活習慣が確立されていると思いますが、食べすぎ、飲みすぎなどにも注意して生活を送りましょう。

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