介護にはさまざまな方法があり、大きく分けると在宅で行う介護と施設で行う介護に分けられます。
施設での介護サービスは、在宅介護と併用して利用できるものもありますが、家族がもっとも頭を悩ませるのが、在宅での介護か、施設への入所かということではないでしょうか?
要介護者の希望を最優先することはもちろん、各家族の状況によって答えは変わってきます。
この記事では、在宅介護か介護施設への入所かを考えるときに知っておきたいポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
介護を考えるときの悩みとは?

介護を考えるときの悩みはさまざまです。
- 経済的な負担
- 仕事・育児・家事との両立
- 身体的・精神的な負担
- 介護サービスの選択
- 家族との関係
などが考えられますが、介護を行う場所も課題の一つになります。
在宅で介護を行うのか、施設への入所を検討するのか。
要介護者や家族の状況によって選択肢が限られてしまうケースもありますが、どちらの選択が双方にとってベストな選択になるのかを悩む可能性は非常に高いものです。
介護者の希望を優先できることがベストですが、状況によっては施設入所を検討しなければいけないこともあります。
在宅介護のメリット・デメリット

公益財団法人 生命保険文化センターの調査では、在宅で介護を受けている人は約425万人、施設利用者は約97万人と報告されていて、圧倒的に在宅介護の割合が多くなっています。
在宅介護を行う際に知っておきたいメリットとデメリットをご紹介しましょう。
在宅介護のメリット
在宅介護には主に下記のようなメリットがあります。
- 家族との距離が近い
- 生活習慣の維持が可能
- 費用の柔軟性が高い
- 施設と比較すると自由度が優先されやすい
在宅介護の最大のメリットは、慣れ親しんだ家庭環境で過ごせるため、要介護者が安心感を得られることです。
家族との距離が近く、コミュニケーションを取りながら日常生活を送ることで、精神的な安定や満足感を得やすくなります。
また、生活習慣を維持しやすく、食事や生活リズムを個々のニーズに合わせられる自由度の高さも魅力といえるでしょう。
在宅介護のデメリット
在宅介護にはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。
- 家族の負担が大きくなりやすい
- 緊急時の対応が遅れるリスクがある
- スペースやプライバシーの問題が発生しやすい
- 介護者が孤立感を感じやすくなる
在宅介護のデメリットは、家族への負担が大きくなりやすいことです。
特に24時間の介護が必要な場合、家族が心身ともに疲弊し、介護疲れやストレスの蓄積が深刻な問題となる可能性が高くなります。
自宅の環境を介護に適したものにするため、バリアフリー化や介護用設備の導入といったコストがかかることもデメリットです。
家族が介護中心の生活になることで、仕事や社会的活動が制限され、介護者が孤立感を抱くことも少なくありません。
介護施設のメリット・デメリット

厚生労働省の調査では、介護施設への定員に対する入所申込者数は3.4倍、平均して1ヶ月以上の待機期間があることが報告されています。
地域や施設によっては介護施設に入所したいといってすぐに入所できる状況ではありませんが、介護施設へ入所するメリットとデメリットをご紹介しましょう。
介護施設のメリット
介護施設には以下のようなメリットがあります。
- 専門的なケアを受けることができる
- 家族の負担が軽減する
- 設備が充実している
- 社会的交流の場が持てる
介護施設のメリットは、専門的なケアを受けられることです。
医療やリハビリの専門スタッフが常駐しており、要介護者の健康状態や介護ニーズに応じた適切なサポートを提供してもらえます。
緊急時にも迅速な対応が可能で、安心して過ごせる環境が整っていることは家族や要介護者の安心につながるでしょう。
施設内はバリアフリー化され、専門的な設備が充実しているため、安全かつ快適に生活できるのも大きなメリットです。
介護施設のデメリット
介護施設での生活には、在宅とは違ったデメリットが存在します。
- 費用がかかる(高い)
- 慣れ親しんだ家庭を離れるストレス
- 利用者一人ひとりの生活習慣や希望に十分対応できない
- 家族との関係性が希薄になる
介護施設のデメリットとしては、費用の高さが挙げられます。
施設の種類やサービス内容によっては、月々の利用料が家計に大きな負担となり、長期的な利用で経済的負担が増えることが課題です。
要介護者にとっては家庭を離れる心理的負担が大きく、新しい環境に適応できずにストレスや孤独感を感じることもあります。
家族との距離が生じる可能性もあり、面会の頻度やタイミングが制約されることで、家族との絆が希薄になりやすいこともデメリットの一つ。
介護度によっては施設入所がやむを得ないこともありますが、デメリットが存在することを理解しておきましょう。
在宅?施設?どちらを選ぶべきかのポイント

在宅介護と施設入所を検討するときのポイントには、以下のような点を考慮する必要があります。
| 健康状態 | ●要介護者の身体的・精神的な健康状態を評価 ●どの程度の介護が必要か |
| 介護の必要度 | ●日常生活のどの部分で支援が必要か ●専門的な医療が必要か |
| 家族の状況 | ●家族の介護能力・負担感 ●在宅でのサポートが可能か |
| 経済的要因 | ●在宅介護と施設入所のコストの比較 ●予算はどの程度か |
| 生活環境 | ●在宅での安全性や快適さはどうか ●施設の環境や雰囲気は合うか |
| 社会的なつながり | ●どちらが社会的な交流を促進するか ●孤立感を避けられるか |
| 将来の見通し | ●要介護者の将来的な介護ニーズの変化を予測 ●柔軟な対応が可能な選択肢か |
在宅介護か施設入所を選ぶ際には、要介護者と家族の状況を総合的に検討することが重要です。
要介護者の身体的・認知的な状態や医療ケアの必要性を確認し、家庭環境で対応できるかを判断しましょう。
家族の介護負担を考慮し、仕事や生活と両立できるか、精神的・身体的に無理がないかを見極めます。
経済的な面も大きなポイントで、在宅介護では訪問介護や住宅改修費、施設入所では初期費用や月額料金を比較し、経済的な負担を賄えるのかどうか検討することがポイントです。
介護が短期か長期かも考慮し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
在宅介護が向いている人の特徴

在宅介護が向いている人は、以下のような特徴を持った人です。
- 自立度が高く基本的な日常生活動作(ADL)を自分で行える
- 医療的ケアが必要なく見守りや一部の介助で済む
- 家族が介護を支えられる体制がある
- 移動や生活が安全にできる環境が整っている
- 訪問介護・デイサービスなどが充実した地域に住んでいる
- 医療機関が近く緊急時に迅速に対応できる
在宅介護が向いている人の特徴は、軽度の介護が必要でも自立した生活が可能であることです。
家族や友人からのサポートが得られ、安全な生活環境が整っているかどうかが重要なポイントになります。
また、医療的なケアが少なく、心理的に自宅での生活の方が安心できるという人に適しているでしょう。
経済的に在宅介護を続けられる余裕があることも大切です。
介護施設が向いている人の特徴

介護施設には在宅介護にはないメリットがあります。
介護施設での生活が向いている人の特徴をピックアップしましょう。
- 介護度が高く24時間の介護や見守りが必要な場合
- 専門的な医療処置や定期的なリハビリが欠かせない場合
- 認知症による徘徊や夜間の見守りが必要で自宅での対応が難しい場合
- 家族が介護の時間を確保できない場合
- 自宅で介護設備を整えるのが難しい場合
介護施設が向いている人の特徴は、より専門的な介護や医療的サポートが必要なことです。
介護度が高く、日常生活の多くに支援が必要なケースに適しています。
また、家族が介護負担を抱えており、これ以上の対応が難しい場合や、自宅がバリアフリーでないなど介護環境が整っていない場合も検討が必要です。
施設では、24時間体制での介護や医療サービスが受けられ、社会的な交流が促進される環境が整っているため、社会的孤立をする可能性のあるケースも向いているといえるでしょう。
最適な介護方法を見つけるために

最適な介護方法を見つけるためには、本人と家族の状況を総合的に見極めることが重要です。
要介護者の身体的・精神的状態や介護ニーズを把握し、医療ケアの必要性や希望を確認します。
家族の負担や生活状況、経済的な余裕を考慮し、無理のない選択をすることが大切です。
在宅介護と施設入所のメリット・デメリットを比較し、短期・長期の視点から最適な方法を検討しましょう。
最終的には要介護者と家族が話し合い、プロセスを丁寧に進めることで、双方にとって最善の介護方法を選ぶことが可能になります。

