介護施設

グループホームってどんな施設?医療やリハビリは?

介護が必要となった場合に。グループホーム(GH)という施設があります。
介護保険3施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院)の他に、施設入所の選択肢があるのです。
今回は、グループホームの特徴について解説し、メリットやデメリットなどもお伝えします。

グループホームの特徴

最大の特徴は、 アットホームで、こじんまりとした雰囲気で支援を受けられることです。廊下が中央に並んで左右に居室がたくさんあるというイメージでなく、名称の通り、利用者を5~9名のグループに分けて共同生活をするのです。

一つに施設に、最大で3ユニットまで認められていて、施設全体での定員は最大で27名となっています。

グループホーム入所の要件

まずは、要介護1以上であることが要件となります。よって、要支援1と2の人は対象外となります。

逆に要介護4や5の重度な人なら無条件で入所可能かといえば、そうではありません。

医療依存度の高い人、高度の認知症の人などは断られることもあります。

つぎに入所の要件となるのは、認知症であるということです。

グループホームの正式名称は『認知症対応型共同生活介護』といい、文字通り、認知症を対象とした人ということになります。

よって、医師が認知症であることの診断をしないと利用が出来ないのです。多くの場合には、『診療情報提供書』などの書面で記します。

上記の動画は、グループホームで働こうとしている人向けのものですが、概要が分かりやすいのでのせています。参考になると思います。

グループホームの料金

①入居の際、保証金や一時金が必要のなるケースが多い

グループホームは民間施設が多く、入居時に初期費用として入居一時金や保証金等の名目で、費用がかかることがあります。

よって、入りたい施設があっても、最初にまとまった金額が手元になければ入所できないことがあります。

初期費用が不要で、月々の支払のみで入所できる施設もあるため、担当のケアマネジャーに相談するのも一つの方法でしょう。

②月額の料金は15~20万円程度で利用できる

月額の料金は地域差があります。要介護度によっても違いがあり、重度(要介護5)が最も料金が高く設定されています。

また、所得や預貯金によっては、1割負担とは限らず、2割、3割と、さらに高額になることもあります。

③『介護サービス費(介護保険適用分)』と『日常生活費(介護保険適用外)』を足したものが月々の料金になる

介護サービス費と呼ばれる部分が1割~3割負担に当たる部分になり、日常生活費に当たる部分が介護保険とは違い、施設独自で設定されている金額になります。

よって、この部分は施設(グループホーム)によって差があります。

④助成制度として『高齢介護サービス費制度』『自治体独自の助成』『家賃助成の制度』がある

ここでは様々な助成制度があることをお伝えすることに留めておきます。

利用料金が請求され、「高額だなぁ…」と思いそのまま払い続けるのではなく、助成制度を利用することによって負担を防ぐことができます。

グループホームの医療・看護体制

結論からいえば、グループホームには看護師や医師の常勤勤務の条件はありません。

よって、多くのグループホームでの医療体制は十分だとはいえません。

逆に表現すれば、体調が安定し医療よりも介護が中心な支援を受ける人が主になる場所なのです。

しかし、実際には健康チェックや軽度の傷の手当などが必要になるため、看護師が勤務しているグループホームもあります。

以下、グループホームにおける看護師の役割について紹介いたします。

①喀痰吸引

②体温、血圧等のバイタルサインの確認

③服薬管理

④経管栄養の管理

⑤軽度の傷の処置

⑥医師との連携

などがあります。

さて、ここで医師との連携とありますが、具体的にどのようなものでしょうか?

先にも述べましたが、医師が常勤勤務している施設はほぼ無いと思っていいでしょう。

しかし、嘱託医師として、往診や回診、場合によっては受診などを行っているグループホームが多いです。

その嘱託医師と看護師が連携して、医療に対応しています。

看取りの介護について

冒頭でも触れましたが、グループホームはアットホームな雰囲気で、スタッフと利用者が食事を作ったりレクリエーションをしたりと、共同で生活を成り立たせるという目的もあります。

しかし、日本の要介護状態の重度化などに伴って、そのような体制で支援することが困難になり、近年ではスタッフが一方的に支援して、看取り介護も行ってくれるグループホームが増えています。

グループホーム側からすれば、軽度である要介護1や2の利用者のみを受け入れていたのでは、運営に支障が出てくる状況になっているのです。

要介護1、2の人が重度化して要介護4、5になれば、特養へ…ということもありました。

今のグループホームは医療依存度の高い場合の除いては、生涯に渡り支援をしてくれるところが増えているのが現状です。

契約の際には「もしこのまま要介護状態が重度化したら、看取り介護はしてくれますか?」と施設側に確認しておくことをお勧めします。

グループホームを選択する理由

介護施設で入所希望が多いのは特養です。

待機者問題によって、特養の入所要件を数年前に要介護1以上から、3以上に限定されました。

そして、全国各地に施設が開設されています。

それでも特養の待機者が多く、入所したいタイミングで入所できるというのはなかなか難しいのが現状です。

そこで、特養の代わりの施設となったているのがグループホームなのです。

グループホームの数は全国的にみても多く、待機者も少ないのが特徴です。

よって、本来は特養希望だけど、グループホームに入所し様子をみていこうとする人やその家族が増えているのです。

例えば、要介護1や2の段階ではグループホームに入所し、要介護3になった時点で特養に入所するという流れもあります。

グループホーム入所中にも、特養への申し込みは可能です。

まとめ

グループホームは、アットホームな雰囲気で少人数でケアしてくれる施設となっています。

全国的にその数は多く、介護保険施設を利用したくても利用できない人の受け皿になっているケースが多いのです。

しかし、入所時に一時金を支払う必要がある施設もあり、月々の料金も介護保険施設よりも割高となっています。

医療に関しては、それほど力を入れているわけでなく、日常的な怪我の治療程度しか行ってもらえないと考えておく方がいいでしょう。

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