自分の最期に向けて「終活」をされる方が増えてきています。
終活は自分の最期の過ごし方や葬儀・墓の準備、身の回りの整理などを行うことです。
その終活に欠かせないのがエンディングノート。
遺された人たちに自分の意志を確実に伝えるために必要なツールと言われています。
この記事では終活に欠かせないエンディングノートについてご紹介します。
書くときのポイントやメリットも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エンディングノートとは?
エンディングノートは自分の終末期に向けて伝えたいことを自由に書くノートです。
遺言書とは異なり、法的な強制力はありません。
遺言書は死後に関することを書くのに対し、エンディングノートは終末期など死ぬ前のことを書きます。
エンディングノートは市販もされていますが、特に書式の指定はありません。
お好きなノートで構わないので、ポイントを抑えて書くようにしましょう。
エンディングノートに書くべき7つのポイント
エンディングノートには書くべきポイントがあります。
自分の希望や状況をきちんと書いてこそ、エンディングノートとしての機能を果たすのです。
書式は自由ですが、以下の7つに関しては必ず記載するようにしましょう。
①基本情報
家族だから何でも知っているはず…というのは間違いです。
結婚前の出生に関することや、自分史についてなどは家族でも知らないことがあったりします。
基本情報として、最低限以下の項目については記載するようにしましょう。
- 血液型
- 運転免許証番号
- 健康保険証の種類・番号
- 年金番号
- マイナンバー
- 本籍
- 生年月日
- パソコンやスマホのパスワード
その他趣味や出身校、家系図などを書いておくのもおすすめです。
②金融関係
金融関係については家族にきちんと伝えなければいけない最重要項目といえます。
- 保有している銀行口座
- 通帳の場所・キャッシュカードの暗証番号
- 不動産関係
- 有価証券
- 保管してある現金の場所
骨董品や貴金属などをお持ちの場合は、希望する処分の方法(売却・譲渡など)を記載しておきましょう。
③知人・友人
万が一のことがあった時、連絡をして欲しい知人や友人を書いておくことも大切です。
また知人・友人に伝えたいことがある場合は、エンディングノートに記載しても構いません。
いつからの知り合いで、どの程度のお付き合いだったのかを書いておくと、葬儀の連絡の際に家族が困らずに済むでしょう。
④葬儀・お墓
葬儀やお墓についても、遺された家族には知りたい情報の1つです。
なぜなら、生前に確認することは気が引けますし、急に亡くなった場合は確認する術がないからです。
どのような葬儀にしたいのか、お墓が決まっていない場合はお墓を持つのか、お墓を持たないのであればどのような供養方法にするのか。
自分の希望をきちんと書き残しておきましょう。
⑤相続財産
エンディングノートと遺言書は異なります。
法的な強制力はありませんが、自分の希望を書くことは可能です。
どんな相続財産があるのか、遺言書がある場合は遺言書の保管場所についても書いておきましょう。
忘れがちなのが負の遺産=借金です。
借り入れをしている場合は、借入先や金額などがわかるように併せて記載してください。
⑥医療・介護
終末期のケアについて、どのような希望があるのかをきちんと記載しておきましょう。
- 延命治療をどうするか
- 最期はどこで迎えたいか
- 常備薬や日頃から服用している薬について
- 介護になった場合の希望(施設入所・在宅介護等)
- 医療費や介護費用に関すること
認知症などで意思の疎通がうまくできなくなることも考えられます。
死亡した場合のことだけではなく、介護に関する希望も考えておかなくてはいけません。
色々なパターンを想定して、自分はどうして欲しいのかという点を明らかにしておきましょう。
⑦その他
ペットを飼っている場合は、ペットをどうするのかについても検討しなければいけません。
引き取ってもらう人を探し、自分に万が一のことがあったら、という話をしておく必要があります。
その際はペットの性格や好き嫌い・持病などについてエンディングノートに記載しておきましょう。
エンディングノートの3つのメリット
エンディングノートにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
遺言書とは違って、エンディングノートがどのようなものか、まだイメージがつかない方もいらっしゃるかもしれません。
しかしエンディングノートには、遺書とはまた違ったメリットがあるのです。
ここではそのメリットを3つご紹介します。
①自分の思いや感謝を伝えることができる
面と向かって、口ではなかなか伝えられない思いや感謝をエンディングノートは伝えることができます。
家族・親戚・友人・知人、特に家族は毎日顔を合わせていても、感謝の言葉などは恥ずかしくて言えないことが多いはず。
離れて暮らしている場合などはなおさらでしょう。
今まで伝えることができなかった思いや感謝を、文字という方法で遺るように伝えられる点は、エンディングノートの大きなメリットの1つです。
②遺された家族が迷うことがない
急に亡くなってしまった場合や、認知症などで意思の疎通ができなくなってしまった場合、葬儀やお墓・身の回りの整理などで、家族は右往左往してしまうものです。
そんなときにエンディングノートがあれば、どんな方法を望んでいたのかということが明確になるため、希望に沿った対応をすることができます。
特に生前に話しにくい葬儀・お墓・財産のことは、何も知らない状態では家族が本当に困ります。
正式な遺言書がない場合も多いため、どこに何があるのかもわからないという状態も考えられるのです。
エンディングノートを書く年齢は決まっていません。
具合が悪くなる前に、自分自身の整理も含めて作成できるエンディングノートは、家族にとっても必要不可欠のものといえるでしょう。
③自分自身の状況を把握することができる
子育てや仕事、家事に忙しい時期はなかなか自分を見つめなおすことは難しいものです。
エンディングノートには、自分自身の棚卸しを行い、状況を把握することができるメリットもあります。
財産・保険・借入金などの金融関係から、友人・知人のお付き合い、お墓のことなど、「自分の終末期を自分で演出する」という意識を持つことができるのです。
現在の自分の状況を把握することで、今後どのように生きていきたいのか、どんな最期を迎えたいのかが明らかになるでしょう。
まとめ
エンディングノートは自分に関する棚卸しと、これからの人生の生き方・終わり方について見直すことのできるツールです。
まだ耳慣れないものかもしれませんが、エンディングノートがあるのと無いのとでは、家族の気持ちに大きな差が生まれます。
書式などにこだわらず、自分自身で作り上げるエンディングノート。書き直すことは必須ですので、ぜひ思い立ったときに作成を始めてみてください。