在宅介護

高齢者の薬の管理は大変?おすすめの管理方法と便利グッズを紹介

高齢になると、多くの薬を服用するケースも出てきます。

中には「薬を飲むだけでお腹がいっぱいになる」と言うほどの人も…。

薬は用法・容量を守って飲むことが大前提ですが、1日の回数や食前・食間・食後などのタイミングが異なると、飲み忘れや飲み間違いなどのトラブルも生まれます。

この記事では、高齢者の服薬事情をはじめ、在宅介護におすすめの管理方法や便利グッズをご紹介します。

薬の管理に課題を抱えている在宅介護者の方は、ぜひ参考にしてください。

高齢者の服薬事情

厚生労働省が行った『高齢者の服薬に関する現状と意識』の調査では、65歳以上の肩を対象にした服薬事情が報告されています。

  • 1ヶ月に病院から処方された常用薬の種類について5~7種類以上の人は全体の23%に上る
  • 服薬の管理を全て自分で行っている人は88.9%
  • 調剤薬の飲み残しがあると回答した人は全体の47%
  • かかりつけ薬剤師を知らない人は28%に上る

参考:高齢者の服薬に関する現状と意識|厚生労働省

この調査結果からは、自分で管理をしている高齢者の方は非常に多く、あわせて飲み残しがある人は約半数にも上っていることがわかります。

同調査では、お薬手帳の活用についても調査していて、活用方法がわからない・ただ持っているだけと回答した人は36%です。

またかかりつけ薬剤師がいないこと、服薬管理を頼める人がいないことも挙げられており、課題として取り組まなければいけない現状が浮き彫りとなっています。

高齢者の服薬に関するトラブルとは?

高齢者の服薬に関するトラブルにはどのようなケースが考えられるのでしょうか?

高齢者の服薬に関するトラブルには以下のようなものがあります。

薬の飲み忘れ

高齢者は記憶力の低下や認知症の影響で、薬の服用を忘れてしまうことがあります。

多くの薬を管理できず、回数・容量などが把握できていない場合に起こるトラブルです。

複数の薬の混同

複数の処方箋を持っている場合、薬を混同してしまうことがあり、間違った薬を飲んでしまうことがあります。

薬の形状が似ていたり、一つの袋で管理している場合などは、混同が起こりやすくなるでしょう。

服薬指示の誤解

医師や薬剤師の指示を誤解してしまい、正しい服用方法を守れないことがあります。

薬を飲むタイミングをしっかりと理解していないと、飲み忘れや飲み間違いのトラブルに繋がります。

副作用のリスク

高齢者は新陳代謝が低下しているため、副作用が出やすいと言われています。

特に複数の薬を服用している場合、薬の相互作用による問題が発生しやすいです。

視力や運動能力の低下

視力が低下していると薬のラベルが読みにくくなり、また手の震えなどの運動能力の低下により薬を正確に取り出せないことがあります。

薬の保管方法

温度や湿度に敏感な薬を正しく保管できず、効果が減少することがあります。

以上のようなトラブルを防ぐために、家族や介護者が薬の管理をサポートすることや、服薬補助用品を活用することが推奨されます。

また、医師や薬剤師との定期的なコミュニケーションを通じて、適切な服薬方法を確認することも重要です。

高齢者の服薬トラブルを防ぐおすすめの管理方法

高齢者には複数の服薬トラブルの可能性があります。

少しでもトラブルを起こさないようにするためには、どんな方法があるのでしょうか?

ここではすぐに実践できるおすすめの管理方法を3つご紹介します。

かかりつけ薬局を作る

年齢を重ねると、複数の医療機関にかかり、それぞれ処方箋をもらうこともあります。

そういう場合は、かかりつけの薬局を作り、複数の医療機関の処方箋を1つの薬局で管理してみましょう。

前項では、厚生労働省の『高齢者の服薬に関する現状と意識』の調査で、かかりつけ薬剤師がいないと回答した人は28%に上ることをご紹介しました。

かかりつけの薬局や薬剤師を作ることで、薬の飲み合わせや副作用などについても相談しやすくなります。

薬剤師に相談する

薬に関する相談は、かかりつけ薬局の薬剤師を頼りましょう。

薬剤師は医師と連携し、薬に関するさまざまな情報提供やアドバイスを行ってくれます。

処方箋をもらうだけではなく、薬に関する不安や不明点などを相談できる窓口なので、医師には聞けなかったことなども相談してみてください。

利用できるサービスを知る

薬の一包化や薬の形状変更など、薬に関するサービスは複数あります。

飲みにくい・量が多いなどの場合は、医療機関で薬に関する検討や提案を行ってくれます。

また、お薬カレンダーやお薬ボックスなどを活用できるサービスを提供している薬局もあるので、有償・無償に関わらず、利用できるサービスの種類を知りましょう。

高齢者の服薬が楽にできる便利グッズ4選

高齢者の服薬トラブルには、さまざまなケースが考えられます。

そんなトラブルを防ぐための便利グッズが市販されているのをご存知でしょうか?

ここでは、簡単に手に入るお薬の便利グッズをご紹介します。

お薬カレンダー

出典:お薬収納カレンダー|Yahoo!ショッピング

お薬カレンダーは、お薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぐことができる便利グッズです。

1日を朝・昼・夜・寝る前と薬を飲むタイミングに分け、1週間分をあらかじめ準備しておくタイプが多くなっています。

場所を取らないこと、パッと一目見てわかることがメリットで、価格も高価ではないので始めやすいでしょう。

ECサイトだけではなく、薬局などでも販売されていることもあるため、飲み忘れや飲み間違いを防止したいとお考えの方は、ぜひ試してみてください。

お薬ケース

出典:薬ケース|Yahoo!ショッピング

お薬ケースは、さまざまなタイプがありますが、持ち運びができることが大きなメリットです。

お薬カレンダーとは異なり、出先で薬を飲まなければいけない場合にとても便利!

近年では100円ショップなどでも販売されていて、手軽に購入することができます。

写真のお薬ケースは、日にちや時間帯で分けることができるタイプのものですが、他にもいろいろなタイプがあるので、自分に合ったケースを見つけてみるのも良いでしょう。

ピルクラッシャー

出典:薬カッター|楽天市場

ピルクラッシャーとは、日本語でいうと『錠剤粉砕器具』です。

錠剤の薬を粉状にすりつぶすことができる便利グッズで、飲みにくい錠剤の薬を細かくすることで飲みやすさをUPすることができます。

ピルクラッシャーにはさまざまなタイプがあり、器具自体の大きさや手法(つぶし方)など選べることがメリット。

力を加えずに使えるため、高齢者の方でも便利グッズとして使うことが可能です。

補助用具

出典:錠剤ダッシュ|楽天市場

上記で紹介した3つの便利グッズ以外にも、服薬補助用具と呼ばれるグッズもあります。

  • 薬のシートから錠剤を取り出す器具
  • 薬を楽に飲むためのゼリー・オブラート
  • チューブを絞る器具
  • 一人で背中に軟膏が塗れる器具

など、服薬に関するさまざまな便利グッズが販売されていて、どれも安価で購入することが可能です。

服薬で困っていることやトラブルを抱えていることがあれば、補助用具をうまく使うことで解決することも少なくないでしょう。

まとめ

高齢者の服薬に関しては、さまざまなトラブルが考えられます。

しかし、かかりつけの薬局や薬剤師に相談・依頼をしたり、便利な服薬補助用具などを使用することで、回避できるトラブルも少なくありません。

わからないことや不安なことがあれば、躊躇わずに医師・薬剤師に相談してくださいね。

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