これからの人生をどう生きていくのか、今までの人生をどう総括するのか。
終活は残される家族のためだけではなく、自分自身の人生を振り返り、見つめ直すために必要な活動です。
終活にルールはありませんが、できるだけ早めに準備しておくことが推奨されています。
この記事では、実際の事例をご紹介しながら、終活のポイントや終活のサポートをしてくれるサービスについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
終活の成功事例「早めの準備で得た安心」

終活は早めに取り組むことがポイントと言われています。
ここで紹介する2名の方は、それぞれの理由で早い段階から終活に取り組んでいました。
実際にどのようなポイントを押さえて活動していたのか、ご家族からのお話をご紹介しましょう。
Aさん(60代)の事例:生前整理を行い家族の負担を軽減
Aさんは60代で亡くなった女性です。
生前はとても元気な方で、50代でご主人を亡くされてからも、趣味の手芸やゴルフなどを楽しんでいらしたそうです。
Aさんは、ご主人を亡くされたときに「人はいつ亡くなるかわからない。」と話していて、残された家族の大変さなどを身をもって知っていました。
そこで、Aさんは自分に何かあった時に、息子たちやお嫁さんに迷惑はかけられないと早い段階で終活に着手。
- 家の不用品の処分
- エンディングノートの作成
- 墓じまい
などを積極的に行っていたそうです。
息子さんたちにとっては、まだ早いと思っていたとのことですが、Aさんは着々と準備を進めていました。
しかし、ある時Aさんは心臓の病気で、急逝されてしまいます。
あんなに元気だったのに・・・と息子さんたちは呆然としたそうですが、きれいに整えられた家の中やクローゼット、キッチンなどには驚かされたといいます。
「本当に必要なものだけを残していました。どうやって処分したのか、私たちには何も言いませんでしたが、私と弟に引き取って欲しいものを段ボールに入れて残してあって、それ以外の物は処分してくれて構わないとエンディングノートに書かれていたのです。おかげで実家の整理はほとんどしなくて良かったほどでした。」(Aさんの長男)
ご主人を亡くしたときの経験を活かして、残された息子さんたちに負担がかからないようにAさんが行った終活は、確実にその目的を果たしていたようです。
Bさん(70代)の事例:葬儀やお墓の準備で本人の希望通りに
Bさんは70代の男性。
生前、奥様と墓じまいについて相談されていて「今のお墓は子ども達に負担になる。」と話されていたそうです。
Bさんは、60代の半ばで前立腺がんを患い、治療中でした。
そのこともあって、Bさんは墓じまいを行い、自分と奥様のお墓として樹木葬の契約を行ったそうです。
また、葬儀の生前予約を行いたいといくつかの葬儀場を見学。
自分にもしものことがあった時に連絡をして欲しい人のリストを作成し、葬儀場の予約まで済ませていました。
「主人がどんな葬儀にしたいのかがわかっていたし、連絡をしなければいけない人もわかっていたので、慌てることがありませんでした。何より、主人の希望した葬儀や参列者、お墓が準備できていたので、みんなが納得のいく最期になったと思います。」(Bさんの奥さま)
ご本人の希望がわからないというのは、残された家族にとって後悔の種になります。
Bさんは終活を前もって行うことで、自分もご家族も納得のいく最期を迎えることができたようです。
終活の失敗例「話し合っておけば・・・」

終活を行わなかったことで、残された家族の負担が大きくなったり、感情的に納得がいかなかったりすることがあります。
家族との話し合いや終活を行っていないとどんなリスクが生まれるのか、2つの事例をご紹介しましょう。
Cさん(80代)の事例:葬儀の費用が想定外で困ったケース
Cさんは80代半ばで亡くなりました。
残されたのは奥様と60代の息子さん。
Cさん夫妻の年金暮らしで、息子さんは病気のため長く働いていない状態でした。
Cさん夫妻は、自分たちが亡くなったら息子はどうするのかという不安は抱えていたものの、具体的な終活は行っていませんでした。
Cさんはある日突然倒れ、入院。亡くなったのは病院で、亡くなった後に入院費の請求がやってきました。
さらに葬儀も不要なほど華美な葬儀になってしまい、思ったよりもはるかに費用がかかってしまったそうです。
「主人が亡くなって、すぐに葬儀のことなどを決めなければいけなくて、とても急かされた気持ちでした。病院から紹介された葬儀社の人が言うままに話が進んでしまって・・・。実際に葬儀の日になると参列者も少ないのに、大きな式場で、ものすごい数の花が飾られた祭壇でびっくりしました。主人はきっと質素にしてほしかったんだろうし、私も支払いが難しくて、親戚に助けてもらうことになってしまったんです。事前に準備をしておけばあんなに焦ることもなかったんだろうと思います。」(Cさんの奥様)
亡くなってからの準備は思ったよりも短い時間しか与えられません。
家族の負担を考えると、終活の大切さに気付かされます。
Dさん(60代)の事例:お墓がない状態で困ったケース
Dさんは4人兄弟の末っ子でした。
結婚した頃から「お墓には長男しか入れないから準備をしておけ。」と父親に言われていたそうですが、あまり深く考えず、奥様と話し合うこともなかったそうです。
そんなDさんは、定年退職をしてすぐに、くも膜下出血で急逝されました。
葬儀はなんとか済ませたものの、Dさんの兄から「お墓は準備してあるのか?」と聞かれ、奥様はお墓がないことに気付いたといいます。
Dさんは生前とても健康な方で、奥様もこんなに早く亡くなるとは思っていなかったとか。
一旦自宅で遺骨を保管していたそうですが、息子さんと話し合って自宅近くのお墓を購入しました。
「お父さんがどんなお墓に入りたかったのかがわからないんです。うちは息子がいるので、とりあえずお墓を購入しましたが、お父さんの希望がわからないので、ずっとモヤモヤした気持ちがあって。きちんと話し合っておけば良かったです。」(Dさんの奥様)
本人が何を望んでいたのかがわからないと、残された家族には解決できない課題が残ってしまいます。
事前に家族で話し合っておく大切さがわかる事例といえるでしょう。
終活で押さえておきたい3つのポイント

終活は早めに行っておくことが重要ですが、それ以外にも押さえておきたいポイントがあります。
どんなことに注意すべきなのか、ポイントを3つ挙げてご紹介しましょう。
財産整理と遺言書の作成
終活において、自分の財産を整理し、明確な遺言書を作成することは非常に重要です。
財産の分配を明確にすることで、相続人間でのトラブルを避け、家族に無用な負担をかけないようにしなければいけません。
財産整理には、不動産、預貯金、株式などの資産のリストアップや、負債がある場合の把握も含まれます。
遺言書を作成する際には、法的に有効な形式を守ることが大切で、公証人役場での作成が推奨されています。
介護や医療に関する事前の準備
介護や医療に関する準備も、終活の大切なポイントです。
自分が将来、介護が必要になった場合に備えて、どのような介護施設やサービスを利用したいか、またどのような医療を受けたいかを事前に考え、エンディングノートなどに記載しておきましょう。
また、家族が介護や医療の判断をしやすくするために、事前に医療同意書や尊厳死宣言書などの書類を作成しておくこともおすすめ。
これにより、自分の意志を尊重したケアを受けることができます。
デジタル遺産の整理
現代では、インターネット上のアカウントやデジタルデータも「遺産」となります。
メール、SNS、ネットバンクのアカウント、クラウドに保存している写真や書類など、デジタル資産をどう管理・処理するかを考えることが重要です。
これには、各アカウントのIDやパスワードをまとめておくこと、消去したいデータや継承したいデータを決めること、そして信頼できる家族や友人にこれらの情報をどう扱ってもらいたいかを指示しておくことが含まれます。
デジタル遺産を整理することで、残された家族が困らないように準備することができるでしょう。
終活をサポートしてくれる窓口はある?

終活に取り組みたいけれど、何から手を付けて良いのかわからない・・・という人は少なくありません。
そんなときに相談に乗ってくれたり、サポートしてくれる窓口があることをご存知でしょうか?
実際に終活をサポートしてくれる窓口を4つご紹介します。
行政機関の相談窓口
各市町村の行政機関には、終活に関する相談窓口が設けられている場合があります。
特に高齢者向けの「地域包括支援センター」や「高齢者相談窓口」では、相続や介護、生活設計について無料で相談が可能です。
また、地域の終活イベントやセミナーなどの情報提供も行っています。
行政機関の窓口は、まず何から始めればいいのかを知りたい方や、無料で相談したい方に適しています。
司法書士や弁護士などの法律事務所
遺言書の作成・財産の整理・相続手続きなど、法律に関する問題については、司法書士や弁護士が専門的なサポートを提供しています。
特に、遺言書の有効性や法的な問題に関しては、専門家のアドバイスを受けることでトラブルを未然に防ぐことが可能です。
法律事務所によっては、初回の相談を無料で提供しているところもあり、事前に費用を確認することをおすすめします。
信託銀行・金融機関
信託銀行や一部の金融機関は、財産管理や相続のサポートとして「遺言信託」や「遺産整理業務」を提供しています。
これらのサービスを利用することで、財産の管理を専門家に任せ、相続手続きをスムーズに進めることが可能です。
金融機関によっては、ライフプランニングの一環として老後資金の相談もできることがあり、遺産に関する手続きや資産運用を専門家に一任したい方に適しています。
葬儀社やエンディングプランナー
葬儀社やエンディングプランナーは、葬儀やお墓の選定、エンディングノートの作成など、具体的な準備に関する相談を受け付けています。
多くの葬儀社では、事前相談として、自分の希望に沿った葬儀プランを作成するサービスを提供しており、費用の見積もりや契約内容を確認することが可能です。
エンディングプランナーは、葬儀だけでなく、終末期医療や介護の選択肢についても相談に乗ってくれることがあるため、相談会などに出席してみると良いでしょう。
まとめ

終活には、自分のためだけではなく、残された家族の負担を軽減する目的もあります。
今回ご紹介した事例でも、終活をしなかったが故の後悔を持たれているご家族のお話が印象的でした。
終活の必要性はわかっていても、やり方がわからないという方は、ぜひ終活に関する相談窓口を利用してみてください。
終活の中には、専門家のサポートが必要なものもあります。
終活を始める年齢は決められていませんので、身体が元気に動くうちにトライしてみましょう。

