介護のはじまり

寝たきりの原因を知れば予防できる!原因疾患等を解説!

健康寿命という言葉を耳にすることが増えましたが、単に長生きするだけはなく、元気で自分の身の回りのことを行って生活をしたいですよね。

そのためには、認知症や寝たきりにならず過ごしたいものです。

寝たきりになれば、日常の多くの場面で介護を必要とされ、介護保険では要介護4や5といった状態になります。

今回はこの寝たきり状態となる原因疾患を解説していきます。

寝たきり原因① 認知症

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軽度の認知症ならそれほど影響はありませんが、中度から重度になれば寝たきり認知症が寝たきりの原因になってしまいます。

そのため、認知症の疑いがあれば早期に病院を受診し、治せるものは治療を行う必要があります。

認知症が寝たきりになる理由

身体を動かさなくなる

寝たきりにならないためには、社会生活を活発に行う必要があります。

しかし、 認知症になることによって、引きこもりがちになり、活動性が低下する のです。

例えばそれまで高齢クラブや趣味の旅行に参加していた人が、認知症を原因に控えるようになり、足腰の機能が低下してしまい寝たきりになるリスクが高くなるのです。

また、認知症という疾患を恥ずかしいと感じ、家族が本人の積極的に許さず自宅から出さないケースもあります。

リハビリが出来なくなる

機能的にはリハビリを行うことによって、十分回復する可能性があるにも関わらず、認知症があるため意欲や理解力が低下し、理学療法士などの指示も受け入れられなくなってしまうのです。

認知症が原因で、リハビリを断念してそのまま足腰が弱り、寝たきりとなるケースも珍しくありません。

折角、リハビリ目的で病院に入院してもリハビリができず、退院を迫られるケースもあります。

家族が過剰に支援してしまうケースもある

認知症になることによって、家族はショックを受けると同時に、『自分がしっかりしなければならない』と思い、本人のできることまで家族が行うことがあります。

例えば、洗濯や食事の準備、ゴミ出し、近所との交流などがあります。

完璧にこなす必要はないのですが、ついつい家族が手を出してしまい、機能を低下させてしまう結果となるのです。

寝たきり原因② 脳血管疾患

脳血管疾患は、加齢によるリスクを含めて血圧なども影響します。

脳血管疾患に罹患したとしても、軽度から重度まであり、リハビリなどを行うことによって、元の生活に近い状態を取り戻すことができることもあります。

逆に重度になればそのまま死亡してしまったり、寝たきり状態が継続し、なんらかの医療を受けなければならない状態となることもあります。

身体機能的な症状が回復する可能性があったとしても、脳血管疾患が認知症を引き起こしてしまえば、リハビリを行うに至らないことがあります。

例えば、平行棒を使って歩行訓練を行おうとしても、認知症がその必要性を理解できず取り組めないケースなどがあります。

寝たきり原因③ 骨折

足腰が弱ると、転倒・転落のリスクが高まります。そして骨折を引き起こしてしまうのです。

若年層ですと骨折しても回復する可能性が高いですが、高齢者ともなると骨粗鬆祖なども影響し回復が難しくなってしまい、寝たきり状態となるのです。

特に下肢の骨折は歩行に直接影響を受けるため手術をするケースも珍しくありません。

例えば、何とか杖を突いて歩行していたい人が骨折後に手術をしたとしても、骨折の状態などから元の生活を送ることが出来ることができず、車椅子生活になることもあります。

また、認知症のところでも触れましたが、機能的にリハビリを行うと十分に回復可能だとしても、同時に認知症があればリハビリの指導や指示を受け入れることができなくて、そのまま歩行ができなくなることもあるのです。

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上記のイラストにもあるように、転倒・転落した場合、骨折しやすい部位は4つありますが、大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折は特に、寝たきり状態となる直接的な原因になるので気を付けて生活をしなくてはなりません。

寝たきり原因④ 関節疾患

いわゆる膝関節症になると、膝が痛くて歩行ができず、下肢筋力が衰えて寝たきり状態になることもあります。

膝関節症とは

正式には『変形性膝関節症』といわれるもので、膝の動きをスムーズにする関節の軟骨が、加齢や筋肉の減少によりすり減ってしまい、痛みが発生する疾患です。

関節の軟骨がすり減ってしまうと、骨と骨が直接接して、動きがスムーズにならず歩くことが億劫になってしまいます。

O脚の人が変形性膝関節症になりやすいとされています。

寝たきり原因⑤ 心疾患

心不全などになってしまうと、動機や息切れが出現し、歩くことが大変になってしまいます。

その結果、歩くことを控えてしまい下肢筋力が低下してしまうのです。

心不全になるとどうなるのか

単に息切れや動機などの症状が出るだけではなく、不整脈、高血圧、狭心症、心筋症、弁膜症なども同時に引き起こすため、益々身体機能が虚弱になるのです。

虚弱になれば、益々寝たきりへと近づいてしまいます。

疾患以外で寝たきりになることも

最近では新型コロナウイルスの影響で外出を避けるようになった高齢者が、下肢筋力低下となりそれまでスムーズに歩行出来ていたにも関わらず、杖を使ったり歩行器を利用するようになるというケースも多発しています。

介護保険サービスである、デイケアやデイサービスなどでリハビリを受けようとしても、事業所も新型コロナウイルスの影響でサービスを休止していたりすることもあるので、悪循環となっているようです。

また、家族が仕事をしているとか、忙しいなどという家庭環境によっては、外出や散歩の頻度を減らしてしまい、下肢筋力の低下に繋がってしまうのです。

新型コロナウイルスの影響で介護保険サービスも影響を受けていますが、バランスを取りながら下肢筋力が低下しないように、家族や各種サービスを利用して防がなければなりません。

寝たきりを予防するには

寝たきり状態に最期までならないようにするのは、現実的に難しいでしょう。

しかし、寿命を長くしながらなるべく寝たきり状態にならないようにすることは可能です。

今回は寝たきりの原因となる疾患を中心にご紹介してきましたが、その疾患に早く気付いて早期治療を行う事が大切です。

例えば、物忘れがあるように家族が気が付いたら、病院を受診して原因を知って治療をすることが大切です。

上記のように、軽度認知症段階で対応すると良いでしょう。

認知症以外の疾患においても、『痛い』『違和感がある』と感じたら、そのまま放置をするのではなく、早期に病院受診を行い対応するようにしましょう。

また、転倒・転落のリスクがあり骨折してしまう可能性がある場合には、介護保険制度を利用して段差解消や手すりの設置などの住宅改修を行うことも必要です。

更に、デイケアやデイサービスなどを利用して、積極的に外に出るように心掛けて、下肢筋力低下へと繋がらないようにしておくことも大切です。

現在は新型コロナウイルスの影響で高齢者も外出を控える人が増えています。
3密を避けて、屋外を毎日散歩するなどし、下肢筋力低下を防ぐことも大切になってくるでしょう。

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