病気・症状

経験から…アルコール認知症とは?治る認知症?

アルコールを過度に飲み過ぎると、良いことはありません。

例えば・・・

■ 急性アルコール中毒

■ 肝臓病

■ 膵臓病

■ 循環器疾患

■ メタボリックシンドローム

■ 糖尿病

アルコールに関連して発症する病気を挙げればいくらでもあります。

呑めない人は全く飲めませんが、好きな人は水を飲むようにグイグイ飲むことも珍しくないでしょう。

上記には書いていませんが、認知症によって『アルコール認知症』という病気もあるのです。

今回はアルコール認知症を相談支援した私の経験を活かして、この記事を書かせて頂きます。

アルコール依存症について

本題に入る前に『アルコール依存症』について触れたいと思います。

アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。

飲むのはよくないことだとわかっていても、脳に異常が起きて飲むことをやめられなくなります。

その意味では、アルコールは麻薬や覚せい剤と同様の依存性の薬物の一種だともいえます。

またアルコール依存症は本人の意思の弱さによって起きるものではなく、医療機関で治療が必要な病気であるともいえます。

アルコール依存症は高齢者でも罹患する可能性はありますので、家族は適量を飲んでいるか観察しておく必要があります。

アルコール認知症とは

アルコールの多量摂取は身体に影響するだけでなく、脳にも影響を及ぼしてしまのうです。

アルコールを多量に飲み過ぎることで、脳は萎縮するのではないかと考えられているからです。

アルコール性認知症

画像引用

『アルコール認知症』とは、アルコールを多量に飲み続けたことにより、脳梗塞などの脳血管障害や、ビタミンB1欠乏による栄養障害などを起こし、その結果生じる認知症です

左=健康な60代男性の脳。右=多量の飲酒を続けた60代男性の脳。健康な脳と比較して萎縮しているのが分かる(いずれも松井敏史医師提供)

画像引用

アルコール依存傾向の人は若い人の場合でも認知機能の低下などの傾向がありますが、高齢になると物忘れや認知症の割合が高くなるといわれています。

アルコール認知症の症状

アルコール性認知症の具体的な症状は以下の通りです。

症状が進行すると、(アルコール認知症以外の)認知症と同様に、認知機能障害が見られるようになります。

歩行時のふらつき、手の震え

歩行が不安定になり、何かにつかまらないと歩けなくなったり手が震えたりします。


注意力の低下、記憶力の低下

生活に支障が出るほどの記憶力の低下がみられるようになります。

感情のコントロールがうまくいかない

些細なことですぐに怒ったり暴力をふるう、行動の抑制もできなくなり物を盗ったり人のものを勝手に食べてしまったりするなどの行為が生じます。


見当識障害(日時、場所がわからない)

自分がいる場所や、今日は何日の何曜日か分からなくなってしまいます。

作話(実際には体験していないことをあたかも本当のように話す)

作話は記憶障害の一種で、記憶が欠落した部分を補うために覚えているものを繋ぎ合せて埋め合わせようとして起こるものですので、嘘をつこうとしているわけではありません。

また認知症にアルコール依存症を合併している場合は、うつ症状や幻覚が現れることもあります。

うつ状態のため意欲がなくなり、趣味や好きなテレビ番組であっても興味を示さなくなったり、逆に興奮しやすく攻撃的で暴力がみられたり、幻覚が見えたりする場合もあります。

アルコール認知症の治療

アルコール中毒のイラスト

治療に関しては、家族や自分一人で取り組むことは難しいでしょう。

その大きな理由の一つとして、認知機能の低下によって、自分自身を上手くコントロールできないことがあります。

多くの場合、精神科等の専門医の受診を受けて、薬物療法と並行して生活習慣を見直す必要があります。

治療の種類

断酒

まずはお酒を断つことです。

アルコールが原因ですから、アルコールを断つことが有効です。

アルコール依存症に伴う認知症の場合には長期間の断酒によって認知機能や物忘れが改善することもあるといわれています。

ただアルコール認知症以外の認知症を併発している場合は、症状の改善は難しいケースが多いです。

自分で断酒することが難しい場合は治療施設への入院や自助グループへの参加などを視野に入れることも大切です。

薬物療法

アルコールを求める気持ちを抑える薬、アルコールの分解を阻害し受け付けなくなる薬などが処方されます。

主に精神的で処方されることが多いです。

食事療法

アルコールの多量摂取によって、脳はビタミンB1、B2、B12、葉酸などの栄養素が不足している状態です。

これらを豊富に含んだ、栄養バランスの良い食事を摂取する必要があります。

生活リズムや生活スタイルの改善

早寝早起き、規則正しい生活、運動やスポーツを始める。

また自宅ではどうしてもお酒を飲んでしまう場合は、外出する機会を増やすなどの工夫をして、アルコールに手を出さない、口にできない生活スタイルへ切り替えるようにする必要があります。

症状が酷い場合には入院も・・・

認知機能の低下が目立ち、病院を受診すると『アルコール認知症』の診断を受けて、そのまま入院となるケースもあります。

アルコール認知症は、アルコールを飲む続けている限りは改善は難しく、このような状態になる人は、相当な量のアルコールを朝から飲んでいることも予想できます。

そうなると日常生活に著しく支障がでて、時には交通事故の加害者や被害者のなることも珍しくありません。

ここまでなると家族の手には追えなくなり、入院して完全にアルコール断ち切るような治療をする必要があるでしょう。

時には禁断症状等も出て辛いように見えますが、治療の一環なのでそれを受け入れて対応するしかありません。

治療により治るのか

画像引用

上記のような治療の段階があります。

ステップ4には、再摂取時の対処法と予防、家庭内問題への対処などに着眼し、断酒の継続とともにストレス対処行動の獲得、家族の回復、生活の安定化などを目指します。

医師のもと治療を行えば、酷く症状がでていたピーク時よりも随分改善されることが期待できるでしょう。

しかし、100%以前と同じような生活に戻ることは難しいと考えられます。

繰り返しますが、二度とアルコールに手を出さない環境をつくることが重要になります。

よって高齢者の場合であれば、改善されたとしても介護保険施設などに入所するなどして、一定の決められたルールの中で生活することが必要になってきます。

改善できたら老健入所がおすすめ

介護施設の送迎のイラスト

一旦治療が終わり、症状が落ち着いたら『老健』への入所がおすすめです。

治療が終わり、ある程度改善された段階ですぐに、特養やグループホームの受け入れは難しいでしょう。

それは医師が常勤でなく看護面でどうしても手薄になるからです。

私は、老健の入所が適していると考えます。

しかも入所後も治療をした病院と連携を取ってくれて、何かあった際には対応してくれるような施設が望ましいと思います。

老健は医師が常勤勤務ですので、外部との医師との連携も迅速に行うことができます。

また施設によっては、精神科を母体としているとこともあるので、同法人内での共有がしやすいでしょう。

老健に一旦入所し、ある程度状況が安定したことを確認できたら、次の施設である特養やグループホームに移るということもできるでしょう。

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