新しい年の始まりに届く年賀状。
日頃あまり連絡をとれない人でも、年賀状のやり取りが続いていると安心する…という世代の方も多いのではないでしょうか?
しかし若い世代は既に年賀状離れをしていて『SNSでのやり取りで十分』と考える人が主流になっています。
『今まで年賀状を出してきたけれど準備をするのも大変』『喪中はがきが多くきちんと挨拶できる人が減ってしまった』などという理由から、年賀状のやり取りを控えたいと思ったことはありませんか?
この記事では終活の一環とも言われている『年賀状じまい』『終活年賀状』についてご紹介します。
終活年賀状とは?
年賀状のやり取りを終わらせる…終活年賀状・年賀状じまいとはどのようなことなのでしょうか?
終活年賀状・年賀状じまいとは?
終活年賀状・年賀状じまいとは、『今年で年賀状を出すのを最後にします』という挨拶を込めた年賀状のことです。
年賀状は、普段なかなか会えない人・お付き合いを途絶えさせたくない人などに送ることが多くありませんか?
いきなり年賀状を出さなくなってしまったら、お付き合いがなくなってしまう可能性が高い人が多いのです。
何らかの理由で年賀状を出すことが難しかったり、これ以上続けることが大変だと感じるようになったりしたときに、いきなりやめてしまうのではなく、今回で年賀状を辞退しますと伝えることを、終活年賀状・年賀状じまいといいます。
年賀状じまいの理由
年賀状じまい・終活年賀状を出すということには、さまざまな理由が考えられます。
筆者の周囲で年賀状じまいをした人の例をご紹介しましょう。
- 病気をして療養しているが体調が思わしくない
- 祖父母・両親・親戚などが亡くなり数年喪中はがきしか出していない
- SNSでやり取りをしているので改めての年賀状は不要
- 年賀状だけのお付き合いをやめたい
- 相手が亡くなったりして年賀状を出す数が減った
年齢を重ね、周囲に不幸が増えて喪中はがきしか出していないという友人は、喪中はがきを出すことでかえって心配をかけてしまうのが心苦しいと話していました。
人それぞれの理由や事情がありますが、恒例となっていた風習に区切りをつけるタイミングを何らかのきっかけで得たという例が多く見られます。
終活年賀状の上手な書き方
年賀状は、過ぎた一年のお礼とこれから始まる一年のご挨拶を兼ねたものです。
年賀状には暗黙のルールやマナーがありますが、終活年賀状にも守りたいマナーがあります。
実際に終活年賀状を書く際にはどんな内容にするべきなのか、4つの項目をご紹介しましょう。
1.挨拶
まずは挨拶をきちんと述べましょう。
年賀状を兼ねての終活年賀状であれば、『あけましておめでとうございます』という年始の挨拶を入れてください。
中には「年の初めに『〇〇を辞めます』という挨拶は失礼だ」…と感じる方もいらっしゃいます。
そういったケースでは、寒中見舞いのご挨拶を兼ねて年賀状じまいをお伝えするのも良いでしょう。
挨拶の文面は省略せず、時候に合った挨拶を丁寧に述べてください。
2.年賀状じまいをする理由
次に、年賀状じまいをする理由を書きます。
主流となっているのは、年齢に関することと時代の流れに即してという理由です。
- 還暦を迎えた
- 定年を迎えた
- 後期高齢者になった
- ペーパーレスの時代に合わせて…
- SNSでのやり取りで…
実際は『費用がかかる』『準備が大変』などの理由であったとしてもそのままの理由を書く必要はありません。
特に理由がないという場合は、下記のような文面でもOKです。
誠に勝手ではございますが どなた様にも年賀状によるご挨拶は 今年で最後にさせていただこうと思っております |
ポイントはどなた様にもというところ。
特定の人に年賀状じまいをするわけではなく、すべての人に出さないということがわかるようにしましょう。
3.お付き合いへの感謝
今まで年賀状でのお付き合いをしてくれていたことへの感謝を書きます。
合わせて自分の都合で年賀状を止めてしまうことへのお詫びを書き添えればベストです。
理由はさまざまですが、一方的に年賀状をやめるということに対して、相手への配慮は必要。
失礼にあたらないよう、きちんと感謝の気持ちを書かなくてはいけません。
4.今後への挨拶
年賀状を止めるからといってお付き合いをやめるわけではないということを最後に伝えましょう。
年賀状の代替案などがあれば今後どんな連絡手段を取るのかを書いておくとベストです。
- 今後はメールや電話でお付き合いさせていただければ幸いです
- 今後はメールやSNSでお付き合いさせていただければと思います
- 今後はLINEなどSNSに代えさせていただきます
若い世代の方であればメール・SNS、高齢の方であれば電話連絡など、自分に合った方法で連絡が取れるようにしておくと失礼にあたりません。
代替案を書く場合にはアカウント名・アドレスなどをきちんと記載しましょう。
終活年賀状を出すときのポイント
終活年賀状を出すときには、しっかりと理解しておきたいポイントがあります。
相手に失礼にあたらないようなマナーもありますので、重要なポイントをご紹介しましょう。
年賀状を出すタイミングを見極める
終活年賀状は出すタイミングをしっかりと見極めることがポイントです。
1月1日に相手先に届くのがベストですが、遅くとも松が開ける1月7日までには届くように準備をしてください。
またメールやSNSで年賀状じまいを伝える相手がいる場合は、12月中旬までにお知らせしましょう。
終活年賀状を出した人を記録しておく
終活年賀状を誰に出したのか出した相手をきちんと記録しておくことも重要なポイントです。
出し忘れたのであればまだ良いのですが、出したことを失念して複数回送るのは失礼にあたります。
誰にいつ出したのか、一斉に出せなかった場合は特にきちんと記録しておきましょう。
思いがけない差出人には寒中見舞いを
数年年賀状のやり取りが途絶えていた人や、最近知り合った人など、思いがけない差出人から届いた年賀状に対しては、年賀状を返信するのではなく、寒中見舞いでご挨拶をしましょう。
年賀状をいただいたお礼や、年賀状じまいをする理由などをきちんと書いて、今後のお付き合いをしたいということを伝えれば失礼には当たりません。
終活年賀状に関するQ&A
終活年賀状や年賀状じまいは何回も送るものではないので、よくわからないことがあるという人がほとんどです。
ここでは終活年賀状に関するよくある質問に回答します。
一方的に送ることは失礼にはならない?
文面によっては『縁を切る』という意味に捉えられてしまい、失礼だと感じてしまう可能性があります。
- こちらの勝手な都合で申し訳ないというお詫び
- 今後もお付き合いはさせていただきたいという気持ち
- 特定の人に行うわけではなくすべての人に年賀状を送らないということ
上記のポイントを押さえれば、失礼にあたることにはならないでしょう。
終活年賀状をもらったらどうする?
年賀状で『今年の年賀状で最後にする』と言われているので、年末に出してしまった場合は特に何もする必要はありません。
返信は不要です。
相手は何らかの事情で『もう年賀状は送らない』といっているので、次の年からは受け取った側も出さない方が良いでしょう。
年賀状の文章に句読点はいる?
本来年賀状の文章には句読点をつけないことがマナーです。
句読点は『終わり』『区切り』を意味するので、年始の挨拶にはふさわしくないという意味があります。
終活年賀状は通常の年賀状よりも文章が多くなりますので、改行を利用して読みやすいようにする工夫を行いましょう。
まとめ
終活の一環で、年賀状を出すのを止めるという挨拶をすることを『年賀状じまい』『終活年賀状』といいます。
くれぐれも注意したいのは、年賀状を出さない=絶縁すると受け取られないようにすること。
相手への配慮やマナーを守って、正しい終活年賀状を作成しましょう。