終活を意識して取り組む方が増えてきています。
ただし『終活は知っているけれど何をしたら良いのかわからない』という方も少なくありません。
終活は何歳から行わなければいけないなどのルールがなく、若い方でも取り組むことは可能です。
そこでこの記事では、終活を行う上で何から始めれば良いのか、どんな点に注意すれば良いのかなど、終活を効率よく進めるためのポイントをご紹介します。
これから終活を始める方はビジョンが定まり、終活へスムーズに取り組むことができるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
終活に関する意識調査でわかったこと
マーケティングリサーチ業を行う楽天インサイト株式会社が、2019年に終活に関する意識調査を行いました。
どんな結果が報告されているのか、注目すべき3つのポイントをご紹介します。
終活を始めたい年齢は60代が約4割
終活をしたいと考えている方の中で終活を始めたい年齢を調査したところ、もっとも多かったのは60代で約4割(41.7%)、次いで70代で約2割(23.6%)という結果が報告されました。
終活を始めなければいけないと考えるタイミングには、いくつかの理由が考えられます。
60代・70代では、家族や友人が亡くなることや、自分自身が病気になることも増えてきます。
親が亡くなった後の片づけに奔走したり、相続トラブルに巻き込まれたりすると、『自分は子ども達(家族)にこんな思いをさせたくない』と思うのかもしれません。
何から手を付けたらよいのかわからない人は約4割
終活の意向を持っているのに『終活の仕方がわからない』と悩んでいる人は、約4割(36.0%)いることがわかりました。
終活の方法がわからないという人は20代(61%)がもっとも多く、30代(45.3%)・40代(35.7%)と続きます。
終活に不安を感じる人の割合は年齢を重ねるごとに低くなっているのが特徴で、徐々に終活を身近に感じていくのでしょう。
お墓を持っていない・管理していない人は約4割
終活で重要なポイントの一つになるのがお墓です。
先祖代々の一般墓を管理している人は全体の約4割(41.0%)存在しますが、お墓を持っていない・管理をしていないという人も約4割(40.0%)に及びます。
近年、供養の方法は多岐にわたり、お墓を持たないという選択肢も増えてきています。
お墓の継承者や費用の問題を考えて、墓じまいを考えている人も約2割(22.2%)いることから、自分の供養の方法を考えなければいけないことがわかります。
参考サイト:リサーチデータ(2019年)終活に関する調査|楽天インサイト
終活を効率よく進めるポイント①できることからやる
終活は何歳からでも取り組むことができます。
ただし効率よく進めるポイントを押さえておかないと、途中で嫌になってしまう可能性も…。
そこで終活を効率よく進めるポイントを3つに絞ってご紹介します。
まず初めは『できることからやる』についてです。
いきなり大掛かりな終活はムリ
終活にはやらなければいけないことがたくさんあります。
一つひとつを紐解いていくと、これだけでも時間や労力を要することは想像に難くありません。
すべてを一度にやろうと思うのは無理がありますし家族と相談しなければいけないこともあるため、自分ができることから始めましょう。
不用品の片づけは、季節ごとの衣替えのときに不要な衣類を処分したり、ある程度不用品をまとめることができたら回収業者に頼んだりすることで進めていけます。
葬儀やお墓に関しては、本格的に決める前の情報収集であれば自分一人でもできることです。
時間をかけてゆっくりやるくらいのスタンスで、できることから少しずつ始めるのがポイントになります。
できれば身体が動くうちに生前整理を
終活はできれば身体が動くうちに行うようにしましょう。
金融資産の整理やサブスクの解約など、本人でなければできない・代理人では大きな手間がかかるということもあります。
不用品の片づけは時間もかかりますし、処分するまでの工程もかなり大変です。
病気やケガなどを患っている場合は別として、自分が動けるうちに生前整理を行っておくことが重要なポイントです。
終活を効率よく進めるポイント②一人でやらない
終活を効率よく進めるポイントの2つ目は、一人でやらないということです。
仮に一人暮らしや家族がいないという場合でも、一人だけで進めるにはリスクを伴います。
家族のいる人は家族とよく話し合う
家族がいる人は、自分の終活について家族とよく話し合うことが大切です。
以上の5点については、必ず自分の希望を伝えた上で家族の意見も聞いてください。
特に延命治療や介護については、決定をするときに本人の意思確認ができないことが考えられます。
自分らしい最期を迎えるためには、死をタブー視せずに家族と話し合うことが重要なポイントです。
おひとりさまは相談窓口へ
身寄りがない『おひとりさま』の場合は、専門家を巻き込んで終活を行うのが良いでしょう。
近年ではおひとりさまの終活を支援するサポート団体なども多く誕生しています。
市町村役場の窓口でも対応は可能ですし、終活イベントなどに参加すると終活の専門家が必要な手続きなどについて教えてくれます。
特に民間のサポート団体や相談窓口サービスは、専門家や業者の紹介を行ってくれますので安心です。
自分が亡くなったあとの手続きや、認知症などで生きている間に判断能力が無くなってしまった場合に利用できる制度などもありますので、ぜひ相談の上検討してください。
終活を効率よく進めるポイント③エンディングノートを活用する
終活の第一歩ともいえるのがエンディングノートです。
エンディングノートは終活を行う上で、必要不可欠といっても過言ではありません。
終活を効率よく進めるために、エンディングノートは必ず作成するようにしましょう。
エンディングノートのメリット
エンディングノートのメリットは大きく3つあります。
残された家族にとってもっともつらいのは、故人が何を望んでいたのかがわからないということです。
医療(延命など)・介護・葬儀・お墓…何も決まっていない状態から自分たちで決めることは、大きな負担になります。
その上『これで良かったのか』という答えの出ない問いをずっと抱えることになるのです。
決まった書式などはありません。
市販のエンディングノートなら、記入する項目が既に書かれているのでぜひ活用してください。
記録を残しておくことの大切さ
記録=自分の思いや希望を残しておくことはとても大切です。
終活の目的は、自分らしい最期を迎えるための準備をすること。
せっかく準備を続けていても、記録に残していなければ希望の通りになる確率はゼロに近くなります。
エンディングノートに自分の希望や思いを残すことで、家族は道筋を見つけることができるのです。
まとめ
終活を始めたいけれど何からすれば良いのかわからないという人は、まずエンディングノートの作成に取りかかってみましょう。
エンディングノートを作ることで、自分のしなければいけないこと・家族と相談すべきこと・専門家の力を借りなければいけないことなどが明確になります。
終活は何歳から始めてもOKです。
自分の身体が動くうちに生前整理を行い、残された家族の負担を軽減できるような終活を目指してください。