終活

人気の樹木葬・知っておきたいメリットとデメリット

お墓への考え方が変化している近年では、以前のように『墓地に墓石を建てる』というお墓だけではなく、『自然に還りたい』『後世に迷惑をかけたくない』などという理由から、樹木葬を希望するケースが増加しています。

樹木葬専用の墓地なども増えてきていて、霊園の中に樹木葬のエリアが新設されるところも多く見受けられます。

人気の高い樹木葬ですが、樹木葬とはどのような供養方法なのでしょうか?

この記事では、樹木葬の概要やメリット・デメリットをご紹介します。

終活でお墓選びを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

樹木葬とは?

樹木葬(じゅもくそう)とは、遺骨を樹木の根元に埋葬する形式の葬儀で、通常の墓石の代わりに樹木を墓標とし、自然と一体となることを目指す埋葬方法です。

樹木葬は、環境に優しいとされ、自然との共生を大切にする考え方に基づいています。

  • 環境への配慮:樹木葬は、墓石を使用せず、自然に遺骨を返すことで、環境に優しい葬儀形式とされています。
  • 維持費の低減:墓石のメンテナンスや清掃が不要なため、長期的な維持費が低く抑えられます。
  • 自然との共生:自然の中に遺骨を埋葬することで、故人が自然の一部として存在し続けるという考え方が広がっています。
  • シンプルで美しい墓地:樹木葬の墓地は、自然の景観をそのまま保つことができ、シンプルで美しい環境が維持されます。

樹木葬は、都会の墓地不足や高額な墓石の購入を避けたいと考える人々にも人気があります。

また永代供養であることが多いため、後継者がいない人や、子どもに負担をかけたくない人にも選ばれている方法です。

樹木葬のメリット

樹木葬には、他の供養にないメリットがあります。

樹木葬の主なメリットを4つご紹介しましょう。

費用の負担が少なめ

樹木葬の最大のメリットは、費用の負担が少なめであることです。

一般的なお墓の場合は、およそ100万円~300万円ほどの費用がかかり、管理費として月1万円前後の負担も発生します。

しかし、樹木葬の相場は20万円~80万円と一般墓よりも少ない費用で供養することが可能です。

樹木葬にもいろいろなタイプがあるため、一概には言えませんが、一般墓の費用が難しいという人にも樹木葬なら…と選ばれることが多い傾向があります。

承継者が不要

樹木葬は、承継者が不要というメリットもあります。

樹木葬はほとんどが永代供養となっていて、一般墓のように改葬や墓じまいをする必要がありません。

無縁墓にならないというのは、承継者がいない人や子ども達に負担をかけたくないという人にとって、大きなメリットといえるでしょう。

宗旨・宗派不問のケースが多い

樹木葬は宗旨・宗派不問のところが多く、無宗派の人でも納骨することができます。

一般的な寺院でお墓を建てる場合は、檀家になる必要があったり、寺院の宗派で定められた供養方法に則ることが求められたりするケースがほとんどです。

しかし、樹木葬の場合は『うちはキリスト教だから』『檀家になるほどではないな…』という人でも、永代供養の方法として選択することができます。

自然と調和した環境が多い

樹木葬にはさまざまなスタイルがありますが、多くの樹木葬では自然と調和したスタイルが用いられています。

  • 木々や花々に囲まれている
  • 里山で『自然に還る』というコンセプトがある
  • ガーデニング調の美しいデザインを用いている

など、開放的で緑が多いロケーションが多いため、一般墓よりも自然と調和した雰囲気がメリットの一つです。

樹木葬のデメリット

樹木葬は人気の高い供養の方法ですが、デメリットも存在します。

デメリットを理解せずに決めてしまうと、後のトラブルに繋がることもありますので、これから紹介するデメリットもしっかりと把握しておきましょう。

粉骨する場合がある

樹木葬では、粉骨(遺骨を砕くこと)をする場合があります。

樹木葬は一般墓とは異なり、骨壺をそのまま納骨するスタイルではありません。

多くの樹木葬では、粉骨をした上で埋葬をするため、粉骨をすることに抵抗を感じる方は、樹木葬には向いていないといえるでしょう。

少人数向けの場所が多い

樹木葬のスペースは、個人用・2人用など、省スペースのスタイルが多く、一般墓のように『先祖代々』という大人数の埋葬には適していません。

また費用の面でも、少人数向けの設定となっているため、大人数で埋葬するとなると、一般墓と変わらない金額になることも考えられます。

樹木葬はあくまでも少人数向けの供養方法として理解しておくと良いでしょう。

理解されないことがある

家族・親戚に樹木葬自体を理解してもらえないことも少なくありません。

樹木葬のデメリットを重視される方にとっては、一般墓を希望することも多いのです。

『子どもに迷惑をかけたくない』と樹木葬を選択しても、実は子どもがお墓を継承したいと考えていた…というケースもあります。

樹木葬とはどういうものなのか、どんなメリット・デメリットがあるのかについて、家族とよく話し合った上で決めるようにしましょう。

遺骨の取り出しや移動ができない

多くの樹木葬では、遺骨の取り出しや移動ができません

樹木葬では粉骨した遺骨を袋に入れて、土の中に埋葬するスタイルが多くなっています。

『樹木葬で埋葬したけれど、お墓を建てたから移動させたい』となった場合でも、土に還る前提で埋葬しているため、遺骨の取り出しは不可能です。

分骨を検討している方なども、埋葬前に行う必要があるので、注意しましょう。

樹木葬を選択するときのポイント

樹木葬を選択した場合は、情報収集を行う必要があります。

樹木葬のメリット・デメリットを理解した上でどんな点に注意すべきなのか、3つのポイントをご紹介しましょう。

樹木葬のスタイルを理解する

樹木葬にはさまざまなスタイルがあります。

  • 個別埋葬型
  • 集合埋葬型
  • 合祀型

また霊園によっても

  • ガーデニング風
  • 日本庭園風
  • 里山風

など、コンセプトが異なります。

同じ樹木葬といっても、スタイルもコンセプトも異なる複数のパターンがあるため、まずは希望する樹木葬がどんなスタイルなのかを明確にしておくことがポイントです。

複数の樹木葬を比較検討する

前項でご紹介したように、樹木葬にはさまざまなスタイルやコンセプトが存在します。

近年では樹木葬の資料請求を一括でできるサービスや、自分の希望のスタイルの霊園を検索できるサイトなどもあるため、できるだけ複数の樹木葬を比較検討することが大切です。

ここ数年で樹木葬のスタイルは多様化しています。

ある程度の希望が固まったら、少しずついろいろな樹木葬の情報を収集してみましょう。

予算を明確にする

樹木葬を検討する際には、予算を明確にすることも大切です。

樹木葬は一般墓よりも費用が抑えられるというメリットがありますが

  • 人数
  • 地域
  • 管理方法
  • 埋葬料

などによっては、一般墓と変わらない価格帯になってしまう可能性もあります。

樹木葬として考えている費用(予算)はいくらなのかを明確にして、予算に合ったスタイルの樹木葬を選ぶようにしましょう。

まとめ

供養の方法が多様化している現代では、一般墓以外のお墓も注目されています。

しかし、どの供養方法にもメリットとデメリットが存在し、それぞれの価値観によって選択肢は変わるはずです。

今回は樹木葬に関する情報をご紹介しましたが、供養の方法は他にもあります。

自分や家族の希望する供養の方法は何なのか、一番大事にしたいコトは何なのかをしっかりと見極め、最適な供養の方法を見つけることが求められています。

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