介護施設

特養が人気な理由とは?待機期間はどれくらい?

介護施設には様々なものがあります。その中でも特別養護老人ホーム(特養)はとても人気が高く、入所を申し込んでもなかなか順番が来ないと感じる人も多いでしょう。 またケアマネジャーに勧められて申し込んでも、実際に施設まで足を運んで説明を聞くと「200人待ちです」などと言われ、啞然とするケースもあるようです。

では、なぜこれほどまでに特養は人気が高いのでしょうか?

今回の記事ではその理由を4つに分けて詳しく解説していきます。

特養が人気な理由

庶民的で比較的安価な費用で利用できる

介護保険施設である特養は、通常1割負担のみ(所得に応じて2~3割負担の場合もあり)で利用ができます。ひと月に請求される費用に食事代と部屋代も含まれており、要介護度によって少しずつ金額が違う仕組みになっています。

以下の金額は従来型個室と呼ばれる特養のひと月の平均金額です。

要介護1・・・9万2000円

要介護2・・・9万4000円

要介護3・・・9万7000円

要介護4・・・9万9000円

要介護5・・・10万円

従来型個室とは利用者の共有部分(リビング)などがなく、グループ単位でのケアをしていない施設

例えば民間の有料老人ホームですと地域にもよりますが、1.5~2.0倍の金額になります。しかも初期費用として数十万円〜数百万円の一時金が必要です。

特養は介護保険施設であり、自治体から介護保険の指定を受けているので、庶民的で比較的安価な料金で入所できるのです。

最期(看取り)までお世話をしてくれる

例えば老健(老人保健施設)では、原則看取り介護を行ってくれず、一定期間が経過すると退所しなければなりません。しかし特養は本人や家族が希望すれば、その施設で最期までケアをしてくれるのです。

看取り介護をしてくれるということは、現状に合わせた施設を再度探し入所の手続きをしなければならないデメリットを取り除くことができます。

多くの特養では入所の時点で、看取り介護を希望するのか、希望しないかを尋ねられます。その際に自分たちの希望を伝えればいいでしょう。万が一本人や家族の希望が変わっても、臨機応変に対応してくれるケースが多いので安心です。

社会的信用度が高い

特養は民間の施設でなく、税制上の優遇がされている社会福祉法人等でなければ運営はできません。例えば民間の施設の場合、その運営主体はビルの管理会社や不動産会社だったりすることもありますが、特養はその点安心です。

全国各地に設置されている

「虎ノ門ヒルズ駅が新設され新しくできた路線図」の写真

例えば有料老人ホームは東京・神奈川・大阪・福岡・札幌など人口の多い都市では沢山の施設があり、逆に人口の少ない山間地ではあまり設置されていません。 一方特養は、多少の地域差はありますが全国各地にあり、その地域の人々のために設置・運営がなされています。

特養に入居する順番について

特養の入所は、申込みが早い人から入所できるのではありません。その人が、どれだけ施設(特養)での生活の必要性が高いかで判断され、優先度が高い人から入所することができます。

沢山の人が申込みをする特養ですが、実際にどれくらいの人たちが申込みをしているのでしょうか?

全国平均ではどれくらいの待機期間になるのか

厚生労働省の発表では、2019年の全国の特養総待機数は29.2万人でした。少し分かりにくいので、一施設当りの平均を出してみますと、100名前後の方たちが待機していることになります。

この『100』という数値は平均ですので、都市部では300を超える待機者が今もいるのです。

要介護1や2でも申込みはできるの?

特養の待機者が多いことに対して、国は何もしていないわけではありません。平成27年に要介護1と2の方を入所要件から原則廃止として、特養に入所できるのは要介護3~5の方達となりました。

しかし要介護1や2でも申し込んで入所することができる方法があります。これを『特例入所』と呼びます。

特例入所となる要件とは・・・

①認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる。

②知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られる。

③家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態である。

④単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること。

厚生労働省『特別養護老人ホームの「特例入所」に係る国の指針(骨子案)について』より参照

上記の要件に該当するのであれば、直接施設に「特例入所として申込みをお願いします」と伝えましょう。

それでも待期期間を待つしかない?

様々な理由で人気のある特養ですが、経済的な理由からどうしても入所したいという人は少なくはありません。それまでの間、在宅介護はできないけれど、なるべく安価に施設で介護をして貰える方法をお伝えします。

希望する施設のショートステイ(ロングショート)を使う

2泊3日や6泊7日など短期間のみ特養に介護を依頼するショートステイを使う方法があります。しかし短期間だけの利用では自宅に戻る日があるので、家族としては体力的に辛い面があるでしょう。そこでこのショートを連続して利用するロングショートという使い方があるのです。

ロングショートを利用するまでの手順

①担当の居宅ケアマネジャーに相談する

(希望するショートステイ先に直接相談しても可)

②どこのショートステイにするか決める

③希望するショートステイと契約する

④ロングショートの開始

ロングショートの金額は??

特養と同程度の金額か、やや安価になります。

詳しくは、ショートステイの契約をする際に確認しておきましょう。

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