病気・症状

高齢者の健康状態が舌で分かる?舌診について解説!

健康状態を簡単で簡易的に把握する方法として、バイタルサインの測定があります。

バイタルサインとは、体温、血圧、脈拍、呼吸等で、身体の生命活動を示す指標で、生命兆候とも呼ばれます。

看護師や医師は勿論、一般の方でも簡単に測定できるので健康状態を理解するために覚えておきたいものです。

今回は、バイタルサイン以外に、高齢者の健康状態を把握できる別の『舌診』について解説します。

バイタルサインとは

様々な健康問題・慢性疾患を抱えている高齢者は多いため、定期的なバイタル測定は健康状態を評価する上で重要です。

多くの高齢者は病気や怪我による合併症のリスクが高く、急速に悪化する場合があるため、バイタルサインの異常は重大な問題の兆候となることが少なくありません。

定期的なバイタル測定は、急激な変化を早期に発見して医療を受けたり、治療効果の監視や調整のためにも重要だと言われています。

特に、薬物治療を受けている高齢者は、血圧や脈拍の変化が副作用や薬物相互作用の早期警告となる場合があります。

画像引用

認知症のある方は、体調不良や異変への自覚が乏しくなりがちです。

デイサービスやショートステイなどの専門スタッフ(看護師)が、正確なバイタル測定と結果を理解したサポートを行うことが望ましいです。

日々の数値を記録として残しておくことで、高齢者本人やその家族も安心した生活を送ることができます。

高齢者の健康状態は生活の質に直接影響があるため、異常を早期に発見し、適切に治療やケアをおこなうことで、より快適で健康的な生活を送れます。

舌診は医師が行う四診

四診とは、文字の通り『四つの診察』という意味です。

■聴覚と嗅覚で観察する「聞診」

■患者の訴えや症状の背景を聞く「問診」

■目の結膜の色やお腹、脈拍など身体を触って判断する「切診」

■患者さんの様子と舌の状態を見る「望診(舌診)」

の以上になります。

医師にまず舌を見られたという経験がある方も多いと思いますが、東洋医学では、身体の状態を調べるときに舌を見ることが基本の一つになっています。

なぜ舌で健康状態が分かるのか

舌は脾臓(ひぞう)や胃に繋がっています。

そのため、身体の不調がサインとなって現れやすい部位なのです。

さらに、粘膜で覆われ血管がたくさん通っているので、血流や体内の水分量の変化がわかりやすいとも言われています。

東洋医学的に、肝・心・脾・肺・腎の5つの臓腑を表す『五臓』という言葉があるのをご存知でしょうか?

そのなかでも『脾(脾臓)』は、胃の左側にあり食事の消化吸収などをつかさどる臓器です。

東洋医学では、生命活動を営む根源的なエネルギーを『気血水(きけつすい)』と名付け、気(エネルギー)と血液と水分の三つがうまく循環しているのが正常な状態だと考えます。

脾臓は、この気血水の流れを作り出す臓器でもあるのです。

舌診は舌苔と舌質がある

医師が舌診でチェックするポイントは大きく分けて2つあります。

それは・・・

①舌苔(ぜったい)

②舌質(ぜつしつ)

です。

舌質とは、表面の色と形、裏側の舌下静脈の状態のことです。

舌苔は、解剖学的にいうと「舌乳頭(したにゅうとう)」と呼ばれる舌の表面にあるぷつぷつした突起に、上皮細胞や食べかすが付着したものです。

舌診では、医師が舌苔の色、乾燥度合い、厚み、形に異常がないかを調べます。

患者の方は、舌の出し方にも注意が必要とされています。

時折、少ししか舌を出せない患者さんがいますが、そうした場合は緊張で身体が強張っていたり、気分が落ち込んでいたりすることが多いため、症状の原因を考えるときに重要なことになります。

健康的な舌とは

正常な舌の状態は、薄い舌苔があり、舌全体が前歯の裏側に収まっていることです。

舌苔は喫煙や乾燥によって増え、食物繊維の多いものを食べると自然と薄くなります。

「口臭の原因になるのではないか??」といった誤解から、舌ブラシなどでしっかり洗ってしまう高齢者や介護者がいます。

しかし、寝たきりで唾液が出ない場合などを除いて基本的にはクリーニングをする必要はないと言われています。

「舌苔」は身体の状態を知るためには大切な存在ですので、無理に除去して異変を見逃すことのないようにしましょう。

舌下で分かる瘀血(おけつ)

瘀血とは、血液の流れが滞った状態を指します。

東洋医学では・・・

「気」「血」「水」がバランスよく全体にいきわたっている状態が最も良く、生命を健やかに維持している状態だと考えられています。

※ここで言う「血」とは、血小板や白血球赤血球などからなる、血液 だけではなく、血液や体液やそこに含まれる栄養素なども含んでいます。

いつもは滞りなく行きわたる「血」が何らかの原因で流れが悪くなり、滞ることによって瘀血を起こしている状態になるのです。

血の流れが悪く、毛細血管まで血が行きわたりにくいため、手先・足先といった末端部分がとくに冷えているのが特徴で、高齢者もこのような状態になるのです。

体の冷えと同時に、若い女性では生理痛・肩こり・頭痛などの症状を訴える人が多くなっています。

さらに、血の流れが悪いので、皮膚に必要な栄養・酸素が不足気味。

ターンオーバーの周期も乱れるため、肌のくすみ・しわ・シミ・吹き出物などができやすくなります。

舌の裏側が紫色になっていると、血液の流れが滞っているサインです。

まとめ

舌診は医師が医療の専門知識を活用して、健康状態を把握するものです。

一般の人はできるものではありませんが、「舌を見せて下さい」と言われることがあれば、それは診察のひとつなのです。

バイタルサインを測定することは、高齢者本人や家族が手軽に行える健康管理の一つですので、まずは日々の血圧等の把握を行うことにより、正常値と異常値の判断ができるでしょう。

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