総務省の調査によると、2021年の情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.3%、その内数である「スマートフォン」は88.6%と報告されています。
今や高齢者にも欠かせないツールとなっているスマートフォン。
しかし、スマートフォンの利用にはさまざまなセキュリティリスクがあり、特に高齢者の使用には注意が必要です。
この記事では、高齢者がスマートフォンを利用する際のセキュリティリスクや、その対策についてご紹介します。
高齢者のスマートフォン普及に関する現状

近年では高齢者のスマートフォン普及率が非常に高くなっています。
NTTドコモモバイル社会研究所の調査をもとに、高齢者のスマートホン普及率の現状をご紹介しましょう。

引用:【シニア】70代のスマホ所有率さらに増加し8割を超える(2024年3月18日)|NTTドコモ モバイル社会研究所
この調査では60代で91%・70代で83%・80代でも62%の高齢者がスマートフォンを利用していると報告されています。
確かに、高齢者の生活にスマートフォンは非常に便利なツールです。
しかし、実際にスマートフォンを利用するなかで、高齢者がトラブルに遭うことも少なくないことを理解する必要があります。
高齢者が直面するスマートフォンの主なセキュリティリスク

高齢者は『デバイスを持っていても使い方がわからず使いこなせていない』=いわゆるデジタル弱者になってしまうことが多く、他の年代の人よりもトラブルに遭う確率も高くなりがちです。
高齢者が直面するスマートフォンのセキュリティリスクについて、5つのポイントをご紹介します。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、本物そっくりの偽サイトやメールを使って個人情報を盗む手口のことです。
銀行や通販サイトを装ったメッセージに騙され、IDやパスワードを入力すると、不正利用される可能性があります。
ウイルスやマルウェア感染
不審なアプリのインストールや危険なリンクのクリックにより、スマートフォンがウイルスやマルウェアに感染するリスクも少なくありません。
感染したことにより、個人情報の漏えいや端末の乗っ取りが発生する可能性があります。
パスワードの使い回し
複数のサービスで同じパスワードを使い回すと、一つのサイトで情報が漏れた場合に、他のアカウントも乗っ取られるリスクがあります。
特に高齢者は覚えやすいパスワードを使いがちですが、可能な限り異なるパスワードを設定することを心がけなければいけません。
公共Wi-Fiの利用リスク
無料の公共Wi-Fiは便利ですが、暗号化されていない場合、通信内容が盗み見られる危険性があることを理解しておきましょう。
特に、銀行取引・オンラインショッピングなどの個人情報を扱う操作を行うと、情報が流出する可能性があります。
偽アプリや偽サイトのトラップ
公式ストアに似せた偽アプリや、検索結果に紛れ込む偽サイトを誤って利用すると、詐欺被害や個人情報の流出につながります。
特に、無料サービスを装ったアプリには注意が必要です。
高齢者のスマホセキュリティを守るための基本対策

高齢者はスマートフォンを使いこなせないことも多く、他の年代の人よりもセキュリティリスクにさらされているケースがあります。
高齢者をスマートフォンのリスクから守る基本対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
フィッシング詐欺への対策
高齢者がフィッシング詐欺の被害に遭わないためには、2つの基本的な対策が必要です。
- 不審なメールやSNSのリンクを開かない
- 送信元のメールアドレスを確認する
まず、不審なメールやSMSのリンクを開かないことが重要です。
特に、銀行や通販サイトを装ったメッセージは注意が必要で、公式サイトのURLを直接入力してアクセスする習慣をつけましょう。
また、送信元アドレスの確認も有効な対策の一つです。
不審なアドレスや、不自然な日本語の文章が含まれている場合は詐欺の可能性があります。
安易にURLをクリックしたり、確認せずにサイトを開いてしまうことのないように、日頃から注意しましょう。
ウイルス感染防止
高齢者がスマートフォンやパソコンのウイルス感染を防ぐには、公式ストア以外からアプリをダウンロードしないことが重要です。
Google PlayやApp Store以外の不審なサイトからアプリを入手すると、ウイルスやマルウェアに感染するリスクが高まります。
また、不審なリンクや添付ファイルを開かないことも大切です。
メールやSMSで送られてくる怪しいリンクを不用意にクリックすると、ウイルスに感染する可能性があります。
送信元が不明なメッセージは開かず、公式サイトで情報を確認しましょう。
強固なパスワード設定
高齢者が安全にスマートフォンを利用するためには、強固なパスワードの設定が不可欠です。
推測されやすい単純なパスワード「123456」「password」「誕生日」などは絶対に避けてください。
代わりに、英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたパスワードを設定しましょう。
また、複数のサービスで同じパスワードを使い回さないことも大切です。
一つのサイトで情報が漏れると、他のアカウントも乗っ取られるリスクがあるため、パスワードを管理するのが難しい場合は、パスワード管理アプリなどを活用してみてください。
公共Wi-Fiを利用しない
スマートフォンを安全に利用するためには、公共Wi-Fiの利用を避けることも重要です。
公共Wi-Fiは駅やショッピングモールなどで無料で提供されており、非常に便利ですが、暗号化されていない場合、通信内容が盗み見られるリスクがあります。
特に、オンラインバンキングやショッピングで個人情報やクレジットカード情報を入力すると、不正利用される危険があります。
スマートフォンの自動接続設定をオフにすることで、不正なWi-Fiに勝手に接続されるのを防ぐことが可能です。
アプリのインストールやダウンロード時の注意点
アプリのインストールやダウンロード時にも注意が必要です。
基本的には公式ストア(Google PlayやApp Store)以外からアプリをダウンロードしないようにしましょう。
信頼できないサイトや広告経由でアプリを入手すると、ウイルスやマルウェアに感染するリスクがあります。
また、アプリをインストールする前に、開発元やレビューを確認してください。
評価が極端に低いものや、不自然な日本語のレビューが多いアプリは避けるべきです。
特に「無料」「便利」などと強調するアプリには注意しましょう。
高齢者のスマホリスク・家族がサポートできることは?

高齢者のなかには、スマートフォンを使いこなせていない人も多く、デジタル機器に苦手意識を持っている人も少なくありません。
高齢者の安全なスマートフォンライフは、家族がサポートする必要もあるのではないでしょうか?
家族がサポートすることで回避できるポイントをご紹介しましょう。
スマホの初期設定をサポート
高齢者がスマートフォンを安全に利用できるようにするためには、セキュリティ設定を適切に管理することが大切です。
例えば、スマホのOSやアプリを定期的にアップデートし、最新のセキュリティ対策を適用するなど、理解できない部分をサポートしてあげてください。
信頼できるセキュリティソフトをインストールし、ウイルスや不正アクセスを防ぐ環境を整えることも重要です。
さらに、画面ロックの設定・二段階認証の有効化などをサポートすることで、不正なログインや個人情報の漏えいを防げるでしょう。
フィッシング詐欺や不審なメッセージの対策
高齢者は詐欺メールや不審なSMSを見抜きにくいものです。
フィッシング詐欺の手口を教え、実際に不審なメッセージが届いたときに相談できる環境を作ることが重要になります
「銀行や宅配業者を装ったメールに注意する」「不審なリンクは開かず公式サイトを直接訪問する」といった基本的な対策を繰り返し伝えましょう。
迷惑メールのフィルタ設定・怪しい番号からの着信拒否設定を手伝うのも有効です。
パスワード管理のサポート
高齢者が覚えやすい単純なパスワードを使い回すのを防ぐため、安全なパスワードの作成と管理をサポートしましょう。
「誕生日」や「123456」などの簡単なものは避け、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたパスワードを設定するのを手伝ってあげてください。
また、パスワード管理アプリを活用することで、パスワードを忘れる心配を減らすことができます。
重要なアカウントには二段階認証を設定し、不正アクセスを防ぐよう支援してあげることも必要です。
不要なアプリや設定の管理
スマートフォンには不要なアプリや危険なアプリがインストールされている場合があります。
定期的に一緒にスマホをチェックし、不要なアプリを削除することで、安全性を高められるでしょう。
また、高齢者が誤って高額課金をしてしまわないよう、アプリの購入制限を設定するのも有効です。
アプリのアクセス権限を確認し、不要なものは制限することで、個人情報の漏えいリスクを減らせます。
高齢者の安全なスマートフォンライフを目指して

高齢者がスマートフォンを安全に利用するためには、基本的なセキュリティ対策を理解し、適切に実施することが重要です。
家族や周囲の人がサポートし、定期的にスマホの設定やアプリの管理を見直すようにしましょう。
高齢者が不審なメッセージを受け取った際にすぐ相談できる環境を作ることが、被害を防ぐ鍵となります。
高齢者の安全なスマートフォン利用のために、日頃から意識し、対策を習慣化することがポイントです。

