親と離れて暮らしている人にとって、一番気になるのは食事の管理ではないでしょうか?
きちんと三食食べているか、バランスはとれているか…離れているからこそ心配が尽きないものです。
この記事では高齢の親と離れて暮らしている世代の方向けに、高齢者の食事管理に役立つ宅配サービスに関する情報をご紹介します。
高齢者が抱える食の課題を少しでも解決する方法として役立ててください。
高齢者はなぜ食べなくなるのか
年齢を重ねると『昔よりも食が細くなった』『食に対する興味がなくなってきた』などという声をよく聞きます。
高齢者はなぜ食べなくなるのか、考えられる原因を4つご紹介します。
運動量の低下
高齢になると、一日の運動量は若い頃よりも低下し、食欲がわかないということが考えられます。
仕事を引退した・子どもが独立したなど、生活のリズムが大きく変わることも特徴です。
その分運動量は低下してしまうため『時間になってもお腹が空かない』『少しの量でお腹がいっぱいになる』という状況になりやすく、食べないという結果につながってしまいます。
病気
年齢を重ねると、思いもよらない病気を患うこともあります。
身体に痛みが出る・複数の種類の薬を服用するなど、病気が原因となって食に対する興味や欲がなくなることも考えられるでしょう。
病気を患ったことで運動量が低下し、今までの生活が大きく変わることも少なくありません。
準備や後片付けが面倒
食事の準備や後片付けを面倒に感じてしまい、簡単なもので済ませたり、食べなかったりすることも原因として挙げられます。
特に一人暮らしの方の場合は、準備や後片付けが楽なものを重宝してしまいがちです。
身体の痛みなどで台所に立つことが億劫という人もいます。
食材の管理ができない
食材を買ってくる・収納する・賞味期限などを管理する・献立を立てて料理する…高齢になると、一連の食材の管理ができなくなることがあります。
筆者の祖母がよく言っていたのは『スーパーの食材は量が多すぎる』『野菜やお肉をダメにしてしまうのがもったいない』ということでした。
祖母は一人暮らしだったので、余計に食材の管理に困っている様子があり、作り置きなどをしても食べきれないと言っていました。
食材の管理ができない・難しいということが、高齢者の食べないという問題を生み出していることもあります。
高齢者が食べないことによるリスクは?
高齢者が『食べない』という状況になったとき、どのようなリスクが生まれるのでしょうか?
栄養不足
もっとも考えられるリスクは栄養不足です。
一日に必要なカロリーを摂取できない状況が続くと、栄養不足になってしまいます。
栄養不足は身体にさまざまな影響を及ぼしますので、回避したいリスクといえるでしょう。
水分不足による熱中症や脱水症状
暑い時期だけではなく、食事から摂取できる水分が不足することで、脱水症状や熱中症を引き起こすリスクもあります。
ニュースなどでも報じられていますが、脱水や熱中症は命に関わることもあり、高齢者は特に注意が必要です。
筆者の勤務していた訪問介護事業所では『トイレが近くなるからあまり水分を摂らない』という利用者の方が多く、ヘルパーさんがメニューを工夫したり、声かけを行うなどの対策をしていました。
バランスの偏ったメニューによる体調不良
バランスの偏ったメニューによる体調不良にも注意しなければいけません。
利用者の方に多かったのは、男性の一人暮らしで料理ができないというケースでした。
料理はできない、でもお腹は空く、インスタントなど簡単に食べられるもので済ませてしまう…野菜や果物などが圧倒的に不足している利用者の方が多く、事業所でも課題として挙がっていたほどです。
バランスの良い食事を摂ることは健康的な生活を送る上で、非常に重要なポイントとなります。
遠隔介護におすすめ・宅配サービスの利用をおすすめする理由
一緒に住むことはできないけれど、食事の課題を解決したいと考えるご家族におすすめしたいのが、食に関する宅配サービスの利用です。
筆者の祖母が実際に利用した事例を含めて、便利なサービス内容をご紹介しましょう。
バランスを考えたメニュー
宅配サービスでは、バランスを考えたメニューを開発し提供しています。
高齢者向けだけではなく、近年ではさまざまな宅配サービスが提供されています。
筆者の祖母が利用したのは、お弁当の宅配でした。
毎日夕方の決まった時間に配達員の方が一人分のお弁当を配達してくれるのです。
メニューも一週間単位で選ぶことができて、バランスの良い美味しそうなお弁当でした。
介護保険外のサービスなので実費はかかりますが、一人暮らしの高齢者の方にとってはバランスを考えた食事が摂れるので、非常におすすめです。
調理法が簡単
宅配サービスのメリットは、調理法が簡単ということです。
筆者の祖母はレンジで温めるだけのサービスを利用していましたが、簡単できちんとした食事が摂れるととても喜んでいました。
長年台所に立っていた人だったので、最初の頃は『レンジでチン』に抵抗があったようですが、「慣れるとこんなに便利なものはない」と言っていました。
調理法が負担にならないということも、高齢者の利用には欠かせない条件だといえます。
見守りを兼ねたサービス
宅配サービスの中には、配達員が見守りを兼ねて配達をしてくれる業者もあります。
決まった時間に自宅へ配達を行い、応答がなかったり異変を感じた場合は緊急連絡先へ連絡をしてくれるのです。
祖母の場合、外出することを伝え忘れて、業者の方が筆者に連絡をしてきてくれたことがありました。
連絡しなかったことを謝罪しましたが『何事もなくて良かったです』と言われたことを覚えています。
離れて暮らしている家族にとって、自分たち以外にも高齢者を見守ってくれる存在があるということは、非常に心強いものです。
まとめ
年齢を重ねると、食に対する課題は増えてきます。
しかしその課題に一つひとつ対応することは難しく、特に離れて暮らしている場合は様子がわからないので心配は尽きません。
そんなときに利用をおすすめしたいのが、食事に関する宅配サービスです。
近年では多くの事業者がさまざまなサービスを提供しています。
高齢者の方のニーズや課題に合ったサービスを探し、利用を検討してみてください。