終活

【おひとりさまの終活】やっておくと安心!準備すべき6つのコトとは?

終活(しゅうかつ)とは『人生の終わりの活動』を意味し、自分の人生の終わりを意識して、それに向けて準備をする活動のことです。

家族がいない『おひとりさま』の場合は、終活に大きな意味があります。

自分の死後の準備をする上で、どのようなことに取りかかれば良いのでしょうか?

この記事では、終活の基礎知識や『おひとりさま』が準備すべき終活について、わかりやすく解説します。

終活に関する基礎知識

終活という言葉は、ここ数年でだいぶ周知されてきました。

著名人などが「終活に取り組んでいる」という発信などもあり、言葉だけは知っているという人も多いのではないでしょうか?

はじめに、終活とはどんな活動なのか、目的や費用など終活に関する基礎知識をご紹介します。

終活とは?

一般的に、終活(しゅうかつ)とは『人生の終わりの活動』を意味し、自分の人生の終わりを意識して、それに向けて準備をする活動のことです。

具体的には以下のようなことが含まれます。

  • エンディングノートの作成:自分の希望や思い・遺言・財産の分配・葬儀の形式などを記録する
  • 断捨離:自分の持ち物を整理し不要なものを処分する
  • 遺品整理:自分の遺品や思い出の品を整理し残された家族が困らないようにする
  • 葬儀の準備:自分の葬儀の形態・場所・遺影写真などの準備をする
  • 相続対策:財産の分配方法や相続に関する法律手続きについて準備する
  • 医療・介護の準備:自分がどのような医療や介護を受けたいかを事前に考えておく
  • 老後の生活設計:退職後の生活費や住まいについて計画を立てる

終活は、人生の最終段階をより良く迎えるためのプロセスであり、自分自身の気持ちの整理や心の平安を得るためにも役立つ活動です。

終活の目的

『おひとりさま』が終活を行う目的は、自分のこれからの人生に関するプランを立てておくことにあります。

『おひとりさま』というと、結婚せずに生涯独身を通した人というイメージがありますが、配偶者に先立たれている・子どもがいない・親族と疎遠になっているという人も、『おひとりさま』です。

葬儀やお墓、延命治療に対する希望、認知症になった場合の財産管理など、『おひとりさま』だからこそ終活で準備しておかなければいけないといわれています。

自分がこれからどのように生きていくのか、亡くなった後の対応はどうするのかを明確にすることが『おひとりさま』の終活の目的といえるでしょう。

おひとりさまの終活にかかる費用

『おひとりさま』の終活には、一般の方の終活とは異なる費用が発生します。

『おひとりさま』の終活に必要なサービスをピックアップして、おおよその費用相場を見ていきましょう。

  • 身元引受人依頼:50万円前後
  • 死後事務委任サポート:70万円前後
  • 成年後見人・金銭管理依頼:20万円前後
  • 遺言書作成:作成→20万円前後・執行込み→70万円前後
  • 葬儀の生前契約:葬儀の形態や参列者数などにより変動
  • お墓の生前契約:供養の方法によって変動

葬儀やお墓の生前契約に関しては、葬儀の形態や参列者数、供養の方法などによって大きく変わります。

自分らしい最期を考えたときに、どのような方法を選択するのか、事前に情報収集を行いながらおおよその相場を理解し、準備していくと良いでしょう。

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おひとりさまが終活を行わないリスク

もし『おひとりさま』が終活を行わなかった場合、どのようなリスクが生まれるのでしょうか?

考えられるリスクを4つご紹介します。

孤独死の可能性

終活を行わずに、見守りや介護サービスなども受けていなかった場合、最悪のケースとして孤独死の可能性があります。

定期的な連絡をとることがない『おひとりさま』の場合、具合が悪くなったり体調が急変したりしても、確認・対応してくれる人がいません。

特に高齢者の場合は、いつ何があってもおかしくない状態です。

公的な介護サービス・安否確認を行ってくれる自治体や民間の見守りサービスなどを利用し、何かあったときの対応を考えておく必要があります。

葬儀・お墓の準備不足

葬儀やお墓の準備をしていないと自分の希望しない形での供養が行われてしまう可能性があります。

身寄りのない方が亡くなった場合、親族に葬儀や埋葬を依頼することになりますが、万が一誰も親族がいない場合や親族が拒否した場合は、自治体が火葬・埋葬を行います。

しかし、自治体の火葬・埋葬は最低限のもので、自分の希望する葬儀や供養とはかけ離れていることがほとんどです。

故人がどんな葬儀やお墓を希望していたのかがわかるものがあれば、できる限りの配慮をしてもらえます。

希望しない相続

基本的に身寄りのない方が亡くなった場合の遺産は、最終的に国のものになります

誰かに託したい・寄付をしたいなどの希望がある場合は、遺言書を残しておかないと、まったく希望しない相続になるリスクが高まります。

また、疎遠になっていた親族やトラブルがあった親族なども、相続する権利があれば財産が受け継がれることに。

自分が遺す財産がある場合は遺言書の作成が必須といえるでしょう。

親族・近隣の人への迷惑

仮に『おひとりさま』が何のサポート設けていない状態で、認知症を発症したり孤独死をしたりした場合は、親族や近隣の人、賃貸住宅であれば大家さんなどに多大な迷惑をかけることになります。

身寄りがない場合は、自治体が遺体の安置などを行うケースもあり、かける迷惑はどんどん波及していくでしょう。

終活をしないことで、自分の希望に添わない形の最期になるだけではなく死後の対応についても周囲へ迷惑をかけるリスクが高まることを知っておくことが大切です。

おひとりさまが絶対に準備しておくべき6つのコト

今は元気で人生を謳歌している『おひとりさま』でも、いつ何が起こるかは誰にもわかりません。

『おひとりさま』が絶対に準備しておきたい6つの終活をご紹介しましょう。

かかりつけ医を見つける

高齢になれば誰でも病気やケガのリスクは高まります。

身体のことで相談ができたり、何かあったときに対処してくれるかかりつけ医を見つけておきましょう。

自分以外で自分の健康状態を把握してくれている人がいることは、とても心強いことです。

あわせて、連絡の取れる親族や友人・知人にかかりつけ医を伝えておくことも忘れないようにしてください。

エンディングノートを作成する

エンディングノートとは個人が自分の最期に向けての希望や考え、必要な情報を記録するためのノートや文書のことです。

  • 基本情報:名前・住所・連絡先などの個人情報
  • 医療についての希望:延命治療の可否・臓器提供の意思・かかりつけの医師や病院の情報
  • 葬儀についての希望:葬儀の形式・希望する葬儀場・連絡して欲しい人のリスト
  • 財産に関する情報:銀行口座・保険・年金・重要な書類の保管場所
  • デジタル遺産:SNSやメールアカウントの情報・デジタルデータの取り扱いについての指示

などの項目を遺しておくことができます。

エンディングノートは、遺言書とは異なり法的拘束力はありませんが、故人の意思を尊重した対応をするための重要なガイドとなります。

近年では100円ショップなどでも、しっかりとしたエンディングノートが販売されていますので、時間のある際に少しずつエンディングノートを作成しておきましょう。

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死後事務委任契約・任意後見契約を行う

『おひとりさま』の場合、自分の死後の手続きなどを行ってくれる死後事務委任契約や任意後見契約を検討しておくと良いでしょう。

  • 死後事務委任契約:自分が亡くなった後に必要となる手続きを信頼できる第三者(親族や専門家など)に依頼する契約
  • 任意後見契約:将来、認知症やその他の理由で判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ信頼できる第三者に自身の財産管理や生活支援を委任する契約

身寄りがない人の場合は、司法書士などの専門家に相談するのがベスト。

死後事務委任契約は自分の死後の手続きを他者に依頼するための契約であり、任意後見契約は将来の判断能力の低下に備えて生活支援や財産管理を他者に委任する契約です。

どちらも自身の意思を尊重し、安心して生活するための重要な手段ですので、一度相談してみることをおすすめします。

遺言書を作成する

遺言書を作成しておくことも、『おひとりさま』には必要な準備の一つです。

前項でもご紹介したように、法定相続人がいない場合は、遺産はすべて国のもの=国庫に入ってしまいます。

遺言書の作成場所や方法にはいくつかの選択肢がありますが、『おひとりさま』の場合は公正証書遺言がおすすめです。

公正証書遺言とは、公証人が遺言者の意思を確認し、公証役場で作成する遺言書のこと。

法的に最も確実で、遺言の有効性が高く、紛失や改ざんのリスクが低い方法のため、ぜひ検討してください。

生前整理を行う

生前整理は、『おひとりさま』の終活でも重要な準備です。

生前整理とは自分が亡くなる前に、自身の持ち物や財産、情報などを整理・処分すること

生前整理を行うことで、遺産相続や遺品整理を円滑に進めることができます。

また、自身の人生を振り返り、整理することで心の整理もできますので、自分の身体が動くうちに行ってみてください。

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見守り・訪問サービスの利用を検討する

『おひとりさま』は、終活を始める際に見守りサービスや訪問サービスの利用を検討してください。

安否確認を含めたサービスであれば、孤独死などを防ぐことが可能です。

また、訪問看護や介護のサービスなどを利用することで、適切なケアを受けることもできます。

近年では、家電製品に見守りの機能が搭載されているものも販売されていますので、自分に合った方法で誰かに見守ってもらえる生活を送りましょう。

まとめ

『おひとりさま』の終活は、年齢や性別に関係なく、必要なものだと言われています。

さまざまな事情で『おひとりさま』になった場合、自分のこれからの人生や亡くなった後のことを不安に思うことがあるはずです。

しかし『おひとりさま』向けのサービスはたくさん提供されています。

自分に合った方法で終活を行い、不安のない人生が送れるように準備をしておきましょう。

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