在宅介護

福祉車両運転の家族必読!安全運転・操作できていますか?

要支援1や2、要介護1~3だと在宅介護をしている人も多いと思います。

自宅で生活するということは、外出する機会もあるでしょう。

そこで、よく活用されているのが、福祉車両の自動車です。

シエンタ ウェルキャブ(福祉車両)を一部改良

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■買い物

■ドライブ

■受診

■リハビリ

など多くの場面で便利です。

介護タクシーを利用するよりも、臨機応変に対応できますし、普段使いと併用すれば費用を安く抑えることが出来るメリットがあります。

そんな福祉車両ですが、使い方や操作を間違えると大変な事態になります。

今回は、そのような視点から記事を作成しましたので、是非一読して頂ければ嬉しいです。

福祉車両とは何か

福祉車両とは、車椅子ごと自動車に乗れたり、座席が乗りやすい角度や高さに調整されて、高齢者や障害があっても乗ることができる自動車です。

上記の動画をご覧頂ければ、とても便利なことがお分かり頂けると思います。

福祉車両は、身体の不自由な人の移動の自由を広げ、2000年の介護保険制創設後、徐々に増えてきています。

介護や送迎に使う介護式車両は、昇降シートやリフトなどを備えられており、助成制度や優遇制度が適用され、さまざまな購入の便宜が図られています。

自家用車としての利用が増えている

福祉車両は、身体の不自由な人や高齢者にとって移動の自由を広げる自動車です。

デイサービスの送迎車のように車いすごと乗れるリフト付き車両、介護タクシーで使われるスロープ付き車両など、いろいろな種類の車両があり、電動車いすや電動三輪車も福祉車両に分類されることがあります。

介護式と自操式がある

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「介護式」「自操式」に分けられてます。


介護式車両

身体の不自由な人の介護や送迎に利用する自動車で、

○回転(スライド)シート車

○昇降シート車

○スロープやリフトを備えた自動車

などがあります。

■回転(スライド)シート車

容易な操作で助手席をドア側へ回転させることができ、さらに外へ向かってスライドさせる装置を備えています。

これによって、クルマの乗り降りに不便を感じている人が快適に乗降できるようになります。


■昇降シート車

助手席のシートがスイッチ操作で回転し、ドアから車外まで出てくる電動式もあります。

回転【スライド】シート車よりも乗り降りしやすい低い位置まで下がるので、車いすからの乗降でも容易になります。

これらは【回転(スライド)シート車とともに】介護される人を助手席に乗せるため、運転手から目が届きやすいことも特徴で、後部座席用もあり、用途に合わせて選ぶこともできます。


■スロープやリフトを備えた車両

バックドアから車いすのまま車内に乗り込めるのが特徴です。

スイッチ操作でスロープやリフトを動かせるタイプもあり、介護する人の負担を軽くしています。

自操式車両

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身体が不自由な人が自分で運転するための補助装置が付いています。

補助装置は・・・

手だけで運転ができる「手動装置」

足だけで運転ができる「足動装置」

などに分かれます。

左足だけでアクセルとブレーキの操作ができるタイプもあり、どちらも通常の自動車を基本にしており、車いすの固定器具や収納装置などが取り付けられています。

家庭での福祉車両利用について

通常の乗用車でも要介護者を乗せて運転することは可能ですが、下肢筋力低下や麻痺の方などなら車椅子ごと自動車に乗り降りするのが断然便利です。

しかし、車椅子ごと車に乗せて運転するという行為は、通常の運転に加えて手間もかかりますし、十分な安全確認が必要になってきます。

要介護者の家族が福祉車両を運転するからといって、特別な免許が必要になることでもないので、最初の段階で正しい操作・使用方法を理解しておく必要があります。

福祉車両の運転で留意したいこと

まずは、通常の乗用車を正しく運転することが初歩的なことになります。

それを踏まえると、福祉車両の特性として・・・

○乗り降りに時間がかかる

○乗り降りに十分なスペースが必要となる。

○家族自身の介護力(知識や技術)が必要になる。

○器具の操作が必要になる。

○運転と同時に、乗車している対象者にも意識を向ける必要がある。

などがあるでしょう。

では細かく解説していきます。

■乗り降りに時間がかかる

ドアを開けて、サッと車内に入れば良いというわけではありません。

自分たちが入る前に、対象者に乗車してもらう必要があります。

車椅子ごと乗車するのであれば、器具の操作を伴いますのでトラブルがあれば余計時間がかかってしまう可能性もあるでしょう。

しかし、確実に安全ロックなどの確認をしないと事故につながる可能性もあるため、時間はかかっても確実な動作によって乗車してもらう必要があります。

単純に時間がかかるというだけならそれ程問題はないのですが、強い雨、夏場の炎天下、周囲への迷惑などが気にかかり、実際には焦ってしまい操作がおろそかになることもあります。

■乗り降りに十分なスペースが必要となる

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大型のスーパーや、大きな病院などにいくと福祉車両専用の駐車スペースがあるので、そちらで対応すれば空間を気にすることはないでしょう。

しかし、実際に体験した方も多いと思いますが、巷では福祉車両専用の駐車すぺーすはなかなか完備されていません。

なかには、福祉車両専用だと書かれていても、車椅子を乗り入れできるスペースが十分に確保できているかとなると、少し疑問に思うところもあります。

さらに、一般の乗用車が駐車されているケースあります。(これは、精神的にかなり疲れます)

福祉車両専用の駐車スペースがない場合には、なるべく邪魔にならないような場所まで移動して乗り入れをすることになりますので、介護者の負担が大きくなるデメリットがあります。

■家族自身の介護力(知識や技術)が必要になる

様々な種類の福祉車両がありますが、介護をする家族側にも少なからず介護についての知識や技術が必要になるでしょう。

特に、車椅子の場合だと自動車に乗るまで、あるいは降りてからの車椅子操作を行うようになります。

車椅子操作であれば、慣れれば簡単に行うことができますが、アクシデントが発生した場合(車椅子からの滑落等)に対応できるだけの介護力が必要になってきます。

単純に、自動車の運転だけできればいいというものではありません。

■器具の操作が必要になる

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通常の自動車に比べて、福祉車両はボタンや操作が多くなります。

しかも、安全ロックや専用のシートベルト装着など、使い方を間違えれば大変な事態になることもあります。

練習で操作するときは簡単にできても、実用的な場面ではなかなか上手く操作できないこともあるので、十分に練習してから実践に移行することをお勧めします。

福祉車両の操作は一般的でないので、もし使い方が分からなくなったりしても、誰かに助けを求めて操作方法を教えてもらうことは難しいと思います。

■運転と同時に、乗車している対象者にも意識を向ける必要がある

例えば車椅子ごと自動車に乗れる福祉車両を想定してみましょう。

高齢者は、椅子でない車椅子に乗るというだけでも長時間に渡ると疲れますし、姿勢も崩れてきます。

そんな時は、迅速に支援者が対応することができますが、家族が福祉車両を運転しれ移動する場合には、そんな対応ができません。

自動車は揺れますし、坂道や下り坂もあります。もし、福祉車両の運転手と、車椅子に乗っている高齢者などの二人だけであれば、瞬時に対応ができません。

特に注意したいのが、体調に変化があり病院に行く場合です。

対象者の体調も気になりながら運転することになるので、集中した運転が難しくなり事故を起こすリスクが高まるので注意が必要です。

車内環境に注意

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その都度介護タクシーを依頼しなくて済むので、福祉車両が自宅にあれば非常に便利です。しかし、これまでご説明した通り、乗り降りするには少し手間がかかります。

そうなると、車椅子に乗った状態の対象者を車内に残したまま、車外に出てしまうこともあります。

当然、夏の暑いときは冷房を付けているでしょう・・・

冬の寒い日には暖房を付けているでしょう・・・

しかし、車内の温度環境は変化がしやすく、直接エアコンの調整ができる人が同乗していなければ、非常に危険だといえるでしょう。

車椅子ごとの乗車が面倒だからといって、対象者を車内に少しでも残したりするのは辞めましょう。

雨の日の乗車に注意

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天気の悪い日は福祉車両の利用が面倒になります。

雨脚が強まる中、上からの雨を気にしながら地面で滑らないかなど、気にする必要があるからです。

福祉車両を使用するということは、それに連動して車椅子を押すなどの動作が加わります。

ご自分が雨の日に外に出ることを想定してみて下さい。なかなか大変だと思いますが、それに加えてもう一人介護を必要とする対象者がいれば余計大変であり、ストレスもかかってくると思います。

雨の日は運転自体に気を付ける必要がありますが、乗り降りする前後の動作にも十分気を付けて、安心して乗車してもらえるようにしないといけません。

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