これまでの記事では、スマホを使いこなせるようになれば、高齢者にとって視野が広がるしとても便利なものである事をお伝えしてきました。
なかには、自分好みのアプリをダウウンロードし、スマホを上手く使いこなしている高齢者も少なくはないでしょう。
さらに、動画配信サービス等を利用すれば、趣味などの広がり無限の可能性を持つことになります。
そんななか、常にスマホが近くにないと落ち着かないという人が少なからず存在することも事実です。
若者だけと思っていましたが、このような現象は高齢者にも起きていることが最近分かり始めました。
今回は、高齢者のスマホ依存症について解説します。
スマホ依存症とは

スマホ依存とは、「スマートフォンの使用を続けることで昼夜逆転する、成績が著しく下がるなど様々な問題が起きているにも関わらず、使用がやめられず、スマートフォンが使用できない状況が続くと、イライラし落ち着かなくなるなど精神的に依存してしまう状態」のことを指します。
スマホはこれまでの携帯電話以上に機能が増えており、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やGPS(グローバルポジショニングシステム)、オンラインゲームや動画視聴などが手軽に行えるようになっており、とても便利なツールです。
また、スマホは持ち運びが容易であり、様々な場所で使用できます。
このためスマホ依存の人は、学校でも布団の中でも一晩中スマートフォンを手放せない状態になってから、家族や周囲の人に気付かれることが多いのです。
高齢者のスマホ依存症の症状と悪影響
スマホ依存症の症状
高齢者の場合、以下の症状があればスマホ依存症かもしれません。
◼︎ スマホが手元にないと落ち着かない
◼︎ 一日中スマホに関することを考え、どうしても触ってしまう
◼︎ メールやSNSを必要以上にチェックする(すぐに返信しないといけないと考えてしまう)
◼︎ 何気なくネットサーフィンや動画視聴をしていたら、気付くとかなりの時間が経ってしまっている
◼︎ 気付いた時にはおこづかい以上に課金していた
スマホ依存症の悪影響
依存状態にある人の脳の画像研究では、自分や相手の感情の読み取りに関わる部分、注意力、記憶力などの認知機能に関わる部分、などが萎縮するといわれています。
脳の発達途上にある思春期・青年期では、さらに影響が大きいと考えられています。
その年代でスマホ依存に陥ると、膨大な時間が失われ、豊かな体験や学習する機会を失ってしまいます。
また、脳だけでなく体への影響としては、肥満、視力の低下、腰痛、頭痛の原因となるだけでなく、熱中するあまりエコノミークラス症候群になってしまうこともあり、命にかかわる状態になることがありますので、高齢者にとったら大きな問題です。
先述しましたが、スマホはとても身近なものとなっており、ゲームやSNSなど便利な機能がつき簡単に楽しみが得られ、興味や関心が刺激され続けた状態となり、さらなる楽しみを求めて長い時間使用したくなり、やがて自分の力ではやめられなくなってしまう依存状態に至ります。
依存状態が長引くと深刻な引きこもりに至ることがあり、このためスマホ依存は速やかな治療が必要です。
スマホ認知症とは
スマホ認知症では、スマホの過度な使用による「脳過労」が原因で、認知症に似た症状が現れます。
具体的には、以下のような症状が現れるとされています。
・記憶力・集中力の低下
・注意力散漫
・言語障害
・遂行実行機能の低下
・コミュニケーション能力の低下
・企画力・創造力の低下
・生活意欲の低下
・体調不良・情緒不安定
なぜスマホの使い過ぎで、脳機能の低下が生じるのでしょうか?
人の脳は情報を処理するとき・・・
① 情報を取り入れる(入力)
② 取り入れた情報を整理整頓すること(整理整頓)
③ 最後に必要な情報を取り出す(取り出し)
というメカニズムをたどります。
しかし、スマホを使い過ぎると、脳に過剰な量の情報が入ってくることで、脳が取り込んだ情報を適切に処理することができなくなります。
これを「脳過労」といい、スマホ認知症を引き起こす要因の1つといわれています。
また、最近では1日2時間以上スマホを使用する人は、スマホ認知症に注意が必要であるといわれています。
特にコロナ禍では、1人で家にいる時間が長かったことから、スマホをずっと見ていたという方も多いと思います。
スマホ認知症は治らないのか
一般的に、認知症は一度発症すると完治させることが困難であるとされているため、「スマホ認知症も治らない」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
一般的な認知症とは異なり、『スマホ認知症』は治るとされています。
何らかの原因によって脳の神経細胞が破壊されることで発症しますが、スマホ認知症は、スマホの見すぎによる脳過労によって、認知機能に支障が出ているだけだからです。
スマホ認知症のチェックリスト
まずは、以下のチェックリストを確認してみましょう。
□ もの忘れが増えた
□ 名前がすぐに出てこない
□ 何かを取りに来て目的を忘れる
□ 約束を度忘れする
□ 3日前何をしていたかを思い出せない
□ 話題のニュースを3つ挙げられない
□ 最近漢字が書けなくなった
□ 最近簡単な計算を間違える
□ 検索すれば分かることは覚えない
□ スマホに頼り道を覚えられない
上記のチェックリストに当てはまる数が多いほど、スマホ認知症の可能性があります。
チェックリストの項目に加えて、1日2時間以上スマホを利用している方は、さらに注意が必要です。
スマホ認知症の対策方法7選

では、どのようにスマホ認知症の対策をすればよいのでしょうか。
スマホ認知症の対策としては、スマホの使用時間を少なくして1日に取り入れる情報量を減らすことが大切です。
そこで、スマホ認知症の対策として、スマホの使用時間を減らす方法を以下で7つ紹介します。
スクリーンタイムを確認する
スマホで、使用時間を確認できる「スクリーンタイム(iPhoneの場合)」や「デジタルウェルビーング(Androidの場合)」という機能を利用して、自分がスマホをどのくらい使っているのかを把握することができます。
これにより、自分で現在どれくらいスマホを使用しているのかを可視化することができ、使用時間の短縮に向けた改善を進めるきっかけになります。
通知とバイブレーションをオフにする
重要性の低いアプリからの通知でも、通知が来ると気になってスマホを見てしまい、途中で集中力が切れてしまうことがあると思います。
そこで、電話やメールなどの重要度が高いアプリ以外の通知を完全にオフにします。
そして、1時間単位など自分が決めた時間で、アプリを確認することで、スマホを見る回数を減らしていきます。
スマホ画面をグレイスケール(白黒)にする
スマホの画面をカラフルなものから白黒にすることで、スマホを見ることの魅力を減らすことができます。
カラフルな画面は脳に強く刺激を与え、それが依存の原因になります。
しかし、画面を白黒にすることでその刺激が減り、スマホを見る時間が自然と減ります。
アプリを整理する
スマホにインストールされているアプリを削除するもしくは隠すことで、スマホの利用回数を減らします。
長い間使っていないアプリを削除したり、頻繁に開いてしまい多くの時間を割いているアプリを思い切って削除してみるのも効果的です。
また、アプリをフォルダや別のページに隠すことで、アプリを利用する際に手間ができ、利用頻度が減少します。
見えない場所にスマホを置く
スマホを常に視界に入れて置くと、つい手が伸びてしまいます。
そのため、スマホを見えない場所に置くようにしましょう。これにより、スマホを手に取る機会が減ります。
ベッドに入る前には別の場所に置いて、遠ざけることもすれば良いでしょう。
目覚まし時計を買う
多くの人がスマホを目覚まし時計代わりに使っていますが、これが寝る前や起きた直後のスマホ使用時間を増やす原因となっています。
そこで、目覚まし時計を別に用意し、寝室からスマホを排除することを推奨します。
スマホのアプリを消したり、通知・バイブレーションをオフにするだけでは利用時間が減らないという方は、スマホとの距離を物理的に離してしまうのが一番効果的です。
スマホの使い過ぎによる弊害
スマホ認知症以外にも、スマホの使い過ぎにより様々な症状が現れます。
特にスマホの使用により、長時間うつむいた首の状態が固定されることで、首コリを初めとする頭痛やめまいが生じることがあります。
首コリ
首コリはスマホの使い過ぎによって生じやすい症状です。
スマホを使い過ぎで長時間うつむいた状態でいると、通常であればゆるくカーブしている首の骨が直線に近い状態になることがあります。
これは、いわゆるストレートネックであり、首コリ以外にも頭痛・めまい・吐き気などを引き起こすことがあります。
うつ
情報過多による脳の疲労は、認知症に似た症状だけでなく、気分の落ち込みなどのうつに似た症状が現れることがあります。
カナダで行われたスマホの使用時間とうつの関連性についての研究によると、スマホを1時間利用するごとに、うつ病のリスクが高まることがわかっています。
うつ病への対策は、認知症への対策と同様に、スマホの使用時間を減らすように意識する必要があります。
睡眠障害
スマホはその情報量だけでなく、画面から発せられているブルーライトも人体に影響を与えています。
ブルーライトは、脳を目覚めさせる働きがあり、就寝前にスマホの画面を長時間見ていると、脳が興奮状態になり、寝つきが悪くなります。
就寝する1時間前までには、スマホの電源を切って、見ないようにしましょう。

