コロナ禍で注目を浴びることの多かったオンライン診療。

実際に病院へ行かなくても、自宅などで診察をしてくれるサービスです。

この記事ではオンライン診療のメリット・デメリットはもちろん、オンライン診療を受ける際の注意点についてもご紹介します。

オンライン診療とは？

オンライン診療は、新しい診察のカタチとして、実施をする医療機関が増えてきています。

ただ、オンライン診療についてあまり知らないという方も多いのではないでしょうか？

はじめに、オンライン診療の概要についてご紹介しましょう。

オンライン診療とは？

オンライン診療とは、医療サービスをインターネットを通じて提供することです。

患者が自宅など、インターネットにアクセスできる場所から医療専門家とコミュニケーションを取り、健康上の問題を診断し、治療を受けることができる方法になります。

オンライン診療について、厚生労働省は以下のように定義しています。

スマホ・PC・タブレットなどを利用して、ビデオ通話やチャットで診察を行うことができるオンライン診療は、近年数多くの医療機関で導入されています。

しかし、診察できる疾患が限られていたり、初診は受けられなかったりという制限があることも事実です。

オンライン診療が受けられる人

オンライン診療を受けられる人は下記の条件に当てはまる人です。

• 生活習慣病・がん・難病・認知症などで定期的に医療機関を受診する人
• 予定された定期受診をする人

2020年の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、オンライン診療の特例が認められていました。　（※初診・最新を問わずオンライン診療を受けることができるというもの）

ただし、この特例がいつまで続くのかはわからないため、オンライン診療を受けたい方は、直接医療機関に問い合わせることをおすすめします。

オンライン診療のメリット

オンライン診療には、通常の対面診療とは異なるメリットがあります。

オンライン診療にはどのようなメリットがあるのか、主なメリットをピックアップしてご紹介しましょう。

通院の負担がない

通院せずに診察を受けることができるのは、オンライン診療最大のメリットといえるでしょう。

『具合が悪いのに病院まで行かなくてはいけない』『遠い医療機関まで行かなくてはいけない』『交通手段の確保が大変』など、通院の負担は大きいものです。

また、付き添いの必要な家族の送迎なども負担になりやすいケース。

しっかりと医師に診てもらえるオンライン診療であれば、通院の負担なく受診することが可能です。

薬を郵送してもらえる

オンライン診療は、診察後に処方箋や院内処方薬を郵送してもらえるというメリットもあります。

処方箋もしくは院内処方の薬を医療機関に取りにいかなくても良いため、「定期的に薬をもらうために通院している」という人にとっては、通院の手間が省けるでしょう。

自宅など自分の好きな場所で診察を受けることができる

オンライン診療は医療機関へ実際に行かなくても良いので、自宅など好きな場所で診察を受けることができます。

多忙で医療機関へ行く時間がない・付き添いが必要なのに誰も一緒に行ってくれる人がいないなどの悩みを解消できる手段だといえるでしょう。

スマホやパソコンなどのデバイスとインターネット環境があれば、医療機関のある地域へ行かなくても診察が受けられます。

また、体調が悪くて動くのが億劫だというような場合でも、自宅で診察を受けることができるので、対面診療よりも受診のハードルが下がることもメリットの一つです。

感染リスクが軽減する

院内感染や二次感染など、感染のリスクを軽減できることは、オンライン診療の大きなメリットです。

新型コロナウィルスの感染拡大時には、感染リスクを懸念して受診控えが起きたことは記憶に新しいでしょう。

赤ちゃんを連れての受診や、免疫力の低下した状態での受診は、どうしても感染リスクを懸念してしまいます。

自宅から出ずに診察が受けられるオンライン診療なら、院内感染や二次感染のリスクを最小限に抑えることが可能です。

待ち時間の手間がなくなる

医療機関につきものの『待ち時間』が軽減できることは、オンライン診療ならではのメリットといえます。

大規模な医療機関などでは、予約をしても長い時間待たされることが少なくありません。

受付から会計までの時間は、かなり長時間になり「待っているだけで疲れる」という声もよく聞かれます。

オンライン診療であれば、決済はクレジットカードや銀行振り込みなどで対応できることがほとんどなので、会計までの流れが非常にスムーズです。

オンライン診療のデメリット

自宅で診察が受けられるオンライン診療は、メリットが多い反面、注意しなければいけないデメリットもあります。

オンライン診療を利用する際に、注意しなければいけないデメリットをご紹介しましょう。

スマホ・パソコン・タブレットなどが必須

オンライン診療を利用するには、スマホ・パソコン・タブレットなどのデバイスが必要になります。

アプリをダウンロードしたり、決済の手続きをとったりと、操作に慣れていない人にとっては、非常にハードルが高く感じてしまうことがデメリットといえるでしょう。

電子決済のケースが多い

オンライン診療の決済方法は、電子決済のケースが多いこともデメリットとして挙げられます。

クレジットカードやキャッシュレス決済などを使い慣れていない人にとっては、「現金で支払いたい」と思ってしまうかもしれません。

高齢の方の場合、キャッシュレス決済などを利用していないケースも多いため、オンライン診療のデメリットとして感じることが多くなります。

処置や検査ができない

オンライン診療は処置や検査ができません。

ビデオ通話で症状を聞き、問診した上で診察を行うため、実際に対面で診療した際に行う処置や検査ができないことは、デメリットとして理解しておく必要があります。

また、オンライン診療は全ての疾患に対応できるわけではないので、場合によっては診察自体を断られてしまうこともあるので、注意しましょう。

オンライン診療で注意したいポイント

オンライン診療を初めて利用する際には、注意しなければいけないポイントがあります。

3つのポイントをピックアップしてご紹介しますので、利用前にはぜひ参考にしてください。

処方できない薬がある

オンライン診療は、基本的に診察後に薬が必要な場合は郵送で対応が可能ですが、中には処方できない薬もあることを知っておきましょう。

• 睡眠剤や抗不安薬等の向精神薬
• 免疫抑制剤など副作用のリスクが高い薬

上記の薬に関しては、オンライン診療では処方ができません。

また、処方日数に制限がある薬もありますので、普段薬を定期的に服用されている場合は、事前に処方が可能かどうかを確認することをおすすめします。

プライバシーが守られる環境が必要

オンライン診療は、プライバシーの守られている環境が必要です。

デバイスとインターネット環境があれば、基本的にどこからでも受けることは可能ですが、周囲に第三者がいるような場所ではプライバシーを保てません。

自宅など、診察内容を周囲に聞かれない環境を必ず確保してから利用してください。

対応していない医療機関もある

オンライン診療はどの医療機関でも実施しているわけではありません。

自分のかかりつけ医がオンライン診療を行っていないというケースも十分に考えられます。

実際に利用する際には、希望する医療機関がオンライン診療をやっていない可能性があることも理解した上で、受診する医療機関を選ばなくてはいけません。

まとめ

オンライン診療は、新型コロナウィルスの感染拡大がきっかけとなり、導入する医療機関も増えてきています。

オンライン診療はメリットが多い反面、デメリットや注意しなければいけないポイントがあることを理解した上で利用するようにしましょう。