『寿命』という言葉を知らないという人は少ないと思いますが、『平均寿命』『健康寿命』という言葉はご存知でしょうか?
筆者の両親は「長生きしたいけれど、ずっと入院をしたり寝たきりになったりするのは嫌だ」と言っていました。
確かに『寿命』という言葉の前に『平均』がつく場合と、『健康』がつく場合では意味合いが異なりそうです。
この記事では、『平均寿命』と『健康寿命』の違いや、健康寿命を延ばすためのポイントを解説します。
平均寿命と健康寿命の違い

平均寿命と健康寿命、同じ『寿命』という言葉を使っていますが、意味合いは異なります。
平均寿命と健康寿命は何が違うのか、初めに言葉の意味や概要をおさえておきましょう。
平均寿命とは?
平均寿命とは、平均寿命は人々が生きる期間の平均を表したものです。
一般的には、出生時の平均寿命が使われますが、特定の年齢で平均寿命を計算されることもあります。
厚生労働省の調査では、2019年の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳です。
健康寿命とは?
健康寿命とは、人々が健康な状態で活動的に生活できる期間のことです。
健康寿命は、生涯にわたる病気や障害の影響を考慮に入れ、平均寿命から健康に生活できる期間を差し引いて計算されます。
厚生労働省の調査では、2019年の健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳です。
平均寿命と健康寿命の推移
厚生労働省が発表した平均寿命と健康寿命の推移は、以下のようになっています。

平均寿命と健康寿命との差は、日常生活に制限のある期間を意味しています。

平均寿命と健康寿命とは男性が約9年、女性が約12年の差がありますので、健康寿命を延ばすことや日常生活に制限のある期間への準備が重要なポイントです。
健康寿命を延ばすためのポイント

健康寿命とは、人々が健康な状態で活動的に生活できる期間のことです。
日常生活に制限のある期間を減らすためには、どのようなことに注意をして生活すれば良いのでしょうか?
自分自身でできるポイントを6つご紹介しましょう。
節酒・禁煙
お酒を適度に嗜むことや、禁煙することは健康寿命を延ばすポイントです。
特に『百害あって一利なし』と言われる喫煙に関しては、できる限りやめるのが望ましいでしょう。
厚生労働省の調査では、男性では純アルコールで1日当たり40g以上、女性では20g以上で健康リスクが高まるという報告があります。
生活習慣病などのリスクを高めるような飲み方をしないように心がけてください。
バランスの良い食事
バランスの良い食事は、どの年代でも必要な健康要因です。
年齢を重ねてくると、摂取する食事の量が減少する傾向がありますが、年齢に応じた量をバランスよくとることがポイントになります。
自炊が難しい場合は、バランスを考えたお弁当の宅配サービスなどもありますので、自分に合った方法で食生活を見直してみましょう。
定期的な運動習慣
身体に負担にならない程度の定期的な運動習慣は、健康リスクを減少させる効果があるといわれています。
ウォーキングや体操など、自分の身体状況に合った運動を見つけて、定期的に行うことが大切です。
身体を動かすという意識を持つことは、健康寿命を延ばす大きなポイントといえます。
睡眠時間の確保
しっかりと睡眠時間を確保することもポイントの一つです。
睡眠が不足することで、健康リスクは思っているよりも高まります。
できる限り同じ時間に寝て同じ時間に起きるという生活リズムを作ることに挑戦しましょう。
社会とのつながりを保つ
孤独にならず、社会とのつながりを保つことを心がけてください。
ボランティアや自治会・町内会の活動、趣味のサークルなど、社会参加をすることでQOLの向上や認知症の予防につながります。
健康診断の受診
定期的に健康診断を受診することも非常に重要です。
40歳から74歳までの方は、加入している 医療保険者(保険証の発行元)が実施する健診があり、75歳以上の後期高齢者の方は、居住する自治体で後期高齢者医療の被保険者を対象とした健診が実施されています。
早期発見・早期治療が行えれば、健康寿命を延ばすことに繋がりますので、定期的に健康診断を受けるスケジュールを立てましょう。
『日常生活に制限のある期間』にはどう備える?

「日常生活に制限がある期間」とは、疾患などによる制限が出て、日常の活動に支障をきたす期間のことです。
高齢になってしまうと、就労で収入を得ることが難しくなり、医療・介護・生活に関する費用の準備が必要になります。
日常生活に制限がある期間にどのように備えるべきなのか、2つの方法をご紹介しましょう。
貯蓄で賄う
厚生労働省の調査では、平均寿命と健康寿命とは男性が約9年、女性が約12年の差があります。
この間は、病気による入院や手術、服薬、介護の費用などが掛かる期間です。
老後に備えて、元気なうちから貯蓄を行い、貯蓄で賄うという方法があります。
しかし、近年は貯蓄だけで賄うのが難しいという人が増えているのが現実。
次項で紹介する保険の活用などが重要になってきます。
生命保険を利用する
医療保険・介護保険など、生命保険を利用することで、費用負担を抑えることができます。
保険の内容は年々充実していて、介護・認知症・ガンなどに備えることができる保険が販売されているのが特徴です。
実際に病気に罹ってからでは保険に加入すること自体が難しくなり、年齢が高い段階での加入は保険料も高くなります。
早い段階で加入した保険の見直しを行うこと、ニーズに合った保険を見つけることが大切です。
将来を見越して、若いうちから備えをしておくことで、安心して老後を迎えることができるでしょう。
まとめ

平均寿命と健康寿命には、大きな定義の違いがあります。
現在は国としても健康寿命を延ばすための施策が打ち出されているほど、『日常生活に制限がある期間』を少しでも少なくすることが注目されています。
自分で取り組めることには積極的に取り組んでみること、将来を見越して早い段階から準備をしておくことが大きなポイントです。

